物を売るバカ

 

「物を売るバカ」ではなく「物語を売る繁盛店」になろう

商売は価格で勝負してはいけない。…何で勝負すんの?

「あ、いや、モノ売る商売やってます…」

バカと言われちゃ引き下がれませんが、間違いなく返り討ちに遭いそうなので遠慮がちに逆らって手に取った本。

コンビニもハンバーガーショップも物売ってるやん。

じゃあ、何を売るのか教えて貰おうじゃありませんか!お願い教えてよね!

 

そんな挑戦状をそっと渡す様に読んだ本がこちら。

 

この本の一番のポイントは「モテる会社になろう!」です。

まず今の世の中、顧客満足だけではリピーターは増えません

確かに言われてみれば、まずいラーメン屋さんを探す方が難しいし、全然綺麗にならない石鹸を買った事もありません。

 

じゃあ値段で勝負じゃー!は完全な負け戦。疲弊はもちろんのこと、価格を下げると商品の価値も下がる事が行動心理学からも明らかになっています。

なんとワインの美味しさの評価は値段で変わるという実験結果があるのです。同じワインでも値段を高く伝えた方が、美味しいと評価されやすいのですって。

 

つまり、売り上げを増やす為に値段を下げると、安いという意識が邪魔をして商品にあまり喜びを感じなくなる可能性があるのです。

なので特に小さいお店は価格でなく、価値で勝負しないといけないのです。

確かに世の中にはなんで?って思う商売が多い「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」

 

商品に付けれる価値ってなんなの?

なるほど…。なかなかええ事いうやんけ…。是非続きも教えて下さい。

価値を生み出すのには、それに見合った「物語」が必要であると仰ってます。

物語って何?店主のこだわり?

 

はい、もうこの時点で自分は閉店まっしぐらです。この本では

「こだわり」とか「厳選」とかの言葉は何も言っていないのと同じ

と書いてあります。

うう、確かに。「厳選だから買おう」となんて思った事無いです。

なので、独自の価値を探し、組み合わせ、磨き上げます。

短くシンプルに分かりやすくする必要もあります。

 

商品以外でもストーリーは作れる

確かにそうだと思いつつ、一つ疑問が生じますよね。

商品を仕入れてるようなお店だとどうしたら良いのでしょう?

仕入れだと商品の差別化も無いので、結局価格競争になっちゃうやん。

 

そんな時は商品以外でストーリーは作ります。

色々ありますよ。志、繋がり、創業者、社会貢献、サプライズ、エンターテインメントなどなど。商品以外でオリジナリティを作るのです。

もちろん商品がオリジナルの場合、掛け合わせるともっと強力なものになります。

 

例えばネーミングです。「完全無農薬無肥料栽培リンゴ」という名前のリンゴを売っていたとします。

この名前だと、それがどんなに偉業であっても売り上げに繋がるかと言えば微妙です。

しかし、ここで「奇跡のリンゴ」という名前で売り出したらどうでしょう。なぜ奇跡なんだろう?こんな苦労があったんだよとストーリーに興味を持ってもらいやすくなります

これは実際にあったストーリーで、名前を変えてからめちゃ売れたそうです。

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ストーリーの作り方

ストーリーには黄金律というものがあります。

何かが欠落している主人公が、やり遂げようと厳しい目標に向かって、数多くの障害を乗り越えていく。

まさにジャンプマンガ。これを取り込んでいきます。

その為には自分の悩みやコンプレックを開示する必要があります。そこに人々は共感するのです。

 

」は一番の武器になります。

ナンバーワン、オンリーワン、ファーストワンも目指します。

分野を出来るだけ絞る、勝手に宣言する、見せ方と魅せ方を変える。

そうすると素敵なストーリーが生まれてくるのです。

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モテる会社になるべし!

お客様は神様でも、ましてやターゲットでもなく、恋人と考える。

そうすると、自然と物語は生み出されます。

 

どうやって売るか?ではなく、恋人にどうやって喜んでもらうかで考えてみて下さい。

なんか面白い事色々浮かんでくるよね。

 

面白そうと思ってもらう。

五感全てに訴えかける。

お客さんと親密になり、一緒に行動する

自分をさらけ出す

ミステリアスな要素を残す。

期待値を1%でも上回り続ける

この辺の具体的なエピソードは本に沢山記載されています。特に1%の話はとても面白かったです。

是非本内で読んでみて下さいね。

「物を売るバカ」を読んでやってみた

商品に人をプラスするとストーリーになります。

その中でも、社長の想いは最も強いストーリーになる、と書いてありました。

なるほど。自分のネットショップの説明って、商品の解説だけやったなーと反省し、色々書き換えてみました。

 

オリジナルならTシャツ「ソラニ満ツ」

ふんふん。なんかいい感じになってきたぞ。

もっとこれを作るにあたっての想いを盛り込まなあかんなあ。

 

勿論、提供される商品が一定水準であるのは当たり前の事ですし、ストーリーがフィクションであってもいけません。

物語は創作するのではなく、発見するものなのです。

 

いいですね。やっぱりこれからの時代はストーリーを売る商売が大切ですね!

 


 

著書名 物を売るバカ売れない時代の新しい商品の売り方

著者 川上 徹也

出版社 KADOKAWA/角川書店