丸山ゴンザレスの「アジア罰当たり旅行」は怖い物知らずクレイジージャーニー!
日本ってホント平和やな
そらもちろん日本にも犯罪とかはありますが、アジアの諸外国はもっとジャンクフードっぽいと言いましょうか…。
サクッとぼったくって、サクッと殺すみたいな。それも警察もグルで。
海外旅行は楽しいけど、やっぱり油断は禁物だなと読んで改めて思いました。
この本は「クレイジージャーニー」という番組でも活躍されてた丸山ゴンザレスさんの著者です。
ゴンザレスさんは世界各地のビックリエリアを取材されてるのですが、その中でもアジアの選びすぐりの地域が紹介されてます。
王者インドに始まり、タイ、カンボジア、中国などなど。
沢山のエピソードが収録されてますが、その中から気になったものをいくつか紹介します。
めちゃめちゃ面白いので、是非本で全部読んで欲しいです。
僕も学生の頃タイに行きましたが、書いてあるような事には出会わなかったので、やっぱり嗅覚なんやろなあ。
インドやばいと改めて思った
インドって色んな旅行記で読むけど、大体ヤバい。
大槻ケンヂさんの旅行記「オーケンののほほんと熱い国へ行く」は名作で、めっちゃ面白くインドを教えてくれます。
とりあえずカオスな国なんやな。
ゴンザレスさんはインド第二の都市カルカッタに降り立ちます。
客引きが大量に寄ってくる空港を後にサダルストリートへ。
道路の真ん中に牛。ビルの間には羊の群れ。物乞いが寝ている横では、大麻の売人が頑張って販売している。
初日こそインドの洗礼を受けますが、すぐに慣れ、数日経てばマズい飯とムカつくインド人に囲まれているだけでした。
中には親切な人もいますが、大半は抹殺したいレベルの人間に会う方が大半です。
ゴンザレスさんの抹殺ランキング1位が、タクシーでの謎の同乗者。こいつはなぜか助手席にいつも乗ってます。
「こいつは誰だ」
「友達」
この「友達」のいるタクシーにはトラブルが付き物なのです。ゴンザレスさんは友達タクシーにはなるべく乗らない様にしていました。
しかし、宿で知り合った日本人と乗ったタクシーには運悪く「友達」が乗ってました。
止めるゴンザレスさん。大丈夫という日本人。
結局は乗る事に…。
料金は40ルピー一律との事ですが、非常に疑わしいですよね…。ほぼまっ黒。
ゴンザレスさんも運転手と「友達」に念押しします。
「フレンズ、ノープロブレム!」
ところが走り始めた途端に全然違う方向へ。ゴンザレスさんは土地勘もついてきたのですぐ
「おい、全然違うじゃねえか」
「道が混んでるから迂回してるんだ」
手を叩いて笑い出す「友達」。しかもこちらを見て。イライラしだすゴンザレスさん。
そうこうするうちにはタクシーはハイウェイへ。一刻の猶予も無い状況にゴンザレスさんは怒鳴り散らします。
諦めたのかタクシーはハイウェイを降り、目的地の方へ向かい出します。
「ここでいい。車を停めろ」
するとタクシーは素直に停まり、「友達」がニヤニヤしながら言い放ちます。
「400ルピー」
当然口論になります。交渉は冷静に。最初はゴンザレスも丁寧に丁寧に話してましたが…。
頭が真っ白になったゴンザレスさんは「友達」の座る助手席に激しい蹴り!吹っ飛ぶ「友達」!
「日本人なめんな!」
運転手に40ルピーを投げつけて叫び、タクシーを降りて歩き出しました。
すると後方から助けを求める声。同乗者の日本人が今度は詰め寄られてたのでした。
お前ら、まだそんな事をしてるのか!再び頭に血が昇るゴンザレスさん。
日本人を引き剥がすと、「友達」が突き飛ばしてきました。ゴンザレスさんは2人を締め上げて地面に叩きつけます。
そのまま蹴りを入れようとしたその時、初めて自分の置かれている状況が目に入りました。
30人以上のインド人達に囲まれてます。群集の中には多数のタクシードライバーも。
彼らの視線は鋭く、敵意を持っています。
「ヤバい」ここでこれ以上やると無事に帰る事は出来ない。リンチされるし、警察が来てもゴンザレスさんの有利になるとは思えません。
一気に血の気が引き、冷や汗が背中をつたいます。
策を考えるも何も出てこない…。
怒りに身を任せた自分の愚かさに笑いさえ溢れる始末です。
そんな時、群集の向こう側で、道を譲られて進む身なりの良いインド人紳士の姿が見えました。
彼しかいない!咄嗟にそう思ったゴンザレスさんは、紳士を捕まえて必死に説明します。
地べたの運転手も彼に何か叫んでいますが、紳士の一喝で黙ります。
紳士は流暢な英語でゴンザレスさんに話しかけます。
「あなたの言い分はよく分かる。インド人として申し訳ないと思う」
そして紳士の手打ちで60ルピー追加で話がまとまりました。
ゴンザレスさんは紳士に頭を下げて礼を述べて、群集の隙間を歩きだします。
その時、左右から浴びせられた視線は今思い出してもゾッとするそうです…。
もう一つインドの話
ゴンザレスさんがバンコクのドミトリーに泊まった時の話。
インドからやってきたという人と一緒になりました。
インド話に花が咲く中、とんでもない事が起きたという話題に。
「一緒に移動してた奴がトラブったんですよ。バラナシでガイシャ(大麻)の売人がしつこくて、彼がその売人殴っちゃって」
「それってヤバくない?」
「ヤバいですよ。シャレにならないです。私は出発する予定だったので街から離れたんですが、彼はまだバラナシに残るって」
その彼もゴンザレスさんと同じく空手をやってて、インド人には負けないと言ってたそうです。
ゴンザレスさんはその彼に興味を持って、滞在しているという宿か向かいました。
10日後に到着。フロントでサインついでに宿帳を確認すると日本人が現在泊まってる様子はありません。
「移動したんだ」と残念ながら、外に出て散歩されます。
近くでは火葬場で人が焼かれてました。人が燃やされる風景なんて日本ではなかなかありません。
ゴンザレスさんはダメだと聞いてたけど、思わずソッとカメラを向けてしまいます。
すると一人の老婆がゴンザレスさんに凄い剣幕で怒鳴ってきました。尋常じゃない雰囲気。
周りのインド人もこちらを気にしだします。
マズい、シャレにならん。平謝りでゴンザレスさんはなんとか許してもらいました。
翌日、宿屋のオヤジに声を掛けられます。諭す様な優しい表情。
「昨日は危なかったな。あれはマズかった」
それに対し素直に謝るゴンザレスさん。
「…先週、お前の国の人間がそこで燃やされた」
ゴンザレスさんは衝撃で言葉を失います。
「麻薬のトラブルで殺されたようだ。マフィアがやつの部屋に行った。次の日、燃やされてガンガーに流された」
ゴンザレスさんはそれ以上尋ねる事をやめました。
当然、このオヤジは自分の宿で殺しがある事もわかっていたはずです。
それでも逆らえない。警察や法律よりも怖いものがここにはあるのです。
旅行でハイになり悪ふざけをする人、一時の感情でタブーを犯す人。気をつけないと無事に帰れないかもしれない事がわかりますね。
「アジア罰当たり旅行」を読んでやってみた
海外に行きたいなあと思った
初めて旅行記も取り上げてみました。濃いーやつですが。
「本は読むだけなら時間とお金の無駄だ」といたるとこで書かれてて、行動しなきゃなのですが。
旅行…行かなきゃ!
悲しい事に連休は年に1回ぐらいしゃない?っていう嫌な働き方してたので、そこから変えないといけません。
働き方改革。
「2連休で行けるとこあるかなー」と、弱気に調べてみました。
韓国は高校の時の修学旅行で行ったしな…。
中国は2連休もったいないな…。
香港?香港か!
というわけで、コロナとか落ち着いたら行きたいなと思います!
ディープな旅行記は読んでるだけでも面白いですね!
アジアに興味のある方、裏社会に興味のある方は是非読んでみて下さいね!
著書名 アジア「罰当たり」旅行 改訂版
著者 丸山ゴンザレス
出版社 彩図社