世界一の東大卒プロゲーマー「ときど」がやってる「努力2.0」でスランプからの脱出
ときどさんはホントにストイックです。尊敬します
この本を読むと得られるもの
人生に行き詰まった時の努力の変え方を学べます。
情熱こそが最強の武器であるとわかります。
根性論ではなく合理的な努力の方法が学べます。
今はゲーム機が無いので出来ませんが、僕は元々格闘ゲームは大好きでした。
もちろん著者のときどさんはプロデビューされる前から知ってました。
今や世界一を決める大会でも優勝され、常にプロゲーマーの先頭を走る押しも押されぬ存在です。
ただ、一個人の人としては好きだったんですが、以前はプロ選手としては好きではありませんでした。
なぜか。
試合がすっげーつまらなかったんですよね…。特にスト4の頃。
どうつまらないかと言えば、相手が対応しにくい行動をひらすら繰り返す感じです。
斬空連打とか正直寒かったです。
ときどさん自身もその時は「勝てるならよし」だったそうです。
しかし、情報格差であった強さの源も、動画の発達で全員が同じ情報を持つようになりました。
また格闘ゲームの寿命がアップデートにより伸び、稼働初期に生じる情報格差も無くなりました。
そうなると、ときど選手はプロの中でも弱い方に入るようになりました。
しかし、ときどさんは「ゲームが好き!」という情熱はハンパない人です。
ときどさんは東大出身ですが、それもゲームをやる為、文句を言われないようにって動機やから、ほんとハンパないです。
再び勝利を手にする為、ときどさんは努力の方法を変えられました。
まさに努力2.0です。
努力2.0ってどう変化したの?
努力2.0とはどう変化したのか。左が以前の考え方で、右が変化後です。
1.勝ちにこだわる→負けの中に答えがある
2.一人でやる→ライバルは敵ではない
3.情熱で乗り切る→心に負荷をかけない
4.己に打ち勝って続ける→頑張りはいらない
5.レールに沿って生きる→嫌な事はやらない
6.人と比較する→自分史上最強になる
なんかもう別人レベルやん。
これまで「合理的じゃない」と切り捨てていた行動を見直すと、自分のプレイの幅を狭めていた事がわかってきました。
これまでのやり方を捨て、ゼロから「ときどらしいプレイ」を目指して努力されました。
その頃から勝率も持ち直してきました。
そして、観ててめちゃめちゃ面白い試合も増えました!ときんす大好き!
この本は「勝利」「正解」「合理性」にこだわりすぎて、行き詰まっている人、環境の変化についていけなくなった人に向けて書かれています。
このブログでは上記の「1.負けの中に答えがある」と「3.心に負荷をかけない」の項目をピックアップしたいと思います。
めちゃめちゃアツいときどさんの改革を是非本でも体験して下さい!
負けの中に答えがある
試行回数が大切な時代
何かを成し遂げるには反復が重要。
これは全ての分野に当てはまる真理です。
これまでは計画通りにコツコツ同じ事を繰り返すのが定石でした。
しかし、変化の激しい時代になり、きちんと計画を立てても対応しきれなくなりました。
今一番の方法は「とりあえずやってみる」
もうこのフレーズは現代の真理やわ。
「学びのサイクル」はインプット→アウトプット→フィードバックのサイクルです。
この試行回数をとにかく多くして結果を得る。常に「仮説」と「検証」を繰り返します。
重要なのは失敗しても気にせず、むしろ喜ぶ事。
失敗は自分がやっている事が正しいのか、どちらの方向に進むべきか教えてくれるからです。
2つ目の理由は、試行回数を増やしてなるべく失敗する為です。
これは実際、勝ち筋より負け筋の方が分析、検証しやすいからです。
失敗に慣れると、本番での行動に失敗しても「当然」と受け入れ、即次の手を放っていけます。
負け試合には全てが詰まっている
ときど選手は2013年の大事な試合で、ももち選手に大逆転負けを喰らいました。
同年代の実力も近かったももち選手に、完全に実力で負けた試合。
この試合は凄かったなあ。
それまで努力「しているつもり」だったけど、現実を見つめ直すきっかけになったそうです。
まずはYouTubeで自分の負け試合を全て見直しました。
数百試合観たところで、勝敗の数だけでは分からない、ライバル達との実力差があらわになって来ました。
攻防がワンパターン、状況判断が甘いなどなど。
昔は対戦を記録する環境が限られていました。プレイの中で経験して覚えていくしかなかった。
現在は環境が変わり、オンライン上の試合は全て記録されています。
情報での勝ち負けがほとんど無くなったのです。
負け試合は情報の宝庫だそうです。「負けに不思議の負けなし」の言葉通り、負けには原因が可視化されます。
分析で大切なのは最初は質より量。
数をこなす事で、着眼点が変わったりと質も向上します。
他人のプレイも「自分ごと」として見ていきます。
そうすると、他愛の無いちょっとした気付きも発生します。
他の人には無価値でも、自分にとっては感じるものがある場面に注目出来るか。
その1%の違いにいかに気付くかの感度が高ければ高い程、刻一刻と変わる現実の変化に適応することが出来るのです。
9割の人が陥る「もったいない」の罠
現代は状況が常に動き続けています。
「今日の正解は今日だけのもの」なのです。
こうした状況で重要になるのは「こだわりを捨てる事」「常にゼロベースで考える事」です。
「強力な攻め技が追加された」という風に状況が変化した場合、多くの人が
「それまで積み上げて来た守備の戦法+新しい攻め技を組み込む」
というやり方をしてしまいがちです。
それまでコストをかけて作り上げた守備戦法を捨てるのはもったいないから、プラスアルファで対応しようと考えてしまう。
このやり方はレベルが上がれば上がるほど、通用しなくなるそうです。
もしも最初からその状況なら、自然とゼロベースで考えたはず。
自分が築き上げた財産に縛られて、つい勿体無いと考えてしまう。
多くの人が陥る罠なのです。
これほんまわかります…。
心に負荷をかけない
心のエネルギーは有限です
ときどさんの「ゲームが好き!」という情熱は凄まじいです。
でも、気持ちだけで何かを成し遂げるのは難しい。その事をスランプによって気付かれました。
強いメンタル。それは心に大きな負荷は掛けず、無理をしない事で生み出されます。
なぜなら心のエネルギーは無限でないからです。
時間や労力と同じで、「有限のリソース」なのです。
無理をすれば決して続きません。
精神的に健康なまま、充実した競技人生を長く続ける秘訣であると、ときどさんは考えます。
燃える情熱を持ちつつ、冷静に心をメンテナンスする。
この両輪で努力は実を結ぶのです。
自分が無理していないか、常にモニターする
メンタルに負荷をかけない。
その為に、常に自分の状態を知っておくことが必要です。
僕たちは自分でも気付かないうちに、無理をしてしまう事がよくあるからです。
ときどさんはジム・レーヤー「メンタル・タフネス」を参考に、自分の事をノートに記録されてます。
睡眠時間、食事、脈拍、ストレス量、感動の回数、幸せ度、タフな行動、摂ったカフェインの量
など、25項目を記録されています。
すごい!
ノートを書いてみると、昨日の良かったところ、良くなかったところがわかります。
つまり、頭の中が整理できるので、気持ちを振り向けるべき点が明確になり、自動的にそれを意識するのです。
この「自動的」のところが、意志の力を使わないので継続して記録を残せます。
ノートは机に準備しておき、「起きたら書く」も自動化しているんだって。いいね!
記録は「アウトプット」。それにより、もう一人の自分=コーチが常に見ている感覚が生まれて来ます。
この心の中のコーチは試合中もいるそうです。
第三者の目で冷静的に、「もう一人の自分」がチャンスを教えてくれます。
「画面の外の要素」の中でも、ときどさんは特に「体力」を重視されてます。
シーズン中は世界中を飛び回り、なかなかスケジュールも過酷です。
大会は長丁場で2日間で構成されているのがほとんどです。
ときどさんは移動だけで疲れない様に、ジムでトレーニングを続けています。
空手も練習し、心身ともに鍛えてます。
「努力2.0」を読んでやって見た
自分はこうありたいというこだわり
プロの世界には「これをやったら勝てる」という正解はありません。
それはゲーマーの世界だけの話ではありません。
レールが途切れた時、そこから先は自分で道を切り拓く必要があります。
正解がない世界での強さは「こうありたいという理想」
一流プレイヤーほど「自分」があります。自分とは「ポリシー」です。
ポリシーが定まると行動にも変化が起きます。
ただしポリシーをそのまま目標にしても何も実現出来ません。
思いを背景に、段階を経て数字で表現出来る具体的な目標に落とし込むことが必要です。
目標が具体的だと自動的にやる事が決まるのです。
僕もこの教えを受けて、行動目標の立て方を変えてみました。
バレットジャーナルを使って目標を立てていたのですが、具体性に欠けていました。
「Tシャツの新作を作る」だとイマイチな目標の立て方です。
どんどん細かく分解して、今日やるべきことを明確にするのです。
ポリシー「奈良の魅力を伝えたい」←目標「奈良土産を売りたい」←行動「Tシャツを作りたい」←
(具体的)印刷に出す←イラレで修正←プロクリエイトで描く←デザインのネタをPinterestで探す
この分解したのをカレンダーに振り分けていきます。各作業を何日の何時にするか決めるのです。
その時間は不可侵です。
ときどさんは「何よりも自分が楽しむ」大切さを教えてくれました。
自分の好きなことをやっているんだから、楽しむ心が強さの秘密なんでしょうね。
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合わせて読むと何倍にも楽しめます。
著者 ときど
出版社 ダイヤモンド社