岡田斗司夫が現代のカリスマを解き明かす「カリスマ論」
カリスマは働かずに生きていける
全然関係ないですが、Amazonの著者近影の岡田さんの顔がめっちゃ違うくてビックリしました。
以前スマートノートで紹介した岡田斗司夫さん。
堀江さんとか箕輪さんとかも教えを貰いにいくすごい人ですが、そんな岡田さんから見たカリスマってどんな風に写るのでしょうか?
カリスマ店員とか、そんな安いカリスマではありません。
「働かずに食べていきたい」
「仲間や友達がいっぱい欲しい」
「好きなことだけをやって、生きていたい」
「自分の夢や成功を、みんなに応援してほしい」
これらの願いを叶えれるのが「カリスマ」です。めっちゃいいな。
この本では、カリスマという存在、カリスマのなりかた、カリスマの危険性、カリスマを必要とする社会、カリスマが動かす歴史、カリスマじゃない私たちの対処法、などについて語られてます。どれも興味深いです。
ここでは、「現在のカリスマについて語る」「カリスマはビジネスになる」「カリスマとはどういう存在なのか?」について掘り下げます。
それ以外の項目については本を読んで下さいね。
カリスマとは?
現代のカリスマについて語る
カリスマと聞いて誰を思い浮かべますでしょうか?
自分の中では、武田信玄(センゴク)、曹操(蒼天航路)、YOSHIKI、イチロー、スティーブ・ジョブズ、イーロン・マスクとかを思い浮かべます。
なんかやっぱり業界や世界に変化を与えた人って感じがカリスマですね。
この本では堀江貴文さんをカリスマの例として解説されてます。
「ホリエモンがカリスマ?」と首を傾げる人もいると思います。今の堀江さんって何やってる人なのかよくわかってない人はそうですよね。
岡田さんの分析では、ライブドア時代の前期と、出所した後期では全く異なるビジネスというか、全く異なる存在になったということです。
堀江さんの「ビジネス」の変換を追うことで、カリスマビジネスの本質が見えてくるそうです。
前期ホリエモンは、世間の声も気にせず、誤解されても全く気にしない。
後期ホリエモンは言葉を丁寧に選び、本を書いたらSNSでマメに宣伝する。
この差はなんででしょう?
前期ホリエモンは資本主義社会におけるITビジネスをやっていて、後期ホリエモンは評価経済社会においてカリスマビジネスをやっている。
そういう事なのです。
堀江さんは、刑務所で新しいビジネスモデルの創造に没頭していました。
ものすごい文量のメルマガを、毎週1回配信していました。
僕も読んでいますが、ほんと今も毎週凄い量をきっちりアップされてます。
刑務所に居ながらコンテンツをハイペースで生産し、新しいビジネスモデルを作り出したのはおそらく堀江さんしかいないでしょう。
岡田さんは堀江さんの獄中お見舞いに行ったそうですが、その時堀江さんは貴重な面会時間のほとんどをスタッフとのメルマガの打ち合わせに使っていたそうです。
堀江さんの周りには、彼を支えようとするスタッフが集まってたんですね。
それもどうしてなのか興味あります。人が集まるのすごいです。
メルマガと並んで、堀江さんのカリスマビジネスの柱になってるのが「オンラインサロン」です。
「スマートノート」でも書きましたが、堀江さんにこのアイデアを享受したのが岡田斗司夫さんなんです。
「社員が社長にお金を払って働く」
こう書くと当時は全く世間に理解されなかったそうです。悪徳宗教の教祖扱い。
堀江さんだけがめちゃめちゃ感心されたそうです。
メルマガとオンラインサロンだけで売上数億になると思うので、すごいサイドビジネスですよね。
カリスマはビジネスになる
ここまででわかるのが、「カリスマはビジネスになる」という事です。
お金を払って働くって普通に考えたら不思議ですよね。
僕もいくつかオンラインサロンに入ってます。iPad YouTuberのamity_senseiのサロンにも入ってるんですが、学校の宿題はなんもしなかったのに、サロンの課題は時間を見つけて頑張るんですよ。
これはamity_senseiに絡んでほしい欲とかだと思います。
なんでカリスマが中心にいるだけで、そんな現象が起きるのでしょう。
これまでの企業の中心にあるのはお金です。お金を持っている人の所にはビジネスが集まってきます。
サロンは人気者、有名人、カリスマのある人が中心です。評価を持っている人の周りには人が集まってきます。
本当に面白い、突き抜けたプロジェクトがあったら、人は無報酬でも、なんならお金を払ってでも参加してきます。
岡田さんはこうした社会変化を「評価経済社会」への移行過程だと言ってます。
これまで大勢の人に影響を与えれたのは、宗教やマスメディアに限られてました。
しかし今はインターネットで、個人であっても不特定多数に対して影響を与えることが可能になってます。
しかし、誰でも同じだけの影響力を及ぼせるわけではありません。
人気者や有名人など高い評価を得られる人ほど、他人に影響を与えられる社会。
これが「評価経済社会」です。
個人だけでなく企業も評価経済社会に移行していってますよね。
アップルはライフスタイルの提案という評価によって支えられています。
ディズニーランドも同じように、世界観に共感した人が「働きたい!」と集まってきます。
西野さんのサロンも、お金を払って参加して、仕事を手伝い、そこで得たノウハウを使って組織外からお金を得たり、人脈を広げるのを目的としている人が多いと思います。
カリスマってどういう存在なのか?
カリスマな人は、その影響力で人を集めて何を目指そうとしているのでしょう?
それは、カリスマが所属しているジャンルの世界観、価値観の変革です。
自分の強い影響力を駆使して、世界を変えようとしてるのです。これがカリスマの行動原理なんです。
織田信長が志半ばで失敗したからといって、カリスマではないという事ではありません。
カリスマたる人間に必要なのは、成功ではなくその人自身のあり様です。
カリスマが持っている属性は次の4つだそうです。
- シナリオライター
- パフォーマー
- プロデューサー
- トリックスター
シナリオライター
カリスマはこの世界を「物語」だと捉えてます。この先のストーリーがある程度見えています。
「世界はこう変わる」と自分の描く未来に絶対の確信を持っていて、その物語において自分に配役が与えられてると思っているのです。
だからカリスマは他人のシナリオも見えますから、「お前はこうしろ」と余計な口出しをしてしまうのです。
パフォーマー
カリスマはパフォーマーです。自ら演じる事で人の心を動かす人です。
本を書いたり講演するのは自論を発表してるだけで、パフォーマーとは言えません。
カリスマは自ら積極的に行動します。自論を相手に押し付けて、人を巻き込んでムーブメントを起こそうとします。
周りの人はカリスマが描いているシナリオは見えませんから、止めようとします。
「そんな事せずに普通にサラリーマンしてる方が安定するよ」
当然カリスマは聞き入れませんから、周りとは必ず齟齬が起こるのです。
ほんまカリスマな人はみんなそれよね。
プロデューサー
カリスマはプロデューサーでもあります。ついつい相手の人生にも介入してしまうことになります。
プロデューサー気質の人間は、気になる才能の人に出会ったら、「絶対こっちの道の方がいいよ」と言ってしまいたくなるのです。
逆に言えば、プロデューサー気質のない人間は、カリスマになる事は出来ません。
トリックスター
カリスマは知恵や道具をもたらす一方で、社会の秩序をかき乱し、文化を活性化させたりする存在です。
カリスマ自身は権威に対する執着はありません。でもカリスマの影響が大きくなってくると、権威側はその存在を無視できなくなります。
それはカリスマはシナリオライターでもあるからです。
権威側からしたら変化は望まないのです。それを脅かす存在は排除しなきゃと攻撃するのです。
堀江さんが逮捕されたのもこの流れですよね。
以上の要素を全て兼ね備えてる人が、カリスマとなれる人です。
カリスマビジネスってどうやんの?
例えばカリスマがカレーが好きで「カレー屋さん」を始めるとします。
これまでの芸能人の店は、お客さんが来店しない限りお金は発生しません。
一日店長とかでもなく、カリスマ自身がお店に常駐するんです。
オンラインサロンのメンバーはネット上で交流したり、グッズを買う事は出来るけど、リアルな店に行けるのはプレミアムメンバーの特権です。
オンラインサロンではカリスマプロデュースのカレーを月替りで販売。年会費を払った人間にはリアルカレー屋さんに入れるチケットが貰えます。
カレー屋さんはいつも予約でいっぱいだけど、チケットを持ったメンバーは並ぶ事なく奥のプレミアム部屋に案内され、カリスマ店長と話すことも出来る。
ここまで練り込んでこそのカリスマビジネスです。
ここでのカリスマと食事をするというのは、お客さんにとっての最大のイベントになります。
ディズニーランドもカリスマビジネスです。
グッズを買って、年間パスも買って、最大のイベントはシンデレラ城での結婚式です。
こうなると人だけでなく、場所や架空の存在もカリスマって存在になるんですね。
「カリスマ論」を読んでやってみた
カリスマじゃない一般人はどうすればいいのよ?
カリスマをめぐる文化的な階層構造は、ピラミッドでは4階層になります。
一番上がカリスマ。
その下がセレブ層。カリスマから影響を受けて情報発信をします。
その下がマイルドヤンキー、リア充、オタクの集まる層になります。
セレブの影響を受けてそれぞれの属性に分かれていきます。
本人がどういう人かではなく、「周りからどういうキャラと認知されているか」です。
個性アピールに成功した人にはフォロワーができ、他人に対する影響力も強くなっていきます。
マイルドヤンキー、リア充、オタクという3つの成分を兼ね備えると、セレブとして認知されます。
Twitterのフォロワーで言うと、大体1万人以上という感じらしいです。
まだまだやなー。
そして一番下が一般人です。
なぜ最下層かと言えば、自分のやりたい事が分かっていないため、他人に影響を与えられないからです。
家族や仲間が増えたらマイルドヤンキー、消費する様になったらリア充、趣味が増えた人がオタクになっていきます。
今の時代の立身出世はもちろん、他人に対してより大きな影響力を行使できるカリスマを目指す事だと言えます。
自分の影響力を増すことができれは、文化的な階級を上がっていけるのです。
カリスマにはなれなくても、セレブくらいなら目指せます。
カリスマになれなくても、カリスマやカリスマを目指す人をサポートすれば人生は充実していくと思います。
カリスマの時代って結構楽しいですよね!
この本でカリスマについて学んでみましょう!
著書名 カリスマ論: ビンワード電子版
著者 岡田斗司夫
出版社 ビンワード