GAFA

 

この本を読むと得られるもの

  • GAFAそれぞれの企業の特徴が理解できます。
  • ここから生み出されるテクノロジーが今後の世界をどう変えるかが学べます。
  • 起業家に向いている人間はどんな人か教えてもらえます。

 

どんな会社?世界を変え続ける「GAFA」の凄さ!

もはやそこらの国家以上の力を持つGAFA

 

GAFA(ガーファ)という言葉をご存知でしょうか?

Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字を取ってアメリカIT企業四天王として呼んでいます。

アメリカではNetflixも混ぜて、FAANGと呼ぶらしいです。

Googleを創った天才2人とそれを見守る天才「How Google Works」

 

ちなみに中国の四天王はBATHと呼ばれてます。

Baidu(百度、バイドゥ)、Alibaba(阿里巴巴集団、アリババ)、Tencent(騰訊、テンセント)、Huawei(華為技術、ファーウェイ)を指します。

「ククク…奴は四天王でも最弱…」みたいなのは無いみたいです。

最強の未公開企業「ファーウェイ」を築き上げた類稀なる才能を持った男の物語

 

最初は小売りや製造など別の分野からスタートしたGAFAですが、現在ではAIや音声認識など各分野での直接対決が始まっています。

この本の一番のポイントは「GAFA無しでは現代と未来は語れない」ということです。

 

今後どうなっていくのか?

この本の表題にもある「四騎士」は、ヨハネ黙示録にも登場します地上の4分の1を支配し、剣、飢餓、悪疫、獣によって「地上の人間を殺す権威」を与えられた存在です。

めっちゃ怖いやん。

 

この本ではGAFA4つを様々に比較しながら検討しています。

ここではアマゾンをピックアップしたいと思います。

 

Amazon(アマゾン)=1兆ドルに最も近い巨人

アマゾンは歴史史上で一番でかいお店

スポーツカーを買うのは楽しいですが、トイレットペーパーを買うのはそんなに楽しくありません。

アマゾンの強みは、「生きる為の必需品を手に入れるという退屈な作業のつらさ」を軽減していることにあります。

狩りも採取もしなくていい。1回クリックするだけ。

 

アマゾンの手法は消費者の自宅に商品を届ける、ラストワンマイルのインフラへ巨額の投資をする事でした。

それを可能にするのが、洗脳されてんの?と驚くほど気前の良い個人投資家たちです。

彼らが夢見て憧れるのは、「地球史上最大の店舗」なんです。

その結果、ウォルマート、ティファニー、コーチ、GAPなどなど世界の名だたる企業を合わせた以上の価値を持つ小売り企業が生まれました。

現在、世界の小売業の成長の20%がアマゾンによるものです。

 

消費は本能だ

本能は生き残る為にしなくてはならないことを耳元でささやいてくれます。非常に頼りになります。

でもこの本能は極めて頭が固いです。環境変化に適応するのに何百年とかかります。

 

人間がしょっぱいもの、甘いもの、油っぽい物を好むのも本能です。

昔はこれらが手に入りにくかったからです。でも今ではコンビニで簡単に摂取できます。

しかし本能はそれに適応出来ていないので、みんなデブになるし、コレステロールに悩むのです。

ダイエットも健康も食事で決まる!メンタリストDaiGoさんの「超健康法」

 

より多くのものを欲しがるのも本能です。狭いクローゼットや少ない貯金といった制約を簡単に跳ね除けます。

資本主義社会では、消費が何よりも高貴な行為です。

小売業は消費本能を利用して富を築いた最大の業界です。長者番付で一番多いのも小売業です。

 

2016年の小売業界はアマゾンの独り勝ちで、他の企業にとっては大惨事でした。

なぜこのような状況になったのか?めちゃ簡単に小売業の歴史を見てみましょう。

 

小売業の進化

1.街角の店舗。コミュニティの社交場

店は大体家族経営で、コミュニティの中で社交場としての役割を担い、地域住民との愛があった。

 

2.デパート。消費者の指導者としての小売店

博識な販売員の配置。販売員は販売手数料という新しい形態の報酬を貰うようになった。

 

3.ショッピングモール。車と冷蔵庫の普及。郊外の弱体化による衰退

流通の発達で買い物の回数は減って、食品を長期保存出来るようになり、店は大型化し、価格が下がった。

 

4.大規模小売店。大規模な値引き合戦

出来る限り安い価格でものを買う事が、特定の企業、分野、コミニティの健全さよりも重要になった。

 

5.専門店。消費者は自分は特別を望む

消費者のかなりの割合が、特別になるためなら余分なお金を払うようになった。

その店の紙袋を下げているだけで上品な人と見なされる。

「なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?」は店舗経営の指南書

 

6.eコマース

Amazonの創業者、ジェフ・ベゾスはテクノロジーの変化を察知して、それを活かして小売業全体を根本から作り直した。

ベゾスがいなかったら、eコマースは日の目を見なかったでしょう。

 

アマゾン誕生以降の世の中

しかし、アマゾンが現れて小売業業界は激変しました。

それまでは消費社会の摂理により、小売業は成長するように出来ていました。色々な企業が大きくなり、物質的に豊かな生活する機会を与えました。

今回、何が違うかと言えば、たった1つの企業により、未曾有のスピードでこの価値が築かれたということです。

 

小売業はアメリカ全体では成長していません。アマゾンが成長している分、どこかが衰退しているのです。

敗者がどこかと言えば、アマゾン以外全てです。

 

一般的に同じセクターの企業の株式は、同じ方向へと変化します。同調しているのです。

しかし、今やアマゾンの株が上がると、他の小売業の株は下がってしまうようになったのです。

言わば、アマゾンにとって良い事は小売業にとって悪い事と見なされてると。こんな事は過去に例の無い事なのです。

 

では、アマゾンにとって良い事は、社会にとってはどうなんでしょう?

これがね、非常に悩ましいのです。

 

アマゾンは私達の生活を劇的に便利にしてくれました。

今、アマゾンはレジの無いコンビニ「Amazon Go」を展開しています。

他の小売企業は度肝を抜かれ、大慌てで無人化の追従を行なってます。

これによるリスクを被るのは誰か?

世界中のレジ係として雇われている人達です。うわああ。

 

無人のコンビニだけでなく、品揃えは無限とも思えるような数で、人工知能が注文を聞き、自動的に届けられる。

こうなると、従来のお店はとても太刀打ち出来ません。

ズバリ、農業従事者の割合が100年で50%から4%に低下したのと同じ現象が、これから小売業で起こると言うのです。

もう想像出来ない世界やわ。

 

偉大なリーダーの共通項

聞いて呆れるようなアイデアも、もしかしたら出来るかもと感じさせるパワーをベゾスも持っています。

確かにそうかも、と思わせる大胆な発想を次から次へと出してきます。

今、アマゾンは空飛ぶ倉庫に取り組んでますからね。

 

アマゾンに限らず、GAFAは次々実験をして、上手くいかないとすぐに撤回します。

ベゾスは言います。

「失敗と発明は不可分の双子だ。

新しいものを生み出すには実験が必要だ。

そして最初から上手くいく事がわかっていたら、それは実験ではない」

 

成功者には共通点があります。それは失敗です。

彼らは大抵、大きく明らかな失敗を経験しているのです。

 

小売業の空間の時代は、「マルチチャンネルの時代」です。

ウェブ、人との交流、実店舗の統合が重要になります。

今アマゾンはスーパーや書店を買収しています。

「顧客は商品を見たがっている」

自分たちが潰した業界に参入しようとしているのです。

 

消費者はアマゾンで3つの体験が出来ます。

eコマースでの体験、店内での体験、そしてスマホによって繋がったサイトと店舗での体験です。

予約したものを店舗で受け取る。オンラインで買った物を交換する。列も無くレジも無い。

もう最強やん。

 

アマゾンの倉庫の写真が世間にあまり出回ってないと思いません?

ウワサではそれはあまりに衝撃的で不安を掻き立てるからだそうです。

安全じゃないから?超ブラック?

いえ、不安を掻き立てるのは従業員がボロボロになっているからではなく、従業員がいないからなのです。

ベゾスはベーシックインカムの支持者です。

それは将来の未来の労働事情が見えているからです。

ベーシックインカムがやってくるのか?「AIとBIはいかに人間を変えるのか」

 

少なくとも彼のビジョンには、人間のための仕事はありません。いずれはロボットが担うとしています。

収入が無いとアマゾンで買いも出来ませんよね?だからベーシックインカムなのです。

しかもアマゾンはアメリカに納税していないっていうね。

 

これはアマゾンだけでなくGAFA全体に言えます。

そうなると「私達の子供は、私達より良い暮らしが送れるのだろうか?」と考えてしまいます。

億万長者になるのはかつてない程容易だけど、百万長者になるにはかつてない程厳しい時代がやってきます。

落合陽一とSDGsを考えてみると新しい世界には希望しかなかった!「2030年の世界地図帳」

 

「GAFA」を読んで診断してみた

よくわからないけど起業を目指すようになるらしい

この本は後半にGAFAによって作られるデジタル時代に成功する人はどういう人か?という話に結構なページが裂かれてます。

是非本読んで自己診断してください。

 

でも著者のスコット曰く。

しかし様々な道筋を選ぶにせよ、多くの人がどこかの時点で起業を考えることになるだろう。

ここまで論じてきたように起業家は誰にでも向いているというものではない。

起業家として成功するのに求められる性質の中には、人生の他の面で大きな不利益になるものもある。

 

起業家に向いてるタイプはこれらしいです。

人前で失敗しても平気でいられるか

売り込みは好きか

大企業で働くスキルに欠けているか

 

人前で失敗しても平気でいられるか

自分自身で始めた事業の失敗を隠すことは出来ない。上手くいかなかった時はすごく恥ずかしい。

だって。そうなん?そんな恥ずかしいかなあ?

落ち込むってのと同義なんかな。

 

売り込みができるか

これは絶対必要だと思います。

自分の会社に入るように売り込む、投資家に売り込む、もちろんお客さんにも売り込む。

町の小売店を営んでも、ウェブサイトを運営してても、何かの事業を始めるなら売り込み得意にならないといけません。

結構苦手やわ…。

 

大企業で働くスキルに欠けているか

大企業で成功してるなら、そのまま残っとけと書いてあります。

他人と仲良く出来ず、他人を信頼する能力を持たず、自分のサービスに病的に執着するなら向いてるかもしれないそうです。

うーん、最後くらいしか当てはまらんぞ…。

 

もうすぐこの世の中はGAFAによってもっと変化していくでしょう。

是非この本読んで備えましょう。

 

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著書名 the four GAFA 四騎士が創り変えた世界

著者 スコット・ギャロウェイ

出版社 東洋経済新報社