60歳でライフネット生命を起業された出口さん。50代が人生で最も輝ける年代なんだそうです。
そこでどれだけ勉強し行動するかが残りの半分の人生を決めます。
この本ではそんな50代から起業した方たちのインタビューが多く掲載されています。どれも刺激的な物語ですよ。
出口治明「50歳からの出直し大作戦」50代が起業に最適なこれだけの理由
どのインタビューも読んでてめちゃめちゃ面白い!
この本を読むと得られるもの
- 様々な起業家の方の生の声が聞けます
- 先人の生き方から自分の生き方も考えることができます
- これからの人生に必要なスキルがわかります
出口さんは良い時期も、辛い時期も
「いまが人生で一番良い時だ」
と考えているそうです。
将来についても同じです。
未来は一寸先は闇。だったら今に集中するのが最も合理的ですし、ストレスも溜まりません。
歴史を見ても、人生は偶然の巡り合わせで決まる部分が非常に大きく、個人の力で変えられるものは、かなり限られています。
どんな時代や環境に生まれたかといった、すでに終わったことをあれこれ詮索しても仕方ないです。
それなら「今」の事だけを考えていた方が、ずっと賢明なのです。
歳をとったからと夢を諦めるのは、もったいないです。
ただ、将来の目標に向かって努力を続けても、それが実現するとは限りません。
では、勉強するのに意味がないのかと言うと、そうでもありません。
未来を変える事が出来るのは自分自身しかいません。
未来の事は誰にもわからない。それ故に、自分の意思で未来を変える事が出来る時は、未来のいつかではなく、常に「今」しかありません。
だったら「今が人生で一番良い時だ」と考えるべきでしょう。
明日になれば一日歳を取る。今が人生でいちばん若いのです。
ただし、こうした外的要因関係なしに、出口さんが人生で最も充実する年代と断言できるのが「50代」なんですって。
ん?意外と先やな。なんで?
人生80年と考えると、50歳は折り返し地点です。
50代は経験も人脈もあり、最強の年代なんだそうです。
なるほど、そうかも。
50歳から60歳までにいかに勉強し、花開くかが勝負です。
この本では、
- いつも今が人生で一番いい時
- 50代が起業に最適なこれだけの理由
- 偶然をチャンスに変えるー中村勝さんと語る
- 定年間近の57歳で創業して上場ー大嶋翼さんと語る
- 子供の頃の夢を50歳で実現ー牧野克彦さんと語る
- 趣味を仕事にする幸福ー石塚眞一郎さんと語る
- 金融業からスイーツに大転身ー鈴木哲也さんと語る
- 営業センスを生かした資格業ー寺田淳さんと語る
- 起業成功の条件と準備
の項目で50歳からの生き方について享受してくれます。
どれもタイトル見ただけでも面白そうなストーリーです。
ここでは、50代からの起業について要約します。
たくさんの方のインタビューが掲載されているのですが、どれも波乱万丈で面白かったです。
是非本で読んでみてください。大きな刺激になると思います。
50代ってどんな年齢なの?
50代は後進を育てる時です。
50代はポテンシャルは最高潮なのに、残念ながらそれを活かせる環境が与えられていない人も多いと思います。
出世レースに残っていたら別ですが、そうでなければ目指すべき道の一つが、次の世代を育てることです。
自分でホームランを打つのは最高に楽しいです。
でも、コーチの立場でチームを優勝に導くのも同じくらい感動があります。
優勝チームのホームランバッターに「今の自分があるのはコーチのおかげです」なんて取材で言ってもらえたなら、それはもう感涙モノです。
しかし、まだまだ自分の能力を試してみたいという人も少なくないでしょう。
そんな人には起業!これしかありません。
出口さん曰く、50代は起業するのに最適な年代なんだそうです。
出口さんが言うと説得力めちゃあるなあ。
ビジネスのノウハウも蓄積されてます。それなりの仕事をしてきたので社会的信用もあるはず。
同じような境遇の仲間もいるだろうから、チームを組む事も出来ると思います。
50歳になると自分の将来も想像出来ると思います。自覚があるのが普通です。
子供や家族に必要な金額もはじき出す事ができます。
そこさえ準備出来れば、清水の舞台レベルに思えた起業も、高さ1メートルくらいに感じます。
35歳だとギャンブルだった起業も、50歳ならリスクもありません。
体力気力共に満ちた50代は最強なんです。
「クオール」中村社長のインタビュー
株式会社クオールは中村さんが50歳の時に創業されました。
起業なんて考えた事もなく、全くの偶然です。
当時勤めていた会社で、オーナー社長と後継者問題で揉めて、翌日には子会社行きになりました。
このままだと会社を混乱させると思い、即退社されたそうです。
その時、自分たちにも責任があると一緒のタイミングで辞めた10人程の社員の就職先を探すだけで1年間かかったんですって。
こういう面倒見の良い人だから成功したんやなあ。
1年間無職です。苦しい。
そんな時に、前職の時に付き合いのあった病院の院長さんから「これからは医薬分業の時代が来るから、何もしていないなら、うちの病院の側で開業しろ」と言ってもらったのです。
実務能力もないままスタートするのってすごいですよね。
中村さんの理念は「誰からも信頼してもらえるいい会社にしたい」でした。
その為には会社の透明性を高める必要があり、創業時から上場を目指していたそうです。
出口さんもライフネット生命を創る時に上場を目指したのも、生命保険の不透明さを改革したいからでした。
中村さんのいう「いい会社」とは、ひとつは社員と経営者が対等である事です。
社長個人が偉いわけではなく、社長は単なる組織の「機能」のひとつであります。
そこを勘違いしている経営者が多いんですね。
ポストは、機能です。 https://t.co/XBqznBUzEg
— 出口治明 (@p_hal) October 26, 2020
長く続くいい会社のトップは質素で倹約家が多いです。
ローマ帝国の皇帝でも、名を残した人はすごく質素。
中村さんは歴史が好きで、「マキアヴェッリ語録」でリーダーのとるべき道を学びました。
それを受けて、出口さんもそれを受けて連想するのは、ティムール朝のサマルカンドの王子、バーブルであると言います。
なんて知的な会話なんだ…。
中村さんの考えるリーダーの取るべき行動は「矛盾しないこと」です。
自分に出来ないことを社員に求めるのはいけません。
部下に信頼されるかどうかは、自分自身のフィロソフィーで、そこに魅力がなければ、どんなにドラッカーの本を読んでマネジメントを勉強しても意味はありません。
そんな折、創業2年目に大きな取引の話が来たそうです。
これはデカいチャンス!
しかし取引したいけど、余裕資金がありません…。
困っていると、医療機器をリースしていた湯船製作所の社長が「困っているなら、リースを組むのはお金が回ってからでいいよ」と、機械を置いていってくれたのだそうです。
それから半年後には、突然車で現れて「電車の移動だと効率が悪いだろう。これを使う時いいよ」と。
もちろん湯山製作所とは上場後も、医療機器の仕入れは全てお願いしているそうです。
ここもギブアンドギブやなあ。
クオールが有名になったのはローソンとの併設店舗です。
今では全国に500店舗もあるそうです。
たまたま三菱商事の知人に相談したら、ローソンの新浪社長を紹介してもらえるというので、会われたのががきっかけだそうです。
中村さんがビジョンを話すと新浪さんも同じ考えでした。
入りやすいお店にするにはどうすればいいか。
蕎麦屋の座敷で二人きりで徹底的に議論されたそうです。
2人の年齢差は20歳近くです。
話が合う合わないは、結局のところは年齢ではなく、話の内容や好奇心なのです。
出口さんと中村さんって考え方がとても似てます。
二人の生き方が周りの共感を呼び、多くの助けが得られたのでしょう。
湯山社長もお金があるからこそ提供できるのであって、まさに運とも必然とも言う事が出来る話でした。
「50歳からの出直し大作戦」を読んでやってみた
起業成功の条件とは
実践してみたこと
- 自分は条件に当てはまっているのか考えた
起業成功の条件を出口さんは3つあげられてます。
まずひとつは、風が吹いていることです。
どんなに一生懸命に走っても、風がないと凧は上がりません。
同じ業種でも、世の中の景気が良い時と悪い時では成功する確率が明らかに変わります。
風とは、世の中の流れとも言えます。
2つ目は、その流れの風向きを的確に捉えることです。
風向きは、消費者の嗜好とも言えます。
お金の使い方も時々で変わっていきます。
売上が落ちている企業は、風向きにうまく対応出来ていないのでしょう。
3つ目が、その掴んだ風向きに個人の才能がジャストミートしていることです。
これが揃って初めて成功を掴む事が出来るのです。
風が吹いているには、風の吹く所に居ないといけません。
その為には準備が必要です。
いつ風が吹いてもすぐさま全力で走り出せる態勢が必要ですね。
棚からぼた餅が落ちようとするのを見つけても、布団に寝転がってたら落ちる地点に口を開けて待ってる事ができないのです。
体調管理ももちろんです。
勉強も積み重ねてないといけません。
人に誘われたらすぐに動くような心構えも必要です。
起業にあたっては、自分の好きな事、得意な事をするのが大前提です。
しかし、成功するには注意点もあります。
まずは、市場規模。
ある程度大きく、拡大傾向にあるものです。
そして参入障壁。
ある程度高くないと優位性が保てません。
そして不満に目を向ける。
面倒だったり、理想的なものが無かったりと、利用者が不満を感じている点に注目しないといけません。
まあ、とりあえずチャレンジしてみなきゃわかりませんね。
失敗してもどうにでもなるでしょう。
出口さんの本はホントどれも面白いです。
出版されてる本を順番に読んでいこうと思います。
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みなさん自分の強みを最大限に活かす起業をされてました。
自分の強みってなんだろう?この本を読んで考えてみましょう。
著書名 50歳からの出直し大作戦
著者 出口治明
出版社 講談社