短パン社長の情報発信術「”いいね”を購入につなげる」商品ではなく楽しみを売る
SNSだけでモノが売れるのか…すごいな
この本を読むと得られるもの
- 会社名でなく個人名で発信する重要性
- SNSで発信する際のポイントがわかります
- 個人にブランド力をつける方法がわかります
一年中を短パンで過ごす奥ノ谷さんとこ短パン社長。
ある時関西に出張した際に、取引先から「短パン社長ちゃうやん!」と言われて、自分は短パンで認知されてるんだと気付きました。
このツッコミが関西やなあ…。
そうなってからは覚悟を決めて、冠婚葬祭の葬以外は全部短パンで過ごされてます。
ご家族で経営されてるアパレルメーカー「ピーアイ(PI)」では、短パンをSNSだけで販売されています。
1着12,000円の短パンが20時間で完売。
9年前はいいねが6個しか付かなかったのに、今ではフォロワーが3万人で、何か投稿すれば2〜300のいいねがつきます。
ただ付くだけでなく、そこから商品を買ってくれます。
それはなぜなんでしょう?めっちゃ気になる。
マーケティングはよくわからない短パン社長ですが、SNSで発信するということは人一倍やってこられました。
共感してもらうだけではダメで、その先に行かないといけないそうです。
「自分の商品やサービスを自然にいいなと思ってもらい、買ってもらうこと」
これこそが、その先です。
不安を煽り、「安心する為にははこれを買いなさい」
そんなマーケティングが主流です。
そうではなくて、「この人から買いたい」と自然に思ってもらうことで買ってもらう事が、SNSによって出来るようになったのです。
SNSってどのようにすればいいのでしょう?
やってみたけど上手くいかない、続かない。
そんな人にオススメです。
この本では、
- ボクがやったSNSでの「売り方」
- 「この人から買いたい」に至るまで
- 確立した「ケイスケオクノヤ」という業態
- 信頼を稼ぐからお金を稼げる
- 購入につなげるボクのSNS発信術
の項目で、SNSでの情報発信について解説されてます。
ここでは、SNSでの発信のポイント、自分自身へのブランド力の作り方について要約します。
本書では、発信力だけでなく会社のブランド力や商品力についても解説されています。
そこも重要なんで是非本で確認してくださいね。
最初は誰でも失敗する
もちろん最初は短パン社長のSNS発信はつまらないものでした。
全く反応もありません。
最初はどういう目的で使ったらいいのかもわかっていなかったので、何を投稿すればいいのかもわかっていなかったそうです。
短パン社長はこれ以前にはお客様に手紙を出していました。
短パン社長の会社ピーアイは、お店のオーナーさんに「こんな商品が出ます」とDMを送り、展示会に来てもらいます。
そして注文してもらったものを納品するというビジネスです。
最初は季節ごとの展示会DMを送っていただけでしたが、だんだん毎月送るようになりました。
手紙の名前も「短パン通信」に。
第一号は仕事の内容など全く関係なし。
日記のように思うままに書いたものでした。
そして展示会に来てくれた人が食事に困らないようにと、近隣の飲食店の案内も載せました。
毎月A4を3枚です。
こんなん読まれるんかなと思って最初は半信半疑でした。
でも何事も継続だと思ってやってたら反応が意外と良かったんですって。
あ、短パン社長はブログもやってるんですが、2010年の1月に始めてから、10年近く1日も休んだ事がないそうです。
継続する事が大切なんやなあ。
SNSでつながっていこう
そのうちもっと楽しませたいと思いだし、パロディでDMを作ったりし始めます。
中にはふざけるなというお叱りの声もあったそうです。
ふざけている気持ちなんてもちろんなくて、楽しませたいだけでした。
何かインパクトがあったら、少しの時間でも見てもらえるかもという思いもありました。
でも、批判が来ると短パン社長も人なんで傷つきます。
でも、思い直したのは「全国の洋服屋さんにうちの商品を扱ってもらおうとなんて思ってないし、俺のことを好きだと言ってくれる人がお客さんだ」という事でした。
好きだと言ってくれる人を大切にしていけばいいという事です。
なので、短パン社長の事が嫌いな人からは全く反応がないし、反応してくれる人は注文してくれるというふうにハッキリと分かれるそうです。
「短パン通信」では手応えがあったのに、SNSでは反応も薄いから、こんなんやる意味あるの?と最初は思っていたそうです。
短パン社長がSNSを始めたのは日本でサービスが始まってすぐなんで、かなりの先駆者であると思います。
色々試行錯誤もされました。
そのうち、SNSでも俺は俺だ!となって紙でやっていたことをそのままFacebookでもやってみました。
そうしたら、全然反応が変わったんですって!
そこで結局SNSも紙と一緒だなとわかったそうです。やり方は同じでいいんです。
「ネットの方が即座にお客さんに届けられるし、紙にして郵送する必要もない。これなら毎日書ける!」
そのうち、「短パン社長なんだから、短パン作ったら売れるんじゃない?」と安易な意見をもらったりしました。
しかし短パン社長は自分が好きな洋服をつくるのは抵抗がありました。
服を作るのはお客様の為であって、短パンはお客様の為にならないだろうと思ったらしたのです。
しかしそのうちに「売れるよ!」ではなく「欲しいから作って!」と言われるようになり、なら作ってみようかなとなったそうです。
「デザインが決まった!」とか「生地ができたよ」とか、制作過程を逐一SNSに投稿します。
そしていざ完成し、予約受付を開始すると、一日もしないうちに120着完売したのです。
この頃の短パン社長は売れるなんておもっていませんでした。
触ってもいないし、試着もしていない。写真と色合いも違う可能性がある。
なのにこんなに売れるなんて。
いまやモノは溢れいる時代です。
ミニマリストも登場するくらい、持っていないという理由で買う人がいなくなりました。
別の買う理由が必要なわけです。
「あの人が売っているから買う」
「あの人が作っているから買う」
短パン社長の服が売れるのも「関係性を築いてきたから」に違いありません。
毎日いろんな発信をしてきた事で、親近感を持ってくれたのでしょう。
服の選び方だけでなく、洗い方や保管方法も発信していました。
ちゃんと洗濯の方法もクリーニング屋さんに教わる丁寧さ。
楽しませたい、喜ばせたい、役に立ちたい。
売るより先に、こういう気持ちでSNSで繋がりをつくってきたからなんですね。
商品じゃない、オレなんだ
短パン社長はお父さんの会社を継ぐ前は、人気急上昇の会社で働いてました。
なので自信満々。
展示会のDMも自らリードして作られました。
渾身のDMで来たお客様は…7人!
そんなのが続きます。これはヤバい!
困った短パン社長は誘われて、藤村正宏さんのセミナーに行きました。
そこで教えられたのは「エクスペリエンス・マーケティング」、つまりモノではなく体験を売るというマーケティングです。
藤村先生に「奥ノ谷さん、なんでその7人は来てくれたんだと思う?」と聞かれて困ります。
デザイン?素材?
「それはね、奥ノ谷さんが好きで来てくれるんだよ」
おお、まさに天啓。
確かに言われると仲良くしてくれているショップの方達ばかりです。
「商品じゃない、オレだったんだ!」
そう気付いた短パン社長。
「だったら、思い切り自分を出してみよう」
となったわけです。
藤村先生はメッセージの出し方も「会社から個人に」する事を勧められます。
「〇〇ショップオープン記念、期間限定価格!…」
「〇〇ショップオープン!店長の田中です!ぼくのこだわりは…」
前者は商品と価格がデカく載ってるチラシ、後者が店長の顔がデカデカと載ってるチラシ。
後者の方が親近感と安心感があると思います。
モノなんてどこで買っても殆ど同じです。
それなら、気になる店長がいるお店の方が興味が湧きますよね。
お客様は店名とか会社名に興味はありません。
覚えているのは人なんです。
あなたを目掛けてお客様が来てくれるよにしないといけません。
奥ノ谷さんはセミナーにも呼ばれています。
特に若手社員に向けてSNSの使い方について研修されています。
言うことは一緒で「これからは会社名とかブランド名じゃない。個人が強くならないといけない」
売上が大きい企業ほど本名で会社の名前を背負ってSNSで投稿するのは禁止にしています。
イメージが損なわれた時の影響が大きいからです。
しかし、遊びで使っていたものがビジネスにつながって、しかもSNSで売ったら給料も上がるのです。
実際、田中修治社長のオンデーズでは、インスタかツイッターのフォロワーが1万人以上いたら基本給に5万円プラスされる「インフルエンサー採用」というのがあるくらいなんです。
「”いいね”を購入につなげる」を読んでやってみた
個人を発信していこう!
実践してみたこと
- 自分の言いたいことを添える
- スルースキルを身につける
自分の言いたいことを添える
僕はSNSで個人を出すことは今までむしろ控えていました。
みんなが欲しいのは情報で、僕個人の話なんていらねーよとなると思っていたからです。
でも、ちょっとこれは間違っていたのかも。
「今日はこんなイベントがあります」なんてのはただの報告で、これでは共感を生めないのね。
何を感じたか、何を考えたかを添えて書くのが大切なんだとわかりました。
「自分の言いたいこと」を発することこそ「個を発信する」ということなんですね。
スルースキルを身につける
発信を続けていると必ずネガティブなコメントも来るそうです。
その99%は匿名です。
まだ建設的なやりとりだといいのですが、「バカ」とか「シネ」ならブロックすれば済む話です。
ネガティブな反応を恐れてはダメなんですね。
まあ、あんまり多いようだと発信内容を見直す必要があるけどね!
罵詈雑言は堪えて、わかってくれる人たちの方を向いてやっていく。
素直に自分を出して行った方が、今の時代は受け入れられる事がわかりました。
一番よくないのは怖がってやらない事。
やる前に心配するなら、そうなった時に考えればいいだけの話なんです。
お客様に手紙を書いてて、他人に「お客さんが1000人になったらどうするのよ?」と言われて、そうやな…と止めてしまうのが最悪です。
1000人になった時に考えればいいだけの話。
「変って思われたらどうしよう」とか、思われてから考えればいいだけの話。
そこもよくわかりました。
まずは個の発信からですね。
マニアックな投稿をしていきます!
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ここで述べたファンを作っていくマーケティングを「ファンベース」というそうです。
これからの時代のマーケティングです。
著書名 「いいね」を購入につなげる 短パン社長の稼ぎ方
著者 奥ノ谷圭祐
出版社 KADOKAWA