この本を読むと得られるもの

  • マーケティング戦略に必要なものが一通りわかります
  • 「市場志向」について学べます
  • 新しい価値を創り出し提案するマーケティング手法が学べます

 

「100円のコーラを1000円で売る方法」市場志向で考えよう!コトラーにブルーオーシャン、キャズム理論まで網羅!

言われた事をやってるとイノベーションに負けてしまう

 

以前に単行本版の「100円のコーラを1000円で売る方法」は読んだのですが、コミック版も出てたので読んでみました。

Kindle Unlimited 最高!

 

会計ソフト会社である駒沢商会で働く宮前久美が、「お客さんが喜ぶ商品を生み出したい」という想いを胸に商品企画部に異動するところから話は始まります。

そこで与田誠と出会い、バチバチしながらも「価値を売る」マーケティングを学んで成長していくストーリーです。

 

久美は日本企業を擬人化したようなキャラです。

日本製品は品質では世界一です。

しかし多機能なのに低収益という状況に陥っています。

 

古くより日本では「顧客主義」が商習慣に深く根づいていました。

だからこそ「顧客の要望はなんでも引き受ける」という日本人の勤勉さにつながり、高度成長期を通じて製造業を中心に世界最高の品質でもって、無類の強さを発揮したのです。

 

しかしそれは国内の過当競争も加速させました。

顧客に言われたことを全て引き受け続けた結果、逆にライバルとの差別化ポイントを失い、「高品質なのに低収益」という体質になってしまったのです。

 

そこを抜け出すカギは、顧客の課題に対する自社ならではの価値を徹底的に考えることです。

この本では、

  1. アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか?
  2. 「お客さんの言いなりの商品」は売れない?
  3. 顧客の要望に100%応えても0点
  4. 値引きの作法
  5. キシリトールガムがヒットした理由
  6. スキンケア商品を売り込まないエステサロン
  7. 商品を自社で売る必要はない
  8. 100円のコーラを1000円で売る方法
  9. なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか
  10. 新商品は必ず売れない?

の項目で、「真の顧客中心主義」について解説されています。

 

「マーケティングって難しいな」って思っている人にこそオススメの一冊です。

この本を読むことでマーケティングの楽しさも理解してもらえると思います。

自社の事業って何か言える?

 

駒沢商会の商品企画部では与田による勉強会が定期的に開催されています。

今日のテーマは「事業とは何か?

うん、戦略の土台となる重要な項目ですね。

 

「何よりも大切なのは顧客視点です。では質問です。当社の事業って何だと思いますか?」

それに対し久美はそんなの決まってるとアホらしく答えます。

「お客様のお役に立てる会計ソフトを開発して提供することです」

時間の無駄だと立ち上がる久美に与田は「0点の答えです。そんなことを言ってる会社は確実に潰れます」

 

アメリカでは昔は鉄道が主な輸送手段でした。でも今は衰退しています。

車や飛行機に輸送手段を奪われたからなのですが、問題は鉄道会社の人たちの意識です。

 

最大の原因は、鉄道会社が利用者が他の交通手段を使っても気にしなかったからです。

彼らは自分たちの事業を「輸送事業」ではなく「鉄道事業」と考えていたのです。

久美の言うように鉄道会社も「うちの事業はお客さんの役に立つ鉄道サービスを提供すること」だと考えていたのです。

 

「そんな難しいこと言わなくても、お客さんが望んでいる会計ソフトを作れば買ってくれるに決まってます」

そう言う久美に対して与田は

「あなたはなぜお客さんが会計ソフトを使うのか考えたことはありますか?

決算がなくなれば会計業務は不要になりませんか?

会計業務って会計ソフトじゃないと解決できないんですか?」

 

A社とB社という化粧品会社があるとします。

A社は自社事業を「化粧品の製造販売」と定義しました。

B社は「ライフスタイルと自己表現、そして夢を売ること」と定義しました。

 

技術革新で化粧品よりももっと効果的な美容方法が生まれたとします。

当然その新技術を柔軟に取り入れる事ができるのは B社です。

化粧品製造にこだわるA社は対応できずに事業が衰退するかもしれません。

あなたの知力も活性化される!「知力をつくる技術」で感性も理性も想像力も推論も鍛えれます

 

A社は「製品志向」、B社は「市場志向」と言えます。

セールス目線だけでなく、全社的で長期的な視点で商品企画は行っていかないといけないのです。

 

テレビを作っていた日本の家電会社は中国などの家電メーカーよりも優れた商品を作るべく努力していました。

しかし今や視聴者はテレビではなくスマホを見ています。

考えるべきは「ネットやスマホよりも魅了的なテレビとは?」かもしれません。

 

逆にグーグルは自社を「インターネット検索事業」だとは思っていません。

「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする事」を定義しています。

それゆえ様々なサービスが展開されているわけです。

「How Google Works」Googleを創った天才2人とそれを見守る天才!

 

企業は顧客に価値を提供することで存在できます。

顧客を中心に考えることは企業の出発点です。

だからこそ事業の定義を「市場志向」で考え、顧客中心主義を実現していく事が必要なのです。

 

製品志向と市場志向の違いとは?

「会計ソフトの本来のターゲットって誰なんだろう?

今までは経理部長や会計部長だと思ってたけど…」

悩む久美は気分転換にエステに行きました。

 

取引先の社長に「本当は会計で会社の経営状況がわかるといいんだけどね」と言われた事を思い出します。

経営状況の「見える化」?

これが会計業務の価値かも?

 

今まで細かく対応してきた使い勝手は実はどうでもよくて…。

欲しいと思った経営情報が、その場で確認できる方がずっと重要なのかもしれない。

だとしたら、会計ソフトは本当はいらないんじゃ?

 

エステでスキンケアカウンセリングも受けました。

スキンケア商品を売りつけられるのかな?

 

しかし、逆に店員さんはスキンケア商品を使わない方が良いとアドバイスしてくれました。

これって、お客さんに本当の価値を提供するにはどうすればいいのかを考えてくれたってことか…。

スキンケア商品を売りつける「製品志向

肌を美しくする事を自社の考えとする「市場志向

久美は大きなヒントを得たのです。

 

新商品のプレゼンの日が来ました。

「お客様は本当は会計ソフトを使いたくない。そう考えたことはありませんか?」

久美の言葉に会議室がざわつきます。

 

経営者の立場から見ると、会計システムに集まったお金の情報を活用して、会社の財務状況を改善して経営変革をしたいのです。

一方、現場の会計担当者からはいつもシステム管理の大変さを指摘されていました。

会計さえできれば、ソフト管理などしたくないのです。

 

そこでクラウドでのサービスを提案した久美。

これにより経営者と会計担当双方に新しい価値を提供できるのです。

 

「悪くない」

与田はニヤリとしながら久美に言います。

商品企画の立ち上げを決定したのです。

 

このレベルはあくまでコンセプトです。

実際のマーケティング戦略では、このコンセプトに則って、製品戦略、プロモーション戦略、チャネル戦略、価格戦略を練り込みます。

 

しかし、世の中にはターゲットやその課題を定義せずに実行している戦略も多いのです。

その多くは失敗します。

このコンセプトをしっかりと作り込む事が、成功するマーケティング戦略の必須条件です。

「100円のコーラを1000円で売る方法」を読んでやってみた

価格競争だけはやるまいて

実践してみたこと

  • こだわりをとことん磨き上げていこう!

 

値段だけを頼って勝負するのは間違いです。

タイトルの100円のコーラを1000円で売る方法。

パッと思い付くのは砂漠とかで売るですよね。

 

本では、リッツカールトンを例にしています。

リッツカールトンでルームサービスを頼むと適温に冷やされたコーラが運ばれてきます。

ライムと氷も添えられています。

最高に美味しいコーラです。

 

スーパーで売っているのはコーラそのものです。

どこでも売っているので安さが命です。

これは「プロダクトセリング」と言います。

 

一方のリッツがやっているのは「バリューセリング」です。

売っているのは心地良い環境で最高に美味しいコーラが飲めるという「体験」です。

お客様の満足の為、とことんサービス向上を図ります。

 

なるほど、僕が商売をするにしても、プロダクトセリングはやってはいけないことですね。

これが出来るのは大量仕入ができるだけです。

 

いかに素敵な体験をしてもらうか。

お店だとドアを開けて入った瞬間に驚かせたいですよね。

大きくて綺麗な花が飾ってあるとか、別世界のような不思議な空間にするとか。

 

アーティズムマーケットというのがあって、こういう世界観とか大好きなんですけど、みんな凄いこだわり抜いてるんですよね。

 

 

 

みんな凄い!

どうやって作ってんの?!ってレベルのものばかりだし、それぞれ世界観を貫いています。

やっぱりこだわり抜いたものってどんなものでも心を打たれます。

 

まじ勉強になりました。

僕にはまだまだ足りてませんでした。

古民家の一室をアトリエ兼ショップにしようと思うので、頑張りたいです。

古民家

 

とりあえずこの本を読んでやってみよう、な!

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著者の永井さんの本です。

これまた面白いんよなあ。マーケティングを極めたい!

 

 

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著書名 100円のコーラを1000円で売る方法

著者 永井孝尚

出版社 KADOKAWA/中経出版

 

オーディブル
最近は散歩しながら本を聴いてます。オススメですし、無料で体験できるので是非試してみて