みうらじゅん「ない仕事の作り方」センスと好きでなんでも仕事になるんです
これもみうらさん?!と思わずビックリ
この本を読むと得られるもの
言葉を作ると自らブルーオーシャンを作る事が出来ます。
その為には、「好き」を突き詰めないといけません。
お金儲けも考えず、なんならお金を払ってでもやりたい事を見つける方法がわかります。
「ゆるキャラ」「マイブーム」「クソゲー」
この普通に使われてる言葉を作ったのってみうらじゅんさんなんですって!
他にも色んなブームを仕掛けたすごい人なんです。
タモリ倶楽部とかでも唯一無二なキャラが炸裂しております。
みうらじゅんさんは一応漫画家らしいですが、今や何をやってる人かよくわかりません。
なぜわからないのか?
それはみうらさんは元々世の中に無いことを仕事にしちゃうからです。
「そんな楽しい事ありえんの?!」
その時夢中な事を記事にしたりしてブームを生み出す。この状態をみうらさんは「一人電通」と呼んでます。
皆さんも「やりたい事」と「やらねばならぬ事」の間で葛藤されてることでしょう。
その時肝心なのは「自分ありき」でなく「自分をなくす」ほど、我を忘れて夢中になって取り組むことなんです。
新しい事はそこから生まれます。
この本を読めば、そのための心構えやコツ、やり方がわかり、いろんなことに応用できるようになります。
そんな働き方をみうらさんに教えてもらおう!
「ない仕事」ってどうやって作るの?
「ない仕事」とは、その時あまり世間の注目を集めていないもの、誰も興味を持っていないものと言えます。
みうらさんは1989年に吉本新喜劇の「ギャク100連発」というビデオを企画されました。
吉本新喜劇は当時はまだ関東では知ってる人は少ない存在だったのです。
みうらさんは東京の関西人向けに、新喜劇のビデオが欲しいと、「個人的に」思いました。
そこで、知り合いも誰もいない吉本興業に飛び込みで「ビデオを作りたい」と電話されたのです。
お金を儲けたいとか、権利がどうとか全く考えてません。
「当然作るべきだ」という気持ちだけで、それくらい夢中という気持ちだけで行動されたのです。
好きだという強み、事情を知らない強み。
みうらさんの仕事は、このように「あったらいいなー」から始まるのです。
みうらさんはマイブームを面白おかしく紹介するから、半分ネタでやってると思いがちですよね。
でもそんな事はありません。
小さい頃から好きなものや、何年もかけて調べて大好きになったものばかりなのです。
そして、世間では消えてしまいそうなものこそ、「そこがいいんじゃないか!」と一層強く推したくなるのですね。
みうらさんは古い日本人形も好きです。
そんな時は「言葉がないか」をネットで検索します。
フィギュアと和風を掛け合わせて「フィギュ和」という言葉を作って、検索数歩ゼロだと、晴れてみうらさんの言葉となります。
早速収集した日本人形の写真集を作って、「みうらじゅんマガジン フィギュ和」を出版されました。
「フィギュア」も「和風」もすでにある言葉で、それぞれ既にすごいマニアもいます。
でも「フィギュ和」という土俵には誰もいません。自分である新たな土俵、つまりジャンルを生み出せば、自分以外の誰も博士はいません。
すべて「ないもの」だけを考えた結果です。
もう一つ例をあげますね。
みうらさんは旅行で失敗して、バスが全然来ないバス停で降りてしまいました。
一日に数回しかバスが来ないバス停。そのバス停の時刻表を写真に収めます。
その時は「こんなに来ないバス停って酷くない?」ってマイナスの気持ちでした。
「こんなに待たされるって地獄だな」って思った時に、パッと閃きます。
この地獄のような時刻表を「地獄表」と呼べば見方もかわるのではないか?
これはみうらさんの「ゆるキャラ」と同じ発想です。
マイナスなものに名前を付けて面白がってみると、自分の気持ちすら変わってプラスになります。
それ以来みうらさんは、田舎町に行く度に「地獄表」を探し、写真に収めるようになりました。
逆転の発想ですね。
その町も「バスが来ない町」と言われるといい気がしませんが、地獄表の言葉が広まれば、「地獄表のある町です」とPRできるかも知れません。
普通はみんな「いいこと」「面白いこと」の中から次のアイデアを考えます。
しかし、本当はマイナスの要素の中に、チャンスは埋もれているものなんです。
好きは突き詰めてこそ
趣味は突き詰めなければ意味がありません。
対象が好きだからぐらいではダメです。
すべて「そのまま」では何も生み出すことは出来ません。
みうらさんは、チャールズ・ブロンソンのファンなので、ブロンソンズというバンドを組み、ブロンソンになりきった連載を待ち、映画「大脱走」のテーマに勝手に歌詞を付けてアルバムも制作。
ブロンソンが亡くなられた時は「ブロン葬」というお別れイベントも企画開催、ブロンソンにすぐなれる髭シールも販売しました。
なんとアルバムはタランティーノ監督が来日してした際に目に止まり、2枚買ってくれました。1枚はブロンソンの娘さんにプレゼントされたと知った時は、みうらさんは大興奮したそうです。
これが「突き詰める」ということか…。凄まじいです。なぜ好きかを突き詰めると、誰も到達していない「ジャンル」が完成するのですね。
ここまで読んで、「ないもの」で重要なのはネーミングだなとこの本を読んでつくづく思いました。
なんの変哲のないものも、名前を付けるとジャンルになるのです。
その事象にどんな名前を付けるかで勝負は分かれそうな感じです。
嫌なお土産に「いやげ物」という名前を付けたとたん、欲しいという気持ちになります。
大量に集まり自分を洗脳した結果、「いやげ物」は書籍になり、大規模な展覧会を開催するまでになりました。
造語が普及するかのポイントは、マイナスから入っているかどうかが大きなポイントになるそうです。
普通の宣伝のキャッチコピーはプラスの面を強調して伝えますが、それだと「名前ほど大したことない」と思われがちです。
相手に怒られるぐらいのギリの名前の方が、破壊力もあり流行りやすいです。
そしてどれだけ面白い事を考えても、人に知られないと仕事ではありません。
様々な媒体での発信が必要になります。
言い続ける事は好きでい続けることです。
お金儲けなど考えもせず、なんならお金を払ってでもやらせて欲しい仕事。
そんな純粋な気持ちで続けてると、次に繋がっていくのです。
「ない仕事の作り方」を読んでやってみた
名前をつけて発表してみた
名前ってセンスが大切なんやなあと痛感しました。
普通に名前をつけても全く興味を持ってもらえないんですね。
この話を聞いて「鼻セレブ」の話や、マクドナルドの戦略を思い出しました。
僕は日頃から奈良公園の動画を撮りためていたのですが、なんか動画にして発表したいなと思っていました。
ここで「奈良公園の定点動画」とかの名前だとイマイチですよね。
動画が完成したらここに貼り付けますね。
著者 みうら じゅん
出版社 文藝春秋