量子コンピューターの教本

「いちばんやさしい量子コンピューターの教本」で気になる最先端の量子力学を学ぼう

量子力学が全くわからない人へオススメの本

量子コンピューターって知ってますか?

なにやら、現在のコンピューターでは数年かかるような問題も、短時間で解けるコンピューターらしいです。

と言っても単純に計算が早くなったってだけじゃないみたい。

量子自体が一般人が知れば知るほど変なやつなのです。

逆にめちゃめちゃ面白い存在なんで読んでみましょう!

 

この本では「量子コンピューターで変わる世界」「量子とは?」「原子から紐解く量子コンピューター」「量子コンピューターのアルゴリズム」「量子コンピューターに出来る事」「量子回路を作ってみよう」「量子コンピューターをビジネスに導入する」などの項目で書かれています。

ここでは「量子とは?」「量子コンピューターに出来る事」という導入部分を紹介したいと思います。

他の項目については本を読んでくださいね。

量子ってなに?

量子とは、この世界のあらゆる物質を構成しているとても小さい単位のことです。

世の中は全部小さい粒が集まって物質になってます。その小さな粒の正体が原子や電子などといった「量子」なのです。

 

「ナノ」は10億分の1を表す単位なのですが、量子は1ナノメートルです。めちゃめちゃ小さいです。

そこらへんにある量子ニュートリノは小さいので人間の体とかを突き抜けて飛んでます。

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量子はあまりに小さいので、私たちが普段見ている物質とは異なる振る舞いをします。

常識外れな勢いでかなり異なります。

 

粒子と波の両方の性質を持っている

まずはこれ。先程小さい粒と書きました。

じゃあ粒なのね。と言いたい所なんですが、光とかと同じ波でもあるのです。

何のことかわかります?僕はサッパリです。

 

そこで「二重スリット実験」の出番です。

1961年以降、様々な科学者が何度も検証している有名な実験です。

図のように、発射装置とスクリーンの間に、スリットの壁を置きます。発射された電子はそのスリットを通ってスクリーンに到達します。

さあ、発射装置から電子をバキュンバキュンと撃っていきます。すると点々と痕が付いていきます。粒ですもんね。

ちなみに波である光をスリットに当てるとこんな影になります。波はお互いを干渉するので強い弱いの縞模様になります。

電子をそのまま撃ち続けると、スクリーンには2本のスリットの形に痕が付くと想像出来ますよね。粒だから。

ところが実験では、こんな感じで波の模様になるんです。一発ずつ粒を撃っているのに。

なんで??

 

「量子テレポーテーション」はもっと不思議

もう一つめちゃめちゃ不思議なのが「量子テレポーテーション」です。

これを利用すると高速通信が可能になり、盗聴不可能になると言われています。宇宙への送金も量子マネーで出来るかもしれません。

 

ポイントは量子のもつれという現象で、これは他方をどれだけ引き離しても状態が保たれるというものです。

量子を2つに引きちぎって2つのペアの状態にすると、片方に干渉するともう片方も同時に反応します。

 

つまり、宇宙のはるか彼方に片方を置いておいて、手元のもう片方に変化を与えると、その彼方のペアも一瞬で変化するのです。

これまでの物理法則を完全に無視しています。

もうどういう事?って感じですよね。これを調べてるのが量子力学なんです。

 

粒子と波の二重性を計算に使ってみる

量子の粒であり波であるという性質を使って計算も出来るそうです。

従来のコンピューターは0と1を使って計算します。しかし、量子コンピューターは0と1の重ね合わせの計算が出来ます。

 

例えば順番の組み合わせの計算などは何億通りにもなり、これまでのコンピューターは順番に計算していくしかなく、とても時間が掛かります。

しかし量子コンピューターはこの計算を粒と波の重なり合いを利用して、全部同時に計算出来ます

理由がよくわからないし、この説明もどこまで正しいか怪しいですが、そういう事なのです。

長いと効果的だったパスワードもこれだと一瞬で破られちゃいます。

 

しかもよくわからないのが、計算の結果は測定する事で確定させるのですが、どの結果になるかは途中の量子の状態で変わります

ん???

それらは「ある答え」になりやすいという性質を持っていますが、必ずしも毎回同じ答えになるわけではないのです。

そんなん何の役に立つの?って思いますが、これが従来のコンピューターには出来なかった事らしいです。

謎が多い量子については、もっと調べないといけないですね。

 

量子コンピューターは何に使われてるのか?

量子コンピューターは様々な分野に応用されてます

めちゃめちゃ大まかな理屈は分かりました。

で、一体これで何が出来るのでしょうか?

 

大まかに分けて、「量子化学計算」「機械学習、ディープラーニング」「暗号、セキュリティ」「検索の高速化」「組み合わせ最適化」の分野で期待されています。

いずれも大量の計算処理が必要なやつばかりですね。

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画像認識と量子

機械学習による画像認識だと、コンピューターは小さなマス目の集合体として画像を認識しています。

量子コンピューターはこれを組み合わせて使えるので、1量子ビットで2の2乗パターンを表せるのです。

少ない量子で画像を処理出来ると、認識の精度と速度の向上に繋がります。

顔認識や自動運転などの分野で、量子コンピューターにより高速で複雑な解析が出来る様になるのです。

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材料開発と量子

他には新しい材料の開発にも期待されています。

素材を構成する原子や電子の組み合わせを分析するのです。

このような無数にある組み合わせだと従来のコンピューターでは無理なのは明白です。

その課題を量子コンピューターで解決するのです。

 

暗号と量子

量子コンピューターが普及すると、現行の暗号技術が脅かされる時代がやってきます。

暗号技術は、インターネットの暗号とかだけでなく、仮想通貨やブロックチェーンも暗号化の分野です。現在のインターネット社会をボッコボコにしかねません。

 

その対策として量子コンピューターでも解きにくい新しい暗号「耐量子コンピューター暗号」の開発も進んでいます。

現時点では「格子暗号」というのが最有力候補です。

 

「量子コンピューターの教本」を読んでやってみた

テクノロジーは常に勉強しないといけないなと思った

これを読んで「よし、俺も量子コンピューターのマスターに!」とはいきません。

本を読んでてもわからない事だらけでした。

 

しかし、テクノロジーは常に勉強しとかないとなあと思いました。

やっぱりこれからの時代を予測するにはテクノロジーは外せません。

それにより未来が想像でき、どんな事に利用するか考えて先手を打つ事が出来ます。

流行ってから乗っかってては遅いのです。

 

それはこれまで仮想通貨や動画やブログでも痛感しました。

やっと覚えたとも言えます。

皆さんも気になる分野は常時チェックしていきましょう!

 

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著書名 いちばんやさしい量子コンピューターの教本 人気講師が教える世界が注目する最新テクノロジー 「いちばんやさしい教本」シリーズ

著者 湊雄一郎

出版社 インプレス