必ず自然災害はやってくる「都市型災害を生き延びるサバイバルプラン」
災害が発生した時に君は大切な人を守れるか
この本を読むと得られるもの
- 災害が発生した時のイメージが作れます
- 生き延びるのに必要な知識を得れます
- 災害に向けての準備が出来ます
2019年4月、南海トラフの巨大地震が今後30年以内に起きる確率について政府の地震調査委員会は、これまでより高い「70%から80%」に見直し、新たに公表しました。
同じく首都直下型地震の発生確率も30年で70%だそうです。
これは30年後に起きるという意味ではなく、なんなら明日かもしれないということです。
災害からのリカバリーは自助、共助、公助の3つの手順があります。
自分で守り、近隣の人と助け合い、公的な支援がやってくる。
この中で最初にやってくるのが自助です。
自助が無ければ公助もありません。
自助とはサバイバルです。
ライフラインの寸断だけでなく、火災や落下物、倒壊からも身を守らなくてはいけません。
この本に書いてあるのは答えではありません。答えの出し方です。
なぜなら、サバイバスプランは個人の状況に合わせて立てるものだからです。
有事の際にパニックにならないためにも、是非生き延びる方法を覚えておきましょう。
この本では、
- 災害は都市を砂漠に変える!
- 生き延びるための原則
- 命を繋ぐもの
- 都市型災害のリスクを取り除く
- 都市型災害に打ち勝つリカバリープラン
- 生きる喜び
の項目で書かれています。
この本に関してはどこが重要とかもなく、全部重要ですね。
多分ネットも使えない状況になるかと思います。
しっかり頭に入れておかないとですね。
ここでは、生き延びるための原則について要約します。
その後のサバイバルについては是非本で確認して下さいね。
災害が発生するとどのような状況になるのか
都市は災害が起こると一変して砂漠となります。
意外と森林や無人島でのサバイバルは、サバイバル術を知っている人にとっては難しくないそうです。
逆に砂漠でのサバイバルは極めて難しく、生還した例もほとんどありません。
そして、砂漠に次いで難しいシチュエーションが、インフラが失われた都市だそうです。
東日本大震災当日は首都圏だけで515万人が帰宅難民となったそうです。
水や食料もスーパーやコンビニから無くなります。
帰宅する人や車で溢れた車道。
東京都の昼間の人口は1500万人です。
首都圏直下型地震が発生すると、帰宅難民は最大800万人になるそうです。
避難所がいっぱいで入れない可能性もありますし、物資が届くまでにどれくらいの時間が掛かるかも想像できません。
都市型災害が起こったら、物資がない中での生き抜く力も必要になるのです。
自然の中だと、水は比較的簡単に手に入ります。
煮沸消毒をすれば飲用できることも多いです。
しかし都会の水は化学的に汚染されている可能性が高く、煮沸しても飲めない可能性が高いのです。
人が水無しで生きられるタイムリミットは72時間です。
恐ろしい。72時間以内に水を確保しないと死ぬんですね。
さらに暖をとるための枯れ木や、工作をする蔦も手に入りません。
倒壊の恐れがあるので建物に近づくこともできず、雨風をしのげる場所も見つけれません。
そう考えると、都市部はサバイバルするにはかなり難しいですね。
さらに都市部にはリスクがあります。
それは「人」です。
都市型サバイバルの研究が進んでいるアメリカの専門家が、揃って重視しているのが「人目を避けること」です。
平和な日本では想像しにくいですが、これは暴徒化した他人から身を守るためです。
2011年の東日本大震災の直後には店舗やATM荒らしが頻発しました。
レイプ事件も発生します。
風呂やトイレを貸すと言ってくる、ボランティアを装い近寄ってくる、避難所で夜に誰かが近寄ってくる。
こういったことが発生するのです。
大災害のもとで性犯罪から身を守るのは大変です。
共助の体制が整っていない場合は、尚更自分自身を守スキルが必要となってきます。
この「彼女を守る51の方法」を読んでみるのもオススメです。
上記のような都市災害で起こりうる事がマンガで読めるので想像がしやすいです。
人って怖いなと思います。
都市サバイバルの流れ
具体的に何が起こるのか考えてみます。
まずはリスクを割り出して、そこから対策を考えましょう。
内閣府の中央防災会議がまとめた、都市を大地震が襲った際に考えられるリスクです。
建築被害…建物被害、火災
屋外転倒物・落下物…ブロック塀・自動販売機の転倒
人的被害…暴徒化、性犯罪、デマ
ライフライン被害…上下水道、電力、通信、ガス
交通施設被害…道路、鉄道、港湾、空港
生活への影響…避難者、帰宅困難者、物資、医療機能、保険衛生、遺体処理
その他の被害として、エレベーター閉じ込め、危険物、堤防の決壊、行政への影響なども考えられます。
うーん、リスクが底無しに膨大すぎますね…。
しかし、心配はいりません。
実はこれらのリスクにはいちいち対策を立てる必要がないのです。
それは第一に、サバイバルには普遍的な原則があって、それを知っていればどんなリスクにも対応しやすくなるからです。
第二に、無数のリスクはバラバラに存在するのではなく、特定のシナリオに沿う形で発生する事が多いからです。
シナリオを事前にイメージする事は、極めて重要なプロセスです。
ひとつのリスクに対するシナリオを立てれば、他のリスクも含まれる事が多いからです。
そして最も重要な原則がもうひとつ。
それは楽観的であるということです。
研究によると、不思議とどんな状況でも、生き延びた人たちは楽観的で前向きであるという共通点があるのです。
生き延びるための原則
サバイバルはシナリオ作りです。
これは災害発生から生還までを時系列で考えたものです。
これは単にリスクと対策の組み合わせを集めたものでなく、それらの「流れ」である点がポイントです。
断水→飲料水の備蓄
これはシナリオの要素ではありますが、断片的です。抽象的な一般論になってしまってます。
机にもぐるのか、一刻も早く外に出た方がいいのか。
これは一般論ではカバーできない、個々人の特性や生活に合わせた「オーダーメイド」しかありえないという事です。
オーダーメイドのサバイバルプランを立てる前に、普遍的な原則を知っておきましょう。
まず、「危機の瞬間にはS.T.O.Pせよ」です。
- stop…止まる
- think…考える
- observe…観察する
- plan…計画する
サバイバルの基本として世界中で知られています。
まずはパニックにならず「じっとしろ」です。
これが出来ないと致命的です。
地震でパニックになり走り出したりすると、落下物や破壊された電線などの危険が回避出来ません。
津波などすぐに動かないといけないケースでも、訓練されたプロはほんの一瞬でもSTOPするそうです。
thinkでは、混乱している頭を落ち着かせます。
体と頭のSTOPは事実上のセットと考えましょう。
次は観察です。
落ち着いた状態でこそ状況観察は出来ます。
ここでのコツは、五感から情報を集める事です。
人間は視覚から多くの情報を得ます。
そして聴覚や嗅覚などの感覚も、視覚に引っ張られるそうです。
目の焦点を合わせず、視野全体をぼーっとみるようにすると、他の感覚もその広範囲視野に引っ張られて、広がっていくのです。
危機に際しては、断片でなく全体的な情報が必要なので、是非この方法を練習しておきましょう。
車の運転に感覚は近く、普段は広範囲の情報を集めて、標識などは視覚をギュッと寄せますよね。
そしてplanの計画です。
警護のプロの世界では、体を止めるstopから planまでは、7秒以内に完結させないといけないそうです。
訓練されていないと、7秒なんて「あわわ」と言って何も出来ないうちに過ぎてしまうでしょう。
なので事前準備が大切なのです。
日頃からしっかりとシナリオをイメージしているほど、素早く適切にplanがその場で生まれます。
前もってplanしておくべきなのは、「命の五要素」の確保です。
- 空気
- シェルター(体温保持)
- 水
- 火
- 食料
この5つを獲得、保持出来れば命を繋ぐことが出来ます。
これはタイムリミットが短い順でもあります。
空気は1分、体温は3時間、水は3日、火はケースによりけり、食料は3週間です。
体温は下がっていくと頭も体も働かなくなるので、実際にはタイムリミットはもっと短いと思われます。
水は「無しでも生きられる」時間であり、実際には24時間以内に入手すべきと言われてます。
火は暖をとったり、水を煮沸したり、灯りをもたらしたりしてくれます。
火は無くてもいいんじゃ?と思いがちですが、無いと人間はどんどん消耗していきます。
食べ物は一番余裕があります。
「食べ物が無くてもすぐには死なない」という知識があるだけでも、パニックに陥る事がなくなり、余裕が生まれるでしょう。
そして、「得る」よりも「守る」事が大切です。
食料を得る為に歩き回って、得られるカロリーより少なかったら死を早めるだけです。
得るリスクより動かずカロリー消費を抑える事も大切です。
体温を守るのは、「濡れない」「風に当たらない」「体温よりも温度が低いものに触れない」事が基本です。
「都市型災害を生き延びるサバイバルプラン」を読んでやってみた
準備してイメージして
実践してみたこと
- 防災グッズを買った
- 液状化現象について調べてみた
読んでるとやっぱり他人事には思えなくなって、防災グッズも買いました。
給水バッグや懐中電灯、簡易トイレなんかも入っています。
これにライターや乾パンとかを追加で入れておくと完璧です。
家族の人数分揃えておくと心強いですよ。
そして災害が起きた時の状況も調べることが出来ます。
僕は奈良に住んでて、大阪で仕事をしたりするんで、津波や液状化現象がどうなるのかについても調べました。
川の近辺も危険なんですね。
ここで被害に遭った時、奈良まで辿り着けるのか。
これが一番の心配です。
実際これを見ると結構厳しいな…。
もっと調べないといけないですね。
どうしても自分ごとで考えることが少ない災害ですが、イメージしておくことが大切です。
是非本で詳しく勉強しておいて下さいね。
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著書名 都市型災害を生き延びるサバイバルプラン
著者 川口拓
出版社 イースト・プレス