「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」ファンビジネスの元祖であり究極の形!
めちゃめちゃ面白いバンド!先見の明がハンパない!
この本を読むと得られるもの
- ファンビジネスについてのノウハウが得られます
- ファンとの繋がりをいかにして作るのか学べます
- 既存の考えを疑うことから始めることが大切であるとわかります
グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ。
…何で?
グレイトフル・デッドは1960年代にアメリカで生まれたバンドです。
アメリカではめちゃめちゃ人気のあるバンドで、ヒッピーカルチャーの代表格です。
熱狂的なそのファンは「デッドヘイズ」と呼ばれています。
グレイトフル・デッドのツアーはまるで民族大移動です。
大勢のファンとそのファンを相手にする商売人がゾロゾロとバンドの後を付いていきます。
そしてそれはとても大きなビジネスになっています。
そう、まさにグレイトフル・デッドはビジネスの先生でもあるのです。
グレイトフル・デッドは今話題のビジネスモデルの走りなんです。
40年以上も前から、自分たちの音楽を「無料」で開放していました。
ツアーの音楽は録音して配ってもOK。「シェア」していいのです。
自分たちの作品を無料で公開したらたくさんのファンが増えて、コミュニティができて、仕事を手伝ってくれて、結果的に大きな市場となったのです。
まさに今時の「オンラインサロン」と同じ手法ですよね。
最近まで西野さんとかのビジネスが叩かれてたのに、もうすでに40年以上も前からやってたなんて。
「もっとこうなったら面白いぞ。みんなも喜ぶぞ」
こんな楽しいノリに巻き込まれていくような、創造的なマーケティングなんです。
常に人に「見られている」ということが、いかに仕事に効果をもたらすか。
99%失敗しそうな事でも、誰かに「見られている」事で、1%のの可能性に賭けてみよう!という意欲が湧きます。
するとそこから「物語」が生まれるのです。
人間は「物語」の上で生きています。
共感を呼ぶ「物語」が生まれると1%が2%になるかもしれません。
スティーブ・ジョブズも同じです。
気持ち良い触り心地と、気持ちの良いインターフェイスにこだわり続ける。
機能よりも官能。快楽原則が何よりも大切。
これぞまさにヒッピー・カルチャーです。
この本では、
- ユニークなビジネスモデルを作ろう
- 忘れられない名前をつけよう
- バラエティに富んだチームを作ろう
- ありのままの自分でいよう
- 「実験」を繰り返す
- 新しい技術を取り入れよう
- 新しいカテゴリーを作ってしまおう
- 変わり者でいいじゃないか
- ファンを「冒険の旅」に連れ出そう
- 最前列の席はファンにあげよう
- ファンを増やそう
- 中間業者を排除しよう
- コンテンツを無料で提供しよう
- 広まりやすくしよう
- フリーから有料のプレミアムへアップグレードしてもらおう
- ブランドの管理をゆるくしよう
- 起業家と手を組もう
- 社会に恩返しをしよう
- 自分が本当に好きなことをやろう
の項目で書かれています。
おおお、項目を読んでるだけでも面白いですね。
ここでは、
グレイトフル・デッドの革新的なビジネスモデル
今現在では「ソーシャルメディア」を活用した最先端のマーケティングが多数誕生しました。
グレイトフル・デッド(以下グレフルとします。正式な略称は知らん)はその最先端のマーケティングを1960年代に既にやっていたのです。
恐ろしい…。
もちろんその方法論は現在でも通用します、というかめっちゃ効果的です。
それらを教訓として学びたいです。
それまでもそれからも、彼らが行ったマーケティングは、他のバンドやレーベルがやっていたことの正反対なんです。
どんなものがあるのでしょうか?
従来の業界の思い込みを見直す
ミュージシャンは通常アルバムが主な収入源となります。アルバムを売るためにツアーを行うのです。
でもグレフルは、ライブで稼ぐ「ビジネスモデル」を作り上げたのです。
従来のやり方を変えようとする考えは、全く新しいビジネスチャンスをもたらします。
つまり、グレフルは「製品」を革新するよりも「ビジネスモデル」を革新することの方がずっと重要であると教えてくれます。
そしてグレフルはライブをもっと楽しめる体験へと変えました。
演奏するセットリストはライブごとで異なり、同じ曲でも演奏の仕方が変わります。
毎晩違うライブ体験を与えてくれるので、ファンは1日だけでなく続けざまにライブに行きたい気持ちになります。
熱狂的なファンはツアーと一緒に移動します。
コンサート会場にはツアーの名物にもなったベジタリアンブリトスやドラッグ、風変わりな洋服などを売る屋台が並ぶようになりました。
屋台を巡るのもまたライブ体験なのです。
他の企業がやっていることに追随してビジネスモデルを真似るのは、革新を起こすよりも遥かに簡単です。
しかしそれでは成功しません。
同じことをしたくなる誘惑には逆らわないといけないのです。
現在でも成功を収めているビジネスは新しい技術や品質改善によるものより、これまでとは違うビジネスモデルによるものです。
ビデオからDVD、レンタルショップからのオンライン配信。
映像業界で見ても違うビジネスモデルの連続です。
それぞれの業界の常識をひっくり返す事で、自分たちに有利な競争を作ったのです。
それによりお客様にも利益を与えることが出来るようになったのです。
消費者をエヴァンジェリストにする
ほとんどのライブでは録音も撮影も禁止されています。
でもグレフルは、ファンの録音を許可しただけでなく、良い音で録音できるように「テーバー・セクション」まで設けてくれたのです。
そして録音テープを交換し合うファンの膨大なネットワークをインターネットが普及する以前から作り上げました。
それによりたくさんの人が聴いてファンになり、さらにライブチケットが売れるのです。
今の世ではコンテンツをネットで無料で提供しているところも増えました。
結果的に多くの人に知れ渡りお客さんが増えていますよね。
消費者に直接販売する
グレフルはツアー情報をいち早くファンにお知らせするために会報を作りました。
そして自前のチケット販売事務所を作り、最も良い席を熱心なファンに提供しました。
コミュニティを築き、お客様と丁寧に敬意を持って接することが、より熱心なファンになってくれるための秘策です。
現在問題になっているのはダフ屋によるチケットの転売です。
これにより熱心なファンにチケットが渡らなくなりました。
しかし、グレフルはチケットを自分たちで管理しています。
そのユニークなチケット販売システムは口コミのネットワークを生みました。
普通には知られていない方法で購入できるのです。
一番良い席は常に最も熱心なファンの手に渡ったのです。
ライブの良い席を確保するにはバンドの動きを常に追い、公演スケジュールを知っておかないといけません、
だからこそファンの忠誠心は強くなります。
新しい商品やサービスの情報を真っ先にメディアに知らせる企業は多いです。
自分が愛用している商品の最新モデルの情報を、メーカーから知らされるのではなくメディアで知ることがよくあります。
なぜ「ご愛顧頂いているお客様に限定で」注目の新モデルの発表会をやらないのか。
企業はやり方をひっくり返す必要があります。
ファンである既存のお客様を優遇し、情報を最初に知らせるべきです。
自社に対しお金も時間も既に費やしてくれているファンに「あなたは特別で大切な人です」と伝えましょう。
たくさんの熱心なファンを作る
普通のバンドは自分たちが考えるライブの「イメージ」を観客に押し付ける形になります。
しかしグレフルは、ライブにくる2万人の観客も、ライブ体験の重要な一部であり、「ハプニング」で「目的地」なのです。
つまり、グレフルの場合は、バンドではなくファンのコミュニティが「グレイトフル・デッド体験とは何か?」を決めたのです。
ここで学べるのは「会社や製品がどういうものであるかを決めてくれるのは、ファンのコミュニティだ」ということです。
TwitterやFacebook、ブログなどでコミュニケーションを取る時代では、起業が考え方を押し付けることは出来ないのだと理解できます。
「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」を読んでやってみた
ファンを心底愛して、それでいて計算し尽くされている
実践してみたこと
- データベースマーケティングをやってみよう
グレフルはどうやってファンに情報をお知らせしていたのでしょう?
当時はインターネットもないので、Twitterで簡単に告知とか出来ません。
グレフルは当時バンドのファンだったスコットをアルバム制作コーディネーターとして雇いました。
その傍ら、スコットは全てのチケット販売所に人を配置して何千人ものファンに会員登録をしてもらいました。
バンドはアルバム「スカル・アンド・ローゼス」で「デッドフリークたちよ、団結せよ!」と呼び掛けたのですが、これがきっかけでファンクラブが誕生したのです。
すごいな。アルバムで会員登録を呼びかけるのか。
YouTubeでライブ映像とかも見てみたんですが、正直見た目はそんなビジネスセンスがあるバンドには見えないんですよね。
実際には先見の明が凄すぎる。
このデータベースを作りファンと繋がるってのは、大切ですよね。
増え続ける会員を管理するためにバンドはすぐアイリーンを雇います。
アイリーンは増え続けたファン6万人以上を名前と郵便番号で整理しました。
パソコンもない時代にですよ。凄すぎ。
グレフルは年に2、3回会報などを郵送しました。
初期の頃はファンへの個別の手紙も含まれてました。
新しいアルバムが発売された時の会報には、ラジオ局に電話してねとも頼んでます。
ファンの好奇心を満たすために会報もどんどん洗練されていき、メンバーについてのありとあらゆるニュースを載せました。
またホットラインに電話をすると、アイリーンの優しい声の録音の声が、ツアーの最新情報と日程を教えてくれるのです。
もちろんインターネットが登場するとグレフルはいち早く取り入れます。
めっちゃめざとい。
オフィサルサイトをすぐさま立ち上げて、電子メールで会報を送ったのです。
素晴らしいのはファンと直接繋がれる仕組みを作り、しかも最新の技術をどんどん利用することですよね。
しかもファンを惹きつける面白いコンテンツが充実。
それによってメンバーの人間味も感じれます。
リストは5年で50万人にまで増えたそうです。さすがや。
メルマガ、ブログ、ツイッター、フェイスブックなどのフォロワーの数を把握するチャートを作ってみます。
その数を毎月チェックして、月にリーチを3%伸ばす目標を立ててみました。
グレフル先生の教えをやってみたいと思います。
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著書名 グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ
著者 ブライアン・ハリガン、デイヴィッド・ミーアマン・スコット、糸井 重里、渡辺 由佳里
出版社 日経BP