「なぜ、あの人の周りに人は集まるのか?」を読んでやってみた
タイトルだけで見たら「何?クラスの人気者になる本?」とか思いましたが、
この本は接客をメインに店舗運営の極意を教えてくれる本でした。
この本を書いてる志賀内さんは、このブログでも紹介した「ギブ&ギブの法則」の著者でもあります。
名前入力してたら変換候補に志賀内泰弘って出てきたんで「何で?」って思ったら同じ方だったんです。
まだ5冊も紹介してないのに著者が被るなんて、無意識ファンですね。
著書の振り幅が広すぎて全く気付きませんでした。広すぎやろ。
さて今回紹介する「なぜ、あの人の周りには人が集まるのか?」の結論は「売り手良し、買い手良し、世間良し」です。
近江商人の心得でもあるこの言葉、まさに商売の奥義であると言えます。
商売は物々交換だと思ったらおしまいなのです。
サービス業だともちろんお客さんに喜んで貰えるようにサービスを提供します。
しかし、相手に求められてから何かをしていると親切とお節介の境界線がわからなくなります。
だから普段から相手の為になりそうな事を考え続けて、お節介かなと思っていてもやってみることが大切なのです。
本書ではそのイメージをお節介が6割、親切が4割のイメージでやってみようと書いてあります。
売れないコンビニを舞台に現れた謎のオバチャン
物語はとあるコンビニを舞台に進みます。
順風満帆に見えたコンビニ経営。しかし、そこにライバル店の出店。売り上げは激減。
主人公はそんなコンビニのオーナーの娘ユカリです。
ユカリはMBAも習得したエリートですが、職場で不満が爆発し辞めてしまいます。
次の仕事もなく、実家のコンビニを手伝う事になりました。
こんなお店片手間で立て直してみせるわ!と始めるものの中々うまくいきません。
ユカリのもう一つの悩みは従業員のオバチャン。本文でもオバチャンって書いてあります。
動きは遅い、トイレにしょっちゅう行ってはサボる、マニュアルは守らない。
そんなオバチャンとユカリの店舗改革物語なのです。
物語はユカリがオバチャンや経営から引退した祖父からのヒントを得て成長していく流れです。
そうするとお客さんもお店のファンになり、どんどん良い流れが舞い込んできます。
その気付きが読んでるこちらもハッとするものばかりで反省しきり。
読み終わった時は感動で「これは店のメンバー全員に読んでもらわなきゃ…!」と興奮しきり。
オバチャンはどんな事をしていたのか
では、オバチャンはどんな事をしてお客さんの心を掴んでいったのでしょうか?
読む人によっては「そんなの当たり前やん?」って思われるかもしれません。
気付いてないだけで、自分がよく行くお店でもやってくれてるかもしれません。
でも、この本を読んで再確認するだけでも十分な価値があると思います。
ズラズラっとオバチャンの行動をあげて行きますと、
- ツバメの巣は取り除くという運営マニュアルを気にせず近所の保育園に教えてあげる
- お客さんのおにぎりの好みを覚えている
- しょっちゅうトイレに行って綺麗にしている
- 地震の次の日にはレジでさりげない募金活動をしている
- 家庭のゴミの処分も引き受ける
- 業者を業者扱いしない
などなど。
うんうん。トイレがう○こまみれになってたら、心の底からうんざりしますが、綺麗にしようとは心掛けてます。
お客様に「いつものやつある?」って言われたら、あわわわわってなる時が大半ですが、覚える努力とごまかす努力はしております。
自分の行動が間違ってなかったみたいでちょっと嬉しい。
このオバチャンと、感化されて積極的に行動する様になったユカリの努力でお店の雰囲気はどんどん良くなります。
- 車椅子のお客さんが来たら他のお客さんが手伝ってくれるようになった。
- 冷たい麦茶を飲んでもらってた業者さんが、困った時に率先して助けてくれた。
- おしぼりのサービスに感動したトラック運転手がどんどん仲間を連れてきてくれた。
- 常連の学生が校内の購買が工事閉店する日を前もって教えてくれて、品切れを防げた。
などなど。
なんかめちゃハートフルなんやけど。読んでて胸が熱くなるのね。
物を売るってことは、心を売ることなんだとユカリのおじいちゃんは教えてくれます。
「なぜ、あの人の周りには人が集まるのか?」のアイデアをやってみた
本を読んで、自分も販売業に携わっているので早速出来ることからやってみました。
もちろんこの本を読む方達は全員が販売業ではないと思います。しかしシステムエンジニアの方も、塾の先生も心掛けは一緒だと思うので、何かしら得るものがある本だと思いますよ。
まずやってみたのは、本の中にもあるエピソードなのですが、地図を作るってアイデアです。
本だと道を聞かれた時に渡せる近所の地図を作っていたのです。
うちは駅構内にお店があって、外国人によく電車は何線に乗ればいいのかとか聞かれていたので、英語の路線図を作って渡し始めました。
当たり前にもらう人もいれば、びっくりしてとても喜ばれる人もいて面白かったです。
あとマニュアルの話を読んで「そうやんなー」って思ったので、フレーズをまんまパクってさも自分が考えたかのように使わせて頂いております。揉み手。
そのフレーズが
マニュアルは天井ではない。
マニュアルは最低限のもので、ここから更に何が出来るか考えなさい
というものです。
いつの間にかマニュアルは「ここまでやればいい」という上限になっていないかという問い掛けです。
グサ、グサグサと心に刺さりました。なってたわー。
マニュアルは天井ではなく床という最低限で、ここから何が出来るか考えましょうということなのです。
この意識を持つだけでもこの本を読んだ価値があるってもんです。
是非読んでみてくださいな。
著書名 なぜ、あの人の周りに人が集まるのか? 仕事もお金も人望も、すべてが手に入る「大切なこと」
著者 志賀内 泰弘
出版社 PHP研究所