落合陽一とSDGsを考えてみると新しい世界には希望しかなかった!「2030年の世界地図帳」
世界が変動しすぎであたふたする
この本を読むと得られるもの
地球環境問題を考える際に重要なSDGsについての落合さんの意見が読めます。
知識がなくとも理解できるようなわかりやすい解説がされてます。
「死ぬこと以外はかすり傷」の中で箕輪さんは、
「落合陽一は異次元の天才すぎる為、正直言って、すぐには発言の意味が分からない事がある。話にならない。宇宙人だ」
「彼の四次元な感じと研修者としての圧倒的な実績と教養量。この振れ幅が落合陽一の色気だ」
「彼の書籍は、注釈や参考文献を読みながらでないと完璧には理解できない。そんな本が軒並みベストセラーになっていく」
と絶賛しまくりだったので、無性に落合さんの本が読みたくなり、この本を手にしました。
落合陽一さんの言葉には何かしらの中毒性があるのはわかります。SENSORSとか大好きです。
現代は資本主義が世界を席巻する一方での貧富の差の拡大、過去に例のない地球規模での異常気象など多くの問題が発生しています。
一方でAIや自動運転、ゲノム編集などのテクノロジーの発達は人々の生活を一変させる影響力を持つでしょう。
10年後には仕事も世界もどう変化するのか想像するのも難しい…。
そういった観点から、何か具体的な目標に向かって身の回りの物事を見つめ直す必要があります。
そこで、SDGsをはじめとして2030年の事を考える為の本なのです。
インドは間も無く世界第5位のGDPの国になるでしょう。アフリカのケニアではモバイル送金サービスの取引額がGDPの同額に迫る勢いです。
そんな中、日本は少子高齢化、人口減少とこれから大変な状況になっていきます。
このように変化する時代に、目の前の事だけ見てても状況は変わりません。
「そんな事言ったって、毎日忙しいし、世界とかどうでもいいわー」
とか言ってたらあっという間にこれから来る格差社会の下側の層に仲間入りです。
人生100年時代において「遠くから見る視点」は大切なんです。
SDGsについて勉強しましょう
恥ずかしながら、最近まで知らなかったのね、この言葉。
本屋に行った時にこのテーマの本がやたら並んでました。
いかんね、世界に着いていってないね。
SDGsとはSustainable Development Goals、持続可能な世界の実現のために定められた世界共通の目標の事です。
「持続可能な世界」とは、今現在生活している私たちの要求を満たし、かつ、将来の世代が必要とする資産を損なわない社会の事です。
その実現の為に、貧困から環境、労働問題まで17のゴールを設けています。
2017年の国際サミットで採択され、2030年の達成を目標としています。結構短い期間で達成させるんやなあ。
そのゴールとは
貧困をなくそう
飢餓をゼロに
全ての人に健康と福祉を
質の高い教育をみんなに
ジェンダー平等を実現しよう
安全な水とトイレを世界中に
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
働きがいも経済成長も
産業と技術革新の基盤を作ろう
人や国の不平等を無くそう
住み続けられる街づくりを
つくる責任 つかう責任
気候変更に具体的な対策を
海の豊かさを守ろう
陸の豊かさも守ろう
平和と公平を全ての人に
パートナーシップで目標を達成しよう
この17の目標の下に169のダーゲットが記載されています。その中には具体値も盛り込まれています。
SDGsの母体となったのは2000年から進められたMDGsです。
これはほとんど達成されないまま終わりました。今回もならないだろうか心配…。中国…。
今回の大きな違いは国連とかだけでなく、グローバル企業が策定と運用に大きく関わっている事です。むしろ国連より頼りに感じてしまう。
発展途上国と先進国では深刻に捉える問題が違う、持続可能性のわかりにくさ、問題解決の過程の難しさなど問題もあります。
今後、海外の友達と貧困問題や温暖化について、話す場面があるかもしれません。
問題を共有することは大切です。そうする事で日本の問題について話すと興味を持ってもらえるでしょう。
この本では「デジタル・イデオロギー」「貧困と格差は解決出来るのか」「環境問題」「SDGsとヨーロッパ」「池上彰さんとの対談」について語られています。
ここでは、「デジタルイデオロギー」と「環境問題」について掘り下げたいと思います。
それ以外の項目は本で確認してね。
地球と人間の関係が変わる環境問題
まずは水が大切なのを再確認しよう
環境問題ってどうしても自分ごととして考えにくいですよね。
SDGsには7の「エネルギー」や13の「気候変動」など環境問題の目標も多くあります。
近年は発展期に入った途上国による環境破壊が深刻なのです。温室効果ガスの排出量だと、中国、インド、メキシコなどがヤバイです。
環境問題は個別の地域ももちろんですが、人類全体でどう課題に向き合うかが大切です。
日本は水資源が豊富にある国です。
しかし、日本は食料を多く輸入に頼っています。その農作物には多くの水を必要とします。その水資源を「バーチャルウォーター」と呼びます。
水不足問題はこのバーチャルウォーターに大きく影響を与えます。日本もひとごとではないのです。
食糧を生産する為に必要な牧草地や燃料、道具の材料など必要な土地で換算すると、現在の世界全体の人々の生活を支えるには地球が1.7個必要になります。
もうすでにキャパをオーバーしているのです。
日本が現在の生活を維持するには国土の7.1倍の広さが必要です!
こうした自国以外との関係性を明らかにしながら考えるのは、環境を考える上で重要な取り組みです。
私たちは人類が吸ったことのないCO2濃度の空気を吸ってます
現在の地球の大気中の二酸化炭素の濃度は過去80万年で最も高い数値です。
地球温暖化の一番の原因は二酸化炭素の増加です。温室効果ガスは太陽から降り注いだ熱を保持する役割があります。
しかしこの割合が増えすぎると、温室効果が高くなりすぎて、気温が上昇します。
最も気温上昇の大きいシナリオでは、世界の平均気温は3.7度上昇します。
海面上昇と食糧危機の発生、多くの種の絶滅が予想されます。
日本でも熱帯性の伝染病が蔓延し、生態系が大きく変わり、現在の自然や文化を維持するのは不可能になります。
このままの排出量だと近い将来、このような温暖化の問題が顕著になるのです。
ほぼ息をしていなかった京都議定書から17年。2015年にやっとこ次の一歩が踏み出されます。
それがCOP 21で採択された「パリ協定」です。問題は今まで散々煮湯を飲まされたアメリカと中国がどう出るのか。
なんと双方が納得できる削減目標が提案され、環境問題への法的拘束力を持った全世界的な取り組みが初めて成立したのです。
太陽光エネルギーで覇権を目指さす中国
中国は現在世界で一番二酸化炭素を排出している国です。
2000年代まで環境問題なんか全く無視、新興国という理由で京都議定書でも削減義務はなし。
しかし2010年代になると、中国の大気汚染が深刻化し、大急ぎで規制をし出しました。
ここまでは中国ざまあな話なのですが、ここからが中国の強さ。
2030年までに化石燃料の使用量を20%削減する目標を掲げ、太陽光発電には5年で日本円で17兆円もの投資を行うとしています。
中国は動き出すとほんとすごいな。
こうした国家の全面バックアップのもと、太陽光パネルの生産量で世界1位、発電量でも世界1位と圧倒的なシェアとなりました。
さらに一帯一路を活かして、ユーラシア大陸を横断して中央アジアへ電力を送り込む巨大電網の構築も進んでいます。
GAFAMはなぜ環境問題に熱心なのか
GAFAにマイクロソフトを付け加えたGAFAM。
これらのグローバル企業の環境問題への取り組みはめちゃめちゃ頼もしいです。
なぜこのような活動をするのか?
19世期の思想家エマソンが生み出した「超越主義」という考え方が、ヨーロッパから独立したアメリカの背景と繋がり、その後のアメリカの環境保護思想に大きな影響を与えました。
現代アメリカの急進的な環境保護運動の多くが、ディープ・エコロジーの強い影響下にあると考えれます。
テクノロジーとエコロジーの融合。そこにスピリチュアルも加わり、思想的背景からなるアメリカンデジタルの精神が形成されました。
GAFAMをはじめとするグローバル企業の創業者はこれらのムーブメントの中で生きてきた人が多いのです。
それゆえに環境問題に積極的であるのかもしれません。
「デジタル・イデオロギー」の破壊力
やっぱり時代はGAFAMなのです
情報テクノロジーを基盤にした営利企業の力は、ひとつの国家より大きな影響力を持つことがあります。
Amazonの時価総額はブラジルの国家予算を凌ぎ、Facebookのユーザーは23億人と中国の人口を余裕で上回ります。
今後人々はより多くの時間を、情報テクノロジーを基盤にした生活インフラに接続するでしょう。
したがって、テクノロジーの未来を予測する事は、来るべき社会を支配する構造や権力の源泉を予測することにもなります。
また、テクノロジーの発展を含む地政学的な動向の予測をするのに必要なのが人口動態です。
予測もブレにくいですし、人口がもたらす労働と消費は市場経済を動かす原動力です。
テクノロジーによる変革を考えるのに重要なのが「破壊的テクノロジー」です。
破壊的テクノロジーは、既存のルール自体を変革します。iPhoneなんかはその代表で、社会の様相を一変しました。
2030年の世界に影響を与える5つの破壊的テクノロジーとは何でしょう?
1.AIなど機械学習関連技術領域
GoogleはAIファーストを掲げています。
IBMもAIへの信頼性を高める開発を発表しました。
特に人口減少にある日本には避けて通れない問題です。
2.5G
3Gから4Gになった時には、YouTubeで配信が出来、ビデオ会議なども出来るようになりました。
5Gでは映画1本のデータは3秒です。
3.自律走行
海外では現在レベル3の実用化に向けて動いています。日本では見通しが立っていません。
4.量子コンピューティング
従来のノイマン型コンピュータを上回る計算力を発揮するのが量子コンピュータです。
2019年には現在のスーパーコンピュータが1万年の計算時間が掛かる問題を3分20秒で解いたという論文が発表されました。
5.ブロックチェーン
ブロックチェーンの活用と実際の取引に関してはまだ実験段階です。
暗号化アンカーと呼ばれるマイクロチップと組み合わせた商品管理も登場しそうです。
インドもデジタル分野では大躍進しています
2030年にはインドがテクノロジー分野で躍進していると思われます。
今日のインドの隆盛はシリコンバレーの企業が次々とインドに進出したからです。
インドは地理的にも恵まれています。シリコンバレーからちょうど時差が12時間です。
シリコンバレーが夜になるとインドは朝なので、シリコンバレーのエンジニアがしていた作業をそのまま引き継げてリレー形式で開発できるのです。
また、インドはイギリスの支配下にあったので英語が公用語なのも大きいです。
この辺の地政学って面白いので、また別の本で紹介しますね。
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コロナの影響後の世界も落合さんは書きたかったと仰ってました。
世界はどのように変わっていくのか?興味あります。
著書名 2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望
著者 落合陽一
出版社 SBクリエイティブ