この本を読むと得られるもの
- 美しく文字を見せる技法がわかります
- 技法を組み合わせることで色々な文字を書く方法が学べます
- 漢字やひらがな、カタカナ全ての書き方がわかります
「理系の書道家が科学の視点で考えた誰でも字がうまくなるすごい方法」比率で美しさを科学する!
キタナイとかのレベルを超えて字が汚いです
「きれいな字」とは、自然法則に乗っ取った文字の美しさを、自然法則に乗っ取って作られた人間が、その美しさに共鳴して、「美しい!」と感じます。
元気な文字も美しいと思わせます。
元気な文字を書くことの要素で言えば「右上げ」につながります。
これを水平線や垂直線としっかり区別して文字を認識することが大切なんです。
書道家の名作は必ずこの水平線、垂直線、斜め線に、書家がそれぞれに独特な黄金比(自然法則)の関係を取り込んでいるんですって。
文字を構成する点や線に黄金比を考えることで、美しく魅力的になります。
この法則をわかりやすくする為に著者の岡部さんはこの本を書かれました。
僕の好きな書家は逢香さんです。
とにかく書が美しい…。
個展にお邪魔した時に買ったポートフォリオは家宝です。
こんな綺麗な字が書けなくても、少しは近づけるような文字になりたい!
日頃から憧れる書を眺めて、文字に興味に持って生活するとイメージは醸成されるそうです。
そこに必要な情報や技法を整理して、繰り返し練習することで、書く時に的確に使えるようになります。
この本では、
- 「美しさ」には理由がある
- 「きれいな字」に見せる技法
- ひらがなをきれいに書く
- カタカナをきれいに書く
- 漢数字「一」〜「十」と「永」をきれいに書く
- 漢字を部首別に解説する
- 日常生活やビジネスでよく使う文字
よし、この本を読んできれいな字が書ける様に練習しましょう!
美しさには黄金比があるのです
僕は字が絶望的にキタナイです。
周りから怒りを買うレベルです。
わざとじゃないんです。書きたくても書けないのです。
絵を描くのは割と得意なんやけどなあ…。
まずは正しいペンの持ち方と姿勢から始まります。
基本はなんでも姿勢からですね。
親指と中指でペンを挟み、人差し指を上に添えます。
力を入れすぎないように。
そして「黄金比」を理解しましょう。形から感じる美しさには構成比率があるのです。
自然が作った、なるべくしてなった形状があります。
その中に銀河や台風、オウムガイなどの渦巻きなどに見られる特徴が、私たち人間にも見られます。
これらの内から外へ螺旋状に渦を巻き広がる構造を「黄金比螺旋構造」といいます。
黄金比螺旋構造の曲線を数式で表したものは「フィボナッチ数列」と呼ばれます。
その黄金比とは1対1.618なんです。
他にも日本人が好む比率があります。
それは「白銀比」や「大和比」と言われるもので、1対1.414の比率です。
これらを踏まえて、2対3ぐらいの比率で心掛けて書けば、黄金比と白銀比の範囲内で納まります。
5×5のマス目に、漢字の「一」を書いてみましょう。
「元気な上に凸」の右上げで書きます。
全体の長さを5とすると、左の始筆部から3までは緩く上に凸になる円弧を書きます。
3を過ぎた所で円弧のカーブをきつくします。
そして残り2で終筆します。
この3、2、5がフィボナッチ数列の関係となります。
本には写真で解説されているので是非読んで下さい。
縦線の代表として緊勾を見てみます。緊勾とは縦線からの左跳ねですね。
縦線は大きな円に沿って筆を送るイメージです。
そこから小さな円に沿うように変えて微妙なうねりを表現するのです。
「三」のそれぞれの画は、三画を5とすると、一画は3.5で白銀比、二画は3で黄金比、一画と三画の間隔が3の黄金比になります。
一画は中心線の長さを同じにして、3対2の変曲点で右上へ反らせ仰勢とします。
二画は始筆部を一画と揃えて、一画と並行の右上げで直線にします。
三画は中心線の左右の長さを同じにして、3対2の変曲点で下へ反る右上げの伏勢です。
これまた本で写真を見てください。
一見簡単な「三」という漢字も、ここまで突き詰めることができるのか。
変曲点が重要なのがよくわかります。
きれいな字に見せる技はないの?
字が上手く書けない人に「こうすればいい」とアドバイスしても、なかなか上手くいきません。
僕も言われた事をやろうとするのですが出来ないのです。
これはその人自身がどう書くか決めてしまっているからで、上手く書こうと思ったら、今までのやり方をリセットする必要があるんです。
そんなのできるの?
いつもきれいな字を書く人がやってる事をやればいいのですが、どう変えるかは自分自身の問題になります。
きれいな字を書く人ってどんな事をやってるんやろ?
次のことは必ずやっているそうです。
- 文字をどんなものにどんな大きさで書くかを把握する
- 書こうとする文字に適用する技法と種類を選ぶ
- 前記をふまえた上で、点画ごとにペンをどこから始筆し、どこに終筆させるかを意識する
うーん、まずはどんな技法があるのか知らないと出来ないですね。
技法を知る所から始めましょう。
①俯仰法
さっきサラッと出てきた仰勢や伏勢。
これも技法の一種です。
仰勢…下へ凸に反る横線の呼称
平勢…真っ直ぐな横線の呼称
伏勢…上へ凸に反る横線の呼称
②分位法
文字の中に横画、縦画、斜画が隣り合って複数出現する場合、等間隔で配置することで安定します。
この分位法で発生する連続した空間(間隔)は一番下と一番右が他よりも小さくならなければ納まりも良くなります。
「冊」や「拝」、「多」などの感じが当てはまります。
③分離不白法
点画隔離法…それぞれの点画が極力離れるように配置する技法です。
「必」の3つの点とかですね。
打ち込み気品付与法…通常よりも打ち込みを少し長くしてしっかり見せることで、文字それぞれに気品を与えるのです。
「成」の左上が飛び出す感じです。
中央九升集中法…画数の多い文字や画数の少ないもじが多く集合した文字の時に使います。
5×5の25升の中心にある9個のマス目に強調しない点画を集中させて、そこから外に出た部分が強調されて見える技法です。
「樹」の文字は真ん中に寄せる感じかな。
④相譲相避法
お互いの点画がぶつからないように相互を避けるだけでなく、お互いの領域に入り込ませて結び付きを持たせます。
「林」だと左右の木の払いが避けて、潜り込んでるように書くのです。
⑤ハ法
「ハ」の2つの画を。中心線の上部の一点から左下と右下に同じ角度で書く技法です。
「小」だと真ん中の線の天辺から左右に同じ角度で点を書きます。
「無」だと左から二番目の点が垂直なのに対し、両端の…は「縦線3本のハ法」となり、左から三番目は文字の中心を目指した点になります。
「赤」だと左から三番目が垂直となり、その両端がハ法ですよね。
⑥関連法
「川」の場合、上の揃え方は漢字の「一」の曲線に沿わせます。
「即」の場合だと、偏と旁(へんとつくり)はそれぞれ一の曲線で上の線を書きます。
この他にも書き切れないくらいの技法が紹介されています。
お手本を見て、実際に書いて練習しましょう!
「理系の書道家が科学の視点で考えた誰でも字がうまくなるすごい方法」を読んでやってみた
これで俺も綺麗な字が書けるような気がする!
実践してみたこと
- 技法を意識して書いてみた
実際に「三」の文字を書いてみました。
教えを意識して書いたのですが10回は書き直しましたね…。
これだとまだまだ実用的ではありませんが、めげずに練習していきます。
どうでしょう?
線のかきはじの位置、伸ばす角度、線と線の間隔などを意識しました。
これが教えを意識せずに今まで通りに書いた文字です。
うん、確かに違うような気がする!
とりあえずこの本を読んでやってみよう、な!
関連記事 この投稿も読んでみよう!
書道や音楽などについても勉強したいな。今まで無縁だっただけに。
著書名 理系の書道家が科学の視点で考えた、誰でも字がうまくなるすごい方法
著者 岡部 修一、岡部 省三
出版社 KADOKAWA