eコマースでの戦いは日々厳しくなっています。
中小企業や店舗の皆さん、戦いをやめましょう。
この本ではそんなネットショップの作り方を教えてくれます。
自分の好きなものをこだわり持って発信し、多くのファンと楽しく活動できるお店を作りましょう!
eコマースだからこそ究極の対面販売を目指す!「あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか」
一発屋より老舗がいい
Amazonに楽天、Yahooショッピング。
価格ドットコムも放っておけないネットショップの価格競争の消耗戦。
買って欲しさでメルマガ送りまくりで読者も離れて、「ネットはロングテールだ!」と商品を揃えまくる。
「もう嫌だ!わし疲れた!」
そんなお店も多いと思います。頑張れば頑張るほど上のステージでは強敵が待ってます。
でも世の中には価格競争とは無縁の、長続きしているネットショップの老舗もあるんです。
eコマースのスタイルは大きく2つに分かれました。
1つは「究極の自動販売機」もう1つは「究極の対面販売」です。
究極の自動販売機型のお店は、低価格、送料無料、スピード発送、品揃え、高性能なリコメンドなどをウリにするスタイル。
究極の対面販売型は、接客コミュニケーション、専門性、店長の愛、楽しさの追求などをウリにするスタイル。
中小企業が自動販売機を目指すと地獄です。究極の対面販売を目指すべきなのは明白やんね。
もちろんリアル店舗でも同じです。リアルとネットの連動も当たり前になってきました。
eコマースは以下のように分類出来ます。
ジャイアント
連発屋 一発屋 |
老舗 |
ありふれたお店 | 変人 |
上下は売上軸、左右は自動販売機と対面販売軸です。上に行くほど売上が上がり、右に行くほど対面販売型になります。
左下は、自動販売機型であまり売れていないお店です。
リアルだと商圏があるのでその商圏内での強みがあれば、お客さんもお店に来てくれます。
しかし、世界を相手にするネットだと、全国に通用する強みがないと相手にされる事も無いのです。
左上には一発屋がいます。ブームになったり、メディアに取り上げられたりで短期的に売上が上がったお店です。
それ以降は上の連発屋になるか、ありふれたお店ゾーンに落ちていきます。
連発屋はブランド店です。何度もヒットを当て続けているお店です。
連発屋の経営者は商売センスが優れています。憧れの対象になるお店です。
ジャイアントは業界1位のお店です。
究極の自動販売機で、便利さの価値を最大限に提供しています。
右下は変人です。
変人は他のお店がやっていない変わった事をやっています。結果も出ていなくて、「何やってるお店?」と思われています。
手間ばかりかかってます。
まさに僕もここだと思います。…書いてると画面がにじんで見えません。
老舗はブランド人です。
老舗とは、食べていくのに困らなくなった変人です。
変人のやっている事を「面白いね」と言ってくれる人がだんだん増えていきファンが出来た時に、変人は老舗にジョブチェンジ出来ます。
ネットだと10年続いているお店は老舗と言えると思います。
老舗はブランド「人」です。左が「店」だったのに対し、右側はブランド「人」です。
これは究極の対面販売では、規模の大きさに関わらず「人」の顔が見えるという意味合いです。
いいよなー。まさに理想やん。
左側は非常に大変です。華やかだけど、やり方を真似するお店も多いです。
この本では、右の対面販売型になる事を勧めてらっしゃいます。
老舗になる為に「やってはいけない事」
売れるものを売ってはいけない
いきなり商売のセオリーから外れてるのでびっくりやんね。
一発屋は「人気のある商品」を売ります。つまり「世の中にそれを欲しい人が多いモノ」を売ります。
老舗は「他所では買えない価値」を売ります。逆に言うと「欲しがっている人があまりいないモノ」を売ります。
お客さんからすると、「興味がなかったけど、話を聞いてるうちになんか欲しくなってきた!」という物語が起きるのが老舗の世界です。
モノを買うには2つの壁があります。欲求の壁と比較の壁です。
欲求の壁の手前の人は「欲しくない」人です。それを超えると比較の壁が始まります。
様々な比較の結果、アリだと壁を超えて購入してくれます。
安売りしても売れないのは比較で選ばれていないか、欲しいゾーンに人がいないということです。
人気店はその欲しいゾーンに人がいるモノを狙って売っていくのです。
タピオカとかもまさにこれでした。タピオカが好きだから売るのではなく、売れるから売る。
老舗はその「欲求の壁」の前にいる人の奪い合いには参加しません。
そんなことよりも「この商売の楽しさを知らない人を、こちらの世界に連れてこよう」というミッションで商売をしており、その商品のある生活のベネフィットを伝道する所からスタートします。
そうして、「面白そうな世界を教えてくれた人」という関係性でファンを増やしていくのです。
めっちゃ面白い。こんな商売絶対売る方も買う方も楽しいな。
老舗はお客さんにコストをかけさせて、それ以上のエンターテイメントや世界観を提供しています。
自動販売機は楽(らく)を売る。対面販売は楽(たのしい)を売ります。
安く買えるはエンターテイメントではありません。
ターゲット客を攻略してはいけない
一発屋のお客さんは「ターゲット」です。カテゴリーで考えられた塊です。
老舗のお客さんは「価値観を共有した仲間」です。
新商品が「らしく」ない場合、「これはあなたのお店っぽくないよ?ブレてるで?」というありがたいメッセージを送ってくれる存在です。
いいなー理想やなー。そればっかり言ってんなー。
一発屋はSEO対策は検索エンジンとのいたちごっこです。
老舗のSEOはコンテンツの充実です。楽しいコンテンツのアップを日々忙しくやってます。
そうすると、自然に検索キーワードも多く含まれ、魅力的なサイトになり自然と検索上位に入っていきます。
コンテンツとは、楽しさを伝えて、先程の壁を超えてもらう為のものです。
一発屋はSNSはフォロワーを増やす作業です。そして広告を流します。
老舗のSNSは「お客さんがしゃべりたくなるネタ作り」です。
自分でSNSを盛り上げるのではなく、面白いことをして広めてもらうような感じです。
一発屋は〇〇はオワコンに敏感です。ブログはオワコンと聞くと、即辞めてしまいます。
老舗はほくそ笑みます。空席が出来たからです。より届けやすくなるのを知っています。
一発屋はお試し品を安くします。セールハンターに狙い撃ちされて終わりです。
老舗はお試し商品だからと安くしません。お客さんに後悔させない為に、割高だけど後悔が少なくなるように設定します。
その後の付き合いを考えるのです。
競合対策をしてはいけない
一発屋は競合店と「対戦」します。格闘技やサッカーのように相手と対戦していきます。
負けないように戦うと「つまらない試合」と言われたりします。
老舗は「演技型」です。体操やシンクロみたいなイメージです。
基本的に自分で魅力を追求していきます。
競合は昨日の自分です。
スケールメリットを強みにしてはいけない
一発屋はコスト削減を頑張ります。
しかし、コスト削減を頑張っても圧倒的な相手に比べるとありふれたお店になってしまいます。
老舗は「手間のかかること」をやります。
大企業には出来ないこと=手間がかかることで勝負するのです。
大企業は3ヶ月以内に結果が出ないものには来ません。大企業は一発タイプで参入するのです。
「変人」は自分がやりたいことをやり、それを「いいね!」と言ってくるれる人が増えるのを利他と考えています。
ただし、「やりたいこと」というのは「目の前の人に喜んでもらうこと」です。こうして好きなことをやっていると、老舗に上がっていきます。
勝つ為のスキルを磨いてはいけない
一発屋は戦う気マンマンです。
老舗は戦わなくていいように工夫します。
戦わないビジネスとは、競合がいないポジションで共感してもらえる人に囲んでもらうビジネスです。
そこには長期的効率が優先されます。
老舗は、50%未満の力で今月の売り上げ、残り半分以上で長期的な活動に取り組みます。
失敗しないと成功しない。
キャッシュフローを把握して何日間なら耐えられるか計算して挑戦してるのです。
どんな商品や企業でも成長期から成熟期を越えると衰退期に入ります。
成長カーブを乗り換え続けるのが大切なのです。
「あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか」を読んでやってみた
変人ぷりが足りなかった
自分は奈良をモチーフにしたお土産Tシャツを作って販売してます。
この本読むと反省しきりでした。
めっちゃ一発屋の行動ばかり取ってました。そらあかんわ。
もっとこだわって、もっとディープに。
もっと面白いものを作りたいです。
新しいアイデアとは既存の要素の組み合わせです。既存の成功事例と既存の要素の組み合わせで考えます。
その為には自分の強みをガンガン増やしていかないといけません。
シェア=期待値超え×共感×話の合う聞き手
と、書かれています。
共感だけではいいね止まり。期待値超えは感動を生むんですね。
期待値を超えるものを作りたい!
ソーシャル時代は「好き」のこもった濃いコンテンツや、丁寧に作り込まれた商品を接客することで伝達していくスタイルが一番強いです。
そしてアイデアは「実際やってみてなんぼ」ともありました。
お客さんとミッションを共有すると仲間になります。
一緒に仲間に加わりたくなるような魅力的なミッションが必要不可欠です。
この本には12を越える老舗を紹介されています。
どれも狂気に満ち溢れた魅力的なお店ばかりです。
参考にしてやっていきましょう!
著書名 あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」
著者 仲山進也
出版社 宣伝会議