脳内物質をコントロールすると能力もコントロール!「脳を最適化すれば能力は2倍になる」
脳内物質があなたを動かしている!
著者の樺沢 紫苑さんは精神学者です。
「脳内物質の知識を、もっとすぐに役立てる方法はないかな?」と思いこの本を執筆されました。
例えばよく聞く「気力で乗り切れ!」「最後まで頑張れ!」のようなものは脳の仕組みにかなっていません。
実際には不快感を覚えながら仕事をすると、「ノルアドレナリン」が分泌されます。そうなると脳は不快を無意識に避けるので、効率は全く上がりません。
それどころか、大きなストレスとなり、心と体をむしばむのです。
逆に脳が自然に「ドーパミン」を出すように促せば、モチベーションが上がります。作業効率や学習効率、さらには記憶力までアップします。
つまり、生活習慣や働き方を変えるだけで、自分の能力は大幅にアップし、仕事の効率も質も大きく改善されるのです。
これは是非脳内物質をコントロールする技を身に付けないと!
脳内物質の基礎知識
人間の感情は脳内物質で作られています。科学的な説明は本内で確認してくださいな。
ここでは、どの脳内物質を、どのように分泌させるかについて考えていこうかなと思います。
脳内物質の知識を高めそれぞれの役割を理解すると、自分の感情やモチベーションも変わってくるわけです。
脳内物質は非常に多く、50種類以上あります。その中でも特に重要なのは7つです。
ドーパミン…モチベーションの源。幸福物質
ノルアドレナリン…闘争と逃走のホルモン。ストレス反応。交感神経。ワーキングメモリ
アドレナリン…勇しく生き生き。興奮物質。交感神経
セロトニン…冷静と落ち着き。心の安定
メラトニン…睡眠物質。眠気。アンチエイジング
アセチルコリン…発想力と集中力。副交感神経の伝達物質
エンドルフィン…悟りの境地。脳内麻薬。アルファ波
「幸せになりたいからどんどんドーパミンを放出するぜー」
ダメです。脳内物質は「バランス」が大切です。
セロトニンはドーパミンが出過ぎた時に抑制的に働きます。バランスが崩れたら脳はうまく機能しません。
このブログではドーパミン、ノルアドレナリン、エンドルフィンについて掘り下げます。
それ以外の脳内物質は本で確認してくださいね。
ノルアドレナリン仕事術
ノルアドレナリンは、脳幹にある「青斑核」から、視床下部、大脳辺縁系などに投射して、注意・集中力、覚醒、判断、ワーキングメモリ、鎮痛などの脳の働きに関連します。
ノルアドレナリンは、「闘争」と「逃走」についての反応を生じさせます。
原始時代の人間の目の前に虎が現れた時。「扁桃体」が外部からの刺激を「不快」かどうか判断します。
虎は危険ですから「不快」です。その瞬間に扁桃体はノルアドレナリンを分泌します。
全身に血が廻り、心拍数が高まり、闘うか逃げるかどちらにしても瞬発的な行動が取れるように臨戦態勢に入ります。
また、ノルアドレナリンは痛みも感じにくくします。多少の怪我で戦えなくならないようにするのです。
ノルアドレナリンは「ストレス」に直面すると分泌されるホルモンです。
「恐怖」を感じた時にもっとも分泌されます。
例えば淡々と話す中で、大きな声で強調することは、聴衆をハッとさせて意識を向けることが出来ます。
ノルアドレナリンの使い方は「短期集中」と「一発逆転」です。
「窮鼠猫を噛む」や「背水の陣」はまさにノルアドレナリンが為せる荒技です。
仕事でも自分で締め切りを設定してプレッシャーをかければ、注意力や集中力アップの効果が得られます。
ただし、ノルアドレナリンは「短期集中」です。
一年間死ぬ気で頑張る事は出来ません。ノルアドレナリンは慣れに弱いのです。
叱咤激励もたまにするから効果があるのです。
理想はドーパミンとノルアドレナリンを使い分ける方法です。「アメと鞭」作戦。
快感と不快、長期と短期。まさに表裏一体です。
「叱る」型の指導は、長期では絶対に上手くいきません。逆に無気力を生みます。
ノルアドレナリンは「記憶力」にも影響
ノルアドレナリンのもう一つの重要な役割は「ワーキングメモリ」です。
ワーキングメモリは脳のメモ帳で、短時間の記憶をする「情報の場所」です。
ワーキングメモリは脳の前頭前野と呼ばれる部位です。人間の脳で一番発達している場所なんです。
適度なノルアドレナリンは、ワーキングメモリの働きを助けます。
反面、過度なノルアドレナリンはワーキングメモリの働きを妨げます。めっちゃデリケートやん。
ノルアドレナリンは生成速度に限界があります。消費が生産を上回ると枯渇します。これのひどいのが「うつ病」です。
この速度には個人差があります。気力とか頑張りでなんとかなるものではありません。
解消するには、「快」を見つける・ご褒美で「快」仕事に変える・仕事しない、の3つがあります。
重要なのはストレスから解放される時間がどれだけあるかです。
好きな仕事はいつまでも頑張れそうですが、緊張感から必ずストレスは貯まります。
しっかりしたリフレッシュが必要なんです。
ノルアドレナリンを作ろう
ノルアドレナリンの生成には、必須アミノ酸の「フェニルアラニン」が不可欠です。
他のアミノ酸からは生成出来ないので、食事でしか摂取出来ません。
また材料としてビタミンCも不可欠です。
フェニルアラニンは、肉類、魚類、大豆製品、卵、ナッツ類などに含まれています。
ビタミンCはパセリ、ピーマン、ブロッコリー、柑橘類などです。
ビタミンCは一気に摂っても排出されるので、毎回の食事から少しずつ摂取しましょう。
エンドルフィン仕事術
上記の7つの中で、ひとつ異質なものを感じません?
エンドルフィン…悟りの境地。脳内麻薬。アルファ波
悟りの境地ってなんや?
エンドルフィンは、強力な鎮痛作用を持つ脳内物質です。モルヒネの6.5倍の効果があるそうです。
モルヒネなんて末期癌患者に使うような鎮痛剤ですよ。
エンドルフィンは大きなストレスがかかった時に分泌されます。ボクサーが殴られ続けても戦えるのはまさにエンドルフィン。
エンドルフィンの分泌でも「多幸感」や「恍惚感」が現れるので、「脳内麻薬」とも呼ばれてます。
ランナーズハイもこれで、マラソンで恍惚感に包まれるというのもわかります。
ただ、エンドルフィンは主に「精神的ストレスの解消」を担っています。
エンドルフィンは脳を休め、集中力、記憶力、創造性などの脳機能を高めます。
瞑想や座禅では、綺麗なアルファ波が出ています。
瞑想とは心は静まり返りながらも、集中力や意識は高まり、素晴らしいアイデアが出てきたりします。
これぞまさにエンドルフィンによる効果です。
エンドルフィンはメラトニンと並び、究極の癒し物質なのです。
休憩時間にゲームをするのは、興奮で交感神経を優位にするので不適切です。寝る前もダメですね。
ゆったりとした音楽を聴きたり、川のせせらぎや風を感じたり、綺麗な景色をみたりするとエンドルフィンは分泌されます。
エンドルフィンは運動や性行為、激辛料理やチョコレートを食べた時、熱いお風呂、マッサージとかでも分泌されるので、利用していきましょう。
但し、これも過剰にやりすぎると良くないです。
「脳を最適化すれば能力は2倍になる」を読んでやってみた
アセチルコリンを取り入れてみた
僕は間違いなく「やる気なし勢」です。
どうしたらやる気が出るのか…。
脳の「側坐核」の神経細胞が活動すると「やる気」が出るんです。
ただし、側坐核はある程度の刺激が来た時だけ活動を始めます。つまり、何もしないとずっとやる気は出ないのです。
やる気が出るまでゴロゴロしても絶対何もやらないです!
ちょっとでも作業を始めると側坐核が刺激を受けて、「アセチルコリン」を分泌します。
「アセチルコリン」は運動神経の伝達物質で、認知機能、覚醒、ひらめきなどに関わる脳内物質です。
つまり、やる気を出すには「ちょっとだけでも、とりあえず動く」が正しいのです。
もう無理矢理動いてます。
筋トレが面倒に感じたら、とりあえずバーベルを持つ。皿洗いがめんどくさかったら、とりあえず蛇口をひねる。
ちょっとの昼寝も効果的です。30分以内です。
それ以上は逆効果です。夜の睡眠の質も落ちて最悪です。
昼休みに5分ほど寝たりします。これが効果的で、すっきり後半の仕事を始める事が出来ますよ!
残りの脳内物質についても気になりますよね。
是非本で確認してくださいね。
著書名 脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法
著者 樺沢 紫苑
出版社 文響社