
マーケティングはどんな仕事でも必要となる大切な知識です。でも専門書は小難しいですよね。
この本では様々なマーケティング戦略をわかりやすい事例で解説して下さいます。
なんとなく見ていた広告や商品にもたくさんのマーケティングが盛り込まれている事に気付くと思います。
マーケティングをマスターしましょう。
「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」頑張らなくても売れるのがマーケティング
マーケティングがわかる8つのストーリー
この本を読むと得られるもの
- マーケティングを学べばどんな仕事でも役に立ちます
- 一生懸命に頑張らなくても売れるようになる方法が学べます
- 世の中のたくさんの事例からマーケティングが理解出来ます
一生懸命に頑張っても売れない人がいます。
マーケティングとは「頑張らなくても売れる方法」を整理して、誰もが出来るようにした考え方です。
マーケティングの本は理論書が多いので、読んでいても難しいものが多いです。
しかし、本来はシンプルで簡単なものなんでって。
この本は、身近な疑問からマーケティングが学べるように書かれています。
- 腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のCMは増えているのか?
- 人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか
- 雪の北海道でマンゴーを育てる?
- あの行列のプリン屋が赤字の理由
- なぜセブンの隣にセブンがあるのか?
- 女性の太った財布には、何が入っているのか
- きゃりーぱみゅぱみゅは、なぜブレイクしたのか?
- 古本屋がふつうの本屋より儲かる理由
確かになぜ腕時計のCMって増えているんやろ?
もちろん売れないから悪あがきで出しているのではありません。
そこにはマーケティングの秘密が隠されています。
ここでは、記載されているマーケティングのやり方の一部を要約していきます。
他にも役立つノウハウが満載です。
是非本で読んでみて下さいね。
マーケティングを考えよう
バリュープロポジション
腕時計を身につける人は減っているそうです。
しかし、時計のCMは豪華なものが多いです。それもロレックスのような高級なものだけでもありません。
付けている人は減っているのに、お金をかけた腕時計の広告は増えている…。
これってお金の無駄じゃない??
マーケティングに沿って考えてみましょう。
そもそも、なぜ腕時計をつける人って減ったのでしょう。
昔に人気をはくしたサイコーの腕時計は、「月差60秒」をウリに、世界中でヒットしました。
つまり当時は、「正確な時間を知ること」が身に付ける一番の理由でした。
しかし今ではスマホで時間はすぐにわかります。
このようにかつてはみんなが欲しがった価値が当たり前になり、価値が失われることを「コモディティ化する」と言います。
商売の世界では、コモディティ化はとても怖いものです。
それまだ喜んでお金を払っていてくれてたものが、ピタッと売れなくなるのです。
「正確な時間を知る」ことがコモディティ化すると、腕時計を買うのは超高級ブランド時計を買う少数の人か、あるいは買わない大多数の人しか残りません。
でもなぜ広告は増えているのか?
まず、腕時計にお客さんがお金を出す「理由」を新しく創り出したことです。
運動した時の心拍数や走行距離、GPSで走ったコースも記録できるジョギング用ウォッチ。
コンパスや高度計、温度計が内蔵された登山用の腕時計。
電波時計とGPSで世界中のあらゆる場所で瞬時に現地時刻に自動修正されるGPSソーラー腕時計。
どれもそれなりに高いものですが、みんな満足しています。
時計に「時間を正確に示す」という価値以外に、ジョギング専用は「体力を強化する」、登山専用は「安全に登山する」、GPS腕時計は「グローバルビジネスを成功させる」という価値を創造しています。
これはマーケティングの世界では「バリュープロポジション」という考え方です。
商品を売る時、「自分たちが何を提供出来るか」だけを考えてしまう事が多いです。
しかし、お客さんは自分が欲しいものでなければお金を出しません。
ということは、売る側は自分が提供する事が出来て、さらにお客さんが欲しいものを提供しなくてはなりません。
しかし、これを満たすだけでも、お客さんはお金を出しません。
「時間を正確に知りたい」という要望もスマホで済ますように、他にいいものがあればそちらを選ぶからです。
つまり、お客さんがお金を出すのは「欲しいと思い、かつ、それに変わるものがないもの」ということです。
これが「バリュープロポジション」です。
バリュープロポジションとはお客さんに提供する価値を決めたものです。
売る側はバリュープロポジションを考え抜くことで、お客さんがお金を出す理由を創り出す必要があります。
その為にはまず、どんな人に買ってもらうかを絞り込んで、お金を出したくなる理由を考え抜く必要があります。
先程の時計も今のところスマホでは出来ない価値です。
バリュープロポジションがないまま、コモディティ化した状態が続くとどうなるんでしょう?
一時期の牛丼業界のように、激しい価格競争をした末に、品質は落ちていくのです。
大きな違いがなくなると、価格でしか差別化できません。
そうなると過当競争に陥ってしまいます。
消費者も最初は安くなって喜びますが、コスト削減による品質低下で、最終的には消費者にも損な結果になるのです。
レッドオーシャンとブルーオーシャン
そういう状況を「レッドオーシャン」と呼びます。
レッドオーシャンの中にずっといると、会社の体力は消耗し、最悪倒産です。
まさに血で血を争う戦いです。
一刻も早く脱出しないとです。
逆に、ライバルがいない市場のことを「ブルーオーシャン」と呼びます。
つまり未開拓の新市場です。
ブルーオーシャン戦略とは、新しい市場を創り出す為に、まずは同じくターゲットを絞ります。
今やっていることから、何を取り除き何を減らすかを考えます。
その上で、代わりに何かを付け加えて、何を増やすかを考える事で、自社だけが提供出来る新しいモノを生み出し、市場を作る戦略です。
ジョギング用ウォッチなら、まずはマラソン好きにターゲットを絞ります。
走りながらチラ見で心拍数がわかるように、小さな文字盤に数字は大きく表示するといいですよね。
心拍数モニターも必要になります。
でも、これらを搭載するとバッテリーはすぐに減ってしまいます。
なので、ファッション性やバッテリー持続時間は諦めて、ジョギングに必要な機能の搭載を決断する必要が出てきます。
そこで初めて、ジョギング専用という商品が生まれ、「腕時計で体力を強化する」という新市場を創り出せたというわけです。
かつては性能の良いモノを作れば売れていました。
しかし今では絶対に売れません。
だからこそバリュープロポジションの考え方が非常に重要になりました。
バリュープロポジションを作るには、徹底してお客さんの立場に立って考える事が必要です。
登山専用ウォッチの開発チームは、アウトドアがブームになる前から「必ずニーズはあるはず」と考えて、開発に取り組みました。
登山家と一緒に山に登り、ニーズを洗い出し、冬山で凍傷になったメンバーもいたそうです。
そこまでしてようやくお客さんが気付いていないニーズを見つけ出せるのですね。
ブルーオーシャンに辿り着くと、モノは必ずしも売れるのです。
「これ、いったいどうやったら売れるんですか?」を読んでやってみた
キャズムの壁を越える事が出来るのか?!
実践してみたこと
- キャズム理論に基づいて考えてみた
今や押しも押されぬ人気の地位を築いたきゃりーぱみゅぱみゅ。
初登場した時は、世間は「???」な反応だったはず。
新しいジャンルが世の中に普及する時の反応は、人によってマチマチです。
「新しいものが大好き」という人もいれば、「これまでのものが一番」という人もいます。
これを新しいものを受け入れる順に、5つのタイプに分類したのが「イノベーター理論」です。
イノベーター(全体の2.5%)
革新者。新しいものが大好きで、真っ先に取り入れる
アーリーアダプター(全体の13.5%)
先駆者。よさそうだと自ら判断したら取り入れる。
僕はここに当てはまりますね。
アーリーマジョリティ(全体の34%)
現実主義者。他の人がいいと言ったら取り入れる。
レイトマジョリティ(全体の34%)
懐疑派。多くの人が取り入れたら市販も取り入れる
ラガード(全体の16%)
頑固者。最後まで取り入れない
ブームはこの流れで拡がっていくのですね。
目立ってナンボの人は、合わせても16%しかいないわけです。
この「目立ってナンボ」と「目立つのはイヤ」の間には、なかなか越えられない壁があります。
これが「キャズム」と呼ばれるものです。
このキャズムを超えると一気にブレイクします。
僕は昔、原宿系とかゴス系のファッションが好きで、「KERA」とかチェックしてたわけです。
きゃりーはその界隈では有名だったのですが、音楽がヒットした時から市民権を得たように思います。
ここがキャズムを超えたってタイミングですね。
このキャズム理論は商品を売るときに役立ちます。
僕は奈良のお土産を売ろうとしてます。
でも今まで世間にあったものと雰囲気とは全然違うので、「Neo奈良土産」と名付けました。
当然ブルーオーシャンです。僕以外誰もやってないですもんね。
ほとんどの人は「なんじゃこりゃ?」なんですが、たまに「いいね!」という人がいて買ってくれます。
ここでもし奈良繋がりで、堂本剛さんとかが着てくれたりしたら、一気にキャズム突破になると思います。
しかし、それこそ森で遭遇したクマさんがハチミツをくれるレベルの話なので現実的に考えると、色んなお土産屋さんに置いてあるとかでも市民権は得ると思います。
そこから他の人も作り出したら、マジョリティ入りって感じですよね。
つまりブレイクとは、待つものではなく仕掛けるものなのです。
キャズム理論に則ってブレイクを狙ってみます。
マーケティングを勉強するのは必須と西野さんも動画で言ってました。
どんな仕事でも必要になります。
是非本で読んで勉強して下さいね。
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著書名 これ、いったいどうやって売れるんですか?
著者 永井孝尚
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