この本を読むと得られるもの
- ゲームは文化であると再認識できます
- 開発者のゲームにかける情熱をヒリヒリと感じることができます
- 今後のゲームの未来像も見えてきます
「ゲームに人生を捧げた男たち」こんな情熱を持って仕事をしたいと純粋に憧れる男たちのエナジー
何かを生み出す仕事って憧れる…ぜんじ
この本はゲームに深く関わる人にインタビューしたものをまとめたものです。
これらのインタビューは著者の石井ぜんじさんが主宰するゲーム系電子書籍「VE」に掲載されていたものです。
石井ぜんじさんの名前にピンと来た方は間違いなくレトロゲーマーでしょう。
伝説のアーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」の編集長だった方です。
石井さんはアドベンチャーゲームも好きなので、「VE」のvol.2ではアドベンチャーゲームのシナリオに関わるクリエイターにもインタビューされてます。
レトロゲームが遊べるゲームセンターの店長にもインタビューされてますし、レトロゲームを復刻する事業をされてる人にもお話を聞かれてるんです。
面白いのが最新のゲームにも影響を与えているAIの分野でも取材されています。
取材した中の一人は将棋騎士です。
棋士と将棋AIの関係は、未来のゲームプレイヤーとAIの関係を象徴していると考えておられるからなんです。
僕もかなりディープなレトロゲーマです。
実家には多分千本のレトロゲームがあります。一時期気が狂ったかのように買い漁っていたのです。
レトロゲームオフ会も楽しかったなあ…。
そんな個人的趣味全開の本を紹介するので楽しみです。
この本では、
- アーケードゲームを支えた男たち
- ゲームセンターに思い入れた男たち
- ゲームの中で物語を紡ぐ男たち
- 最新のAIからゲームを見つめる男たち
のテーマで8人の方のインタビューが収録されています。
興味のあるテーマばかりですが、その中から一部を要約したいと思います。
是非本でじっくり読んでみて欲しいです!
株式会社ハムスターは、「アーケードアーカイブス」というサービスを展開されてます。
これは当時のゲームセンターで活躍していたゲームを寸分違わないハイクオリティの移植をするものです。
プレステ4やXBoxOne、Switchで展開されてます。
インタビューが行われたのは2017年ではのべ97タイトルだったのですが、2020年ではなんと600タイトルを超える移植をされてます。
このある種狂人的とも言える移植ペースはなんなのでしょう?
濱田社長にインタビューです。
濱田社長にとって、アーケードゲームを移植しようとした原点は「スペースインベーダー」です。
流行していた時はちょうど小学生でした。
初めてゲームに触れた時はとても驚きました。
レバーを動かしたら画面の中のキャラも動く。こんな凄いものが世の中にはあるのか!
部活帰りに寄るゲームセンターが当時の唯一の楽しみでした。
当時はお金もないので、友達と交代して遊んでいきます。
1人がプレイしている間は後ろの10人もワイワイと一緒に楽しむのです。
めっちゃいい思い出。
当時憧れだった「グラディウス」を移植する時には特別な思いがありました。
なのでコインを入れるボタンをつけて、その時のクレジットを入れる興奮を再現されてます。
あまり遊べなかった当時がトラウマのようになっていて、今一生懸命に仕事をしている原動力となっているのです。
復刻ゲームの開発を続けていく難しさ
会社を軌道に乗せないといけないので、やりたい事だけやるわけにはいきません。
一番難しいのが収益性の部分です。
昔のタイトルを復刻するにもコストがかかります。
そのかかったコストに対して、なかなか高い値段が付けにくいのです。
昔のゲームなのでどうしても安く見られます。
2000円とか付けたいのですが、実際は823円一律です。
そしてプレイ人口です。
レトロゲーム世代はどうしてもゲーム離れが進んでいるのも事実です。
知名度のわりには、プレイする人が多くない。
そういう人たちは、今はゲームにアンテナを張っていないので、情報が届きにくいのです。
情報が届けば興味も持ってもらえるのでしょうが、なかなか届きません。
当時のプレイ人口に比べると、今でも買って遊んでくれる人は本当に絞られているのです。
そして思い出に合うクオリティも求められます。
全く同じように遊べるのが最低レベルのハードルになっています。
そのハードルがある意味めちゃめちゃ高いのです。
新しいゲームを作った方が楽なくらいなんです。
文化を残す使命感
当時創業されたゲームメーカーの社長さんたちが引退される時期になってきました。
当時40歳の社長でも今では70歳以上となられてるのです。
今この時期に、出来るだけ沢山のタイトルを復刻させないと、権利がどこにあるのか分からないタイトルが出てくる危険があります。
古いメーカーの場合、窓口が存在するのかもちゃんと調べないといけません。
しかし実際には、本当は出したいのだけれど難しいタイトルもあります。
昔は権利関係が緩かったので許されていたものが、今では許されないので復刻したくないというのもあるそうです。
例えば、背景に無断で描いてはいけないものを描いたりとか。
今なら修正すれば出せる、というものもあります。
しかし、修正すると、当時のユーザーからは「何でそんな改悪」と思ってしまうわけです。
僕だとPCエンジンの「リンダキューブ」がPSにリメイク移植された時、かなり表現が変わっていたのでがっかりしたものです。
それでも復刻出来ないくらいなら、修正してでも出せるうちに出したいという気持ちが濵田さんにはあるのです。
なので僕たちも「何でや」と批判的にならず、出してくれてありがとうの精神で受け入れましょう。
文化財であれ、作品であれ、時の流れで埋もれて消えていくものが沢山あります。
でも残そうと活動している人も沢山います。
本は基本的に昔から媒体としては変わりません。
しかし、ゲームはプラットフォームが変わります。昔のゲームを手に入れてもすぐには遊べません。
小説や映画に比べて、ゲームは昔の名作に気軽に触れることができないのです。
だからこそ、手をかけて残していく必要があるのです。
「ゲームに人生を捧げた男たち」を読んでやってみた
レトロゲーム愛を伝えたい
実践してみたこと
- 動画をアップしてみたい
レトロゲームを扱ったテレビ番組「東京エンカウント」があります。
この番組、大好きなんですよねー。
こんな感じでゲームを遊んで動画にしてみたい…!
実家には沢山のレトロゲームがあるのですが、さすがに引っ越しに持っていくのはつらい。
そんな折り、かのミニブームが起きたのです。
ファミコンミニから始まり、メガドライブにPCエンジン。
これから場所もとらないし、キャプチャーもやりやすい。
おまけに憧れだったあのプレミアゲームも遊べる。最強やん。
「あの頃のゲームは面白かった」とジジイのような事を言うつもりもありません。
ありえないくらいしょうもないゲームの方が多いくらいです。
ただ単純に酔っ払っても遊べる手軽さ、誰でもすぐに理解して遊べるとっつきやすさ。
職人魂を感じる作り込み。
その辺がレトロゲームの魅力なのです。
とりあえず動画にしてみようと思います。
今までずっとテレビも持っていなかったのですが、買いましたよ!
またレトロゲーム魂に火がついたらやばいなー(恍惚の表情)
とりあえずこの本を読んでやってみよう、な!
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