「交渉学入門」交渉とは戦いではありません!Win-Winな関係の作り方を学ぼう
交渉って勉強したことなかったわ
この本を読むと得られるもの
交渉術とは何かがわかります。
交渉学を学ぶことで交渉のやり方がわかります。
交渉のテクニックについて学ぶことができます。
映画「ネゴシエーター」観ました?
これ面白いですよねえ。
交渉人同士の駆け引き激アツ。
日本ではいまいち聞くことの少ない「交渉術」ですが、どんなテクニックなんでしょ?
日本人って交渉の時、諸外国の猛者に気圧されて何も言えないみたいなシーン多いですよね。
でも、長い目で見ると日本は世界から信頼を勝ち得ています。
日本は有言実行であったり、同盟国として安心して付き合えるなど、重要な信頼を得ているんです。
そんな日本人ならではの交渉術が「三方良し」です。
これは近江商人の考え方で、自分と相手と世間の三方が幸せになろうというもの。
これは世界的に見ても珍しい考え方なのです。
著者の田村さんが考えている「日本版交渉術」のキーワードは「信頼」です。
まさに「三方良し」であり、ハーバード大学で教えられてる交渉学の基本である「賢明な合意」も、相互の信頼があって成り立つものです。
逆説的に言えば、交渉でお互いの「信頼」が築ければ「交渉学」は必要ないとも言えます。
しかし、現実は悲しいかなお互いを罠に陥れようとしたり、自分に都合の良い交渉結果に持っていこうとしたりします。
だからこそ今「交渉学」が求められてるのです。
この本では、
「交渉学」との出会い
交渉学とは何か
論理的に交渉する
事前準備の5ステップ
交渉の基本戦略
交渉のマネジメント
交渉戦術とヒューリスティクス
組織内コミュニケーションと交渉学
コンフリクト・マネジメント
リーダーに必要な交渉力
の項目で交渉学について解説されてます。
ここでは、交渉学とは何か?交渉の基本って?という部分を要約します。
交渉する機会って意外と多いですよね。
是非本で学んでおくと役に立つと思いますよ。
「交渉」って何なの?
普段でも営業職とかの方だったら交渉してるかもしれませんね。
でもその「交渉」って何なのか考えたことはありますか?
ハーバード大学のフィッシャー教授によれば、交渉とは「他人への要求をなるべく通そうとするときに用いる基本手段」であり、「共通する利害と対立する利害があるときに、合意に達する為に行なう相互コミュニケーション」であるそうです。
まあ、大体思ってる通りですよね。
しかしところ変われば、日本人とアメリカ人では「交渉のやり方」は随分変わるそうです。
フィッシャー教授曰く「交渉の場では、アメリカ人はカウボーイのように振る舞い、日本人は洗練された外交官のように振る舞う」んだそうです。
そして、アメリカ人は「絶対ダメ」という反応を示すのに対して、日本人は「そうですね」という反応を示します。
「交渉」の目的は、相互が受け入れることが出来る条件を導き出して同意することです。
そんな交渉を行なうためには、それに合う能力が必要になります。
「交渉力」とは相手を理解する力であり、相手を説得する力でもあります。
そんな「交渉力」を論理的に実証し、研究する学問が「交渉学」なんです。
従って、日米で交渉の仕方は違っていても、交渉学の論理は日米に共通するものです。
そして現在はグローバル化の波が押し寄せています。
色んな利害関係を持つ相手との交渉も増えてくると思われます。
「交渉力」はコミュニケーションスキルです。
「交渉学」を学ぶことによって、交渉でのプレゼンテーションや交渉戦略を論理的に構築することができます。
さらには交渉のプロセスの展開を先読みすることもできちゃいます。
交渉のテクニックと交渉学
交渉の現場で使われるテクニックを「交渉戦術」と言います。
なんかあまり良い印象は受けないのですが、突然怒りだして交渉打ち切りを示唆して動揺させる「不意打ち」や、真実でないことについて断言して相手を騙す「ブラフ」などがあります。
こんなん使ってる奴って正直信頼をなくすだけですが、相手が使ってくることもあるので、知っているだけでも適切に対応できると思います。
交渉について押さえておくべきポイントは3つあります。
まずは交渉は経験よりも論理が大事だということです。
経験を積むことでしか上達できないということはありません。
経験だけでは交渉スタイルがワンパターンになります。
成功体験に固執し相手に合わせてスタイルを変える事をしなくなります。
2つ目は交渉は「出たとこ勝負」ではないということです。
どんな話になるのかわからないのに、アドリブ力じゃないの?って思いますよね。
いえ、準備こそが大切なのです。
3つ目は交渉には「勝ち負け」はないということです。
双方が勝ったと思える「Win-Win」の関係になれるかが大切です。
ロジックをきちんと立てることで可能になります。
交渉の基本原則
ハーバード大学で教えられている交渉学では、2つの基本原則を提案されてます。
まずはここを押さえないとですね。
第一の基本原則:「人」と「問題」の分離
これは交渉の場ではよくあることなんですが、相手との交渉が上手くいかなくなると、相手=人に対してムカついてしまうというものです。
自分の意見がわからない相手が間違っている、と思ってしまうんですね。
そうなると問題ではなく「あいつに反対!」という考えに置き換わってしまいます。
この「問題と人を分離させる」には、ホワイトボードや紙を使うことが有効です。
「え?相手の目を見て話すのが良いんじゃないの?」
それは一見良いことのようなんですが、相手の目を見ながら「私は反対です」と言うと、相手は攻撃されていると感じてしまいます。
ベクトルを問題に向けるために、紙を使って交渉すると、問題を共有しながら解決することが出来るようになります。
第二の基本原則:「立場」から「利害」へ
フィッシャー教授は
「相手側の立場が自分の立場と対立していると、それぞれの利害も対立していると思いがちになる」
と指摘しています。
家賃交渉をする場合、借家人としての「立場」での関心はいかに安い家賃で借りれるかですよね。
逆に家主の「立場」だといかに高い家賃で借りてもらえるかです。
しかしそれぞれの立場を離れて、相互の背景にある利害を綿密に検討してみると、対立関係になるよりも多くの利益を見出せます。
一つは両者とも安定を望んでいることです。
安心して長く住める家を求めている安定と、安定した家賃収入。
さらに両者とも良い人間関係を望んでいます。
家主は信頼できる人に貸したい、借主は必要に応じて修繕してくれる家主を求めているからです。
そこで「交渉学」が推奨する交渉スタイルが見えてきます。
まずは論理的に交渉することです。
なんか難しく思えますが、大切なのはその場の「論理」や相手の「論理」を考えることです。
論理的に思考することで、お互い納得できる「論理」にどのようにして持っていくか。
相手の論理を読み取って、それを自分の論理と重ね合わせていくことです。
第二に、効果的な事前準備を行なうことです。
これによって成功か失敗かが決まると言えます。
- 状況を把握する
- 何を実現したいのか考える
- 目標を設定する
- 柔軟な発想による選択肢を用意する
- 合意できない時の対応策を考える
この準備をしておくと交渉の全体像を想定内に収めることが可能になります。
第三は、問題の「Win-Wi」の解決を目指すことです。
ゼロサムとして考えてるとまず決裂してしまうでしょう。
一緒に解決しようね!というチームプレーの姿勢が大切です。
そうすると交渉から新しい価値を生み出すことが出来るようになります。
「交渉学入門」を読んでやってみた
交渉学って言う新しい分野を知った
実践してみた3つのこと
- 二分法について学んだ
- 交渉には質問の準備をしていく
このブログでは「交渉術」について触れるのは初めて、と言うか僕自身も交渉術っていうものを今日まで知りませんでした。
確かに今までの交渉(ぽいもの)って自分の意見を言ってただけだったなあ。
そりゃ喧嘩になるわ…。
二分法について学んだ
まずはイエスorノーの二分法の罠に気をつけようと思いました。
相手からの問いかけに対して、即座に答えようとしてしまいがちです。
こういう時は演繹法(えんえきほう)で考えてみることにしました。
これは一般的な前提から、より個別的な結論を得る論理展開の方法です。
根拠となる大前提が本当かどうか考えるんです。
他の会話術でも書いてあるけど、やっぱり交渉でも「交渉上手」は聞き上手なんですね。
これまた自分の意見を聞いてもらおうとゴリゴリ喋ってました。
まずは相手の話を聞いてから、自分の希望とすり合わせるのが大切なんだとわかりました。
交渉には質問の準備をしていく
質問の準備をしておくのも大切だと学びました。
とりあえず全部の質問を書き出しておいて、そうするだけでも色んなことが自分の中で整理できます。
あと、交渉の最初はオープンクエスチョン、後半はクローズクエスチョンっていう流れも大切でした。
オープンは「〇〇についてどう考えてますか?」みたいなもので、クローズはイエスorノーの質問です。
これも意識してなかったのでよかったです。
交渉術って大切だなと理解しました。
ここでは導入部の話しかできませんでしたが、また別の本も読んだら紹介したいと思います。
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ここも押さえておくとスムーズに相手を理解できると思います。
著書名 ハーバード×慶應流 交渉学入門
著者 田村次朗
出版社 中央公論新社