
「タモリ学」皆に慕われる人間性、唯一無二の魅力の秘密に迫る!
この本を読むと得られるもの
タモリさんのアドリブについて学ぶことができます。
タモリさんの仕事に対する取り組み方が学べます。
タモリさんの人望の集め方を知ることが出来ます。
タモリさんめっちゃ好きなんですよねー。
ブラタモリもタモリ倶楽部も好きです。
2013年10月22日、火曜日。
「笑っていいとも!」のエンディングに笑福亭鶴瓶さんが乱入してタモリさんに問いただしました。
「いいとも終わるってほんま?」
それに対してタモリさんは「3月で終わる」と淡々と答えました。
観客はもちろん出演者も騒然とします。
なんとこの事を知っていたのは、タモリさん鶴瓶さんと司会の中居正広さんだけだったのです。
鶴瓶さんが知ったのは前日。タモリさんから直接「火曜日に発表するから来てくれ」と連絡があってそうです。
太田光さんはその日のラジオで「ムカついたんですよ、だって知らないんですもん。水臭いじゃないかと」と悲しむほど秘密にされていました。
タモリさんはめちゃめちゃ気配りの人です。
「27時間テレビ」の司会が決まった時も、半年前から「ちょっと太田いい?」と楽屋を訪ねて、太田さんに協力を要請しました。
いいとも終了時にはレギュラー陣の楽屋を尋ねて唐突の発表について謝罪しました。
「いいとも」の終了はタモリさんが決めました。リーダーの鶴瓶さんを乱入させたのもタモリさんの粋です。
ハプニング感を演出しながらも、なんでもない日にサラッと発表するのもタモリさんらしいです。
業界のみんなが愛するタモリさん。
そんなタモリさんをこの本では、
タモリにとって「いいとも」終了とは何か
タモリにとって「偽善」とは何か
タモリにとって「アドリブ」とは何か
タモリにとって「意味」とは何か
タモリにとって「言葉」とは何か
タモリにとって「家族」とは何か
タモリにとって「他者」とは何か
タモリにとって「エロス」とは何か
タモリにとって「仕事」とは何か
タモリにとって「希望」とは何か
タモリにとって「タモリ」とは何か
の項目で詳しく分析しています。
ここでは、タモさんのデビューのきっかけやアドリブ力の秘密について語っていきます。
もっとタモリさんを知りたい!って方は是非本で読んでくださいね。
タモリさんのデビューは1枚の扉から
タモリさんは予定調和が好きではありません。
結婚式などの式典は嫌いだし、テレビもリハーサルと同じ事を本番ではやりません。
タモリさんはジャズにハマったのも「わからなさ」でした。
即興で演奏するのが面白いんでしょうね。
デビューも衝撃的でした。
タモリさんがまだ会社勤めの頃、博多で山下洋輔さんと渡辺貞夫さんのジャズコンサートがありました。
タモリさんはライブ後に彼らと同じホテルの一室で友達と飲んでいました。
そして午前2時に帰ろうとホテルの廊下を歩いていると、どこからかドンチャン騒ぎしている声が聞こえてきました。
それが山下洋輔さんのバンドの部屋でした。
「ドア越しに聞いて、気が合うなと思ったんですよ。気がする合うから入ってもいいだろうと。で、ドアを開けようとしたら鍵も掛かってないんですよ」
中ではバンドの中村誠一さんが歌舞伎のマネを演じていました。
そこにタモリさんも歌舞伎の口調で「この世の〜」と小躍りで入って行きました。
タモさんすげえ!
中村さんとしばらく踊り続けますが、我に返った中村さんがタモリさんにまくりたてます。それもでたらめ韓国語で。
するとタモリさんはその3倍の勢いで同じ言葉を喋り出したのです。
中村さんが対抗して中国語に切り替えると、タモリさんも5倍の中国語で。
フランス語にもフランス語で。
すでにメンバーは抱腹絶倒です。
散々騒いだあと、中村さんが「お前誰だ」と聞くと「森田です」と言って帰っていったのです。
この出会いに衝撃を受けた山下さんは、各地のシャスバーで「森田って奴がすごい」と言って回りました。
それにより「伝説の森田を呼ぶ会」が結成されたのです。
あの日のホテルはジャズ関係者ばかりだったので、博多のジャズ喫茶で聴き込み開始。
そしてなんとタモリさんを発見。
「森田を呼ぶ会」から東京行きの新幹線が渡されたのです。
タモリさんは「あのドアを開けると開けないとじゃ、人生が変わっていた」と振り返ります。
しかもまだ話は続くんです。
タモリさんがバーで芸を披露しているところに赤塚不二夫さんが入ってくるのです。
赤塚さんはタモリさんをえらく気に入り、東京に残ってお笑いの世界を勧めます。
自分のラジオに呼んで、部屋も自分のマンションに住み込ませました。
タモリさんはこの時結婚もされてます。
9ヶ月も赤塚先生のところで贅沢居候で暮らしたあと、奥さんも呼んで2人で居候を続けます。
赤塚先生はタモリさんの才能に惚れ込んだんですね。
タモリさんは才能について
「才能っていうと偉そうに聞こえるが、持って生まれたものです。努力して勝ち得たものではないから、あまり価値はない」
という考えを持っています。
しかしすごいなあ。引っ込み思案で何も行動しないとほんと何も変わりません。
たった一つの行動、一見奇行ながらも人を惹きつける。
相手のリクエストに軽やかにアドリブを返すその感性は素晴らしいですよね。
赤塚不二夫さんの葬儀には、タモリさんが弔辞を読みました。
思い出を振り返りながら、赤塚先生の哲学を完璧な言葉で8分にわたり読み上げたのです。
これも実はアドリブでした。手にしていた紙には何も書かれてなかったのです。
「紙に書いていこうとしたが面倒になった。赤塚さんならギャグでいこうと白紙を読む勧進帳でやる事にした」
これこそまさにタモリさんの究極のアドリブ芸です。
感極まって言葉に詰まりながらも、タモリさんは最後に白紙を折りたたみました。
「タモリ学」を読んでやってみた
タモリさんの哲学を
実践してみた3つのこと
- チャンスには前のめりで行くことにしてみた
- 仕事を遊びにしてみた
- 全部を自分でやらないように心がけてみた
-
チャンスには前のめりで行くことにしてみた
タモさんは「いいとも」は3ヶ月ぐらいで終わると乗り気でないながら引き受けました。
消極的ですが、この出演を決断した事がタモさんを大きく飛躍させましたよね。
「仕事って面白いもんで、自分が『このくらいのチカラがあって、もっと力を付けたいんだけれども、この辺くらいに行った時にちょうどこの仕事が来るといいな』と思ってたら来ないんだよ。
あれ、絶対(実力が備わる)前の段階で来るんだ。
で、そこでひるんだらココまでまた行けないんだよね」
そうですよね、飛躍のチャンスってちょっとヤバイかなってぐらいの気持ちの時に来るんですよね。
僕も今ちょうど物件の紹介があって、出来るかなって感じです。
まだ物件は見せてもらってないんですが、前のめりに検討しないといけないですね。
また、タモリさんにAKBのメンバーから「どうしたら緊張しなくなりますか?」の質問に、「ありません!」と即答してます。
そしてこうも言いました。
「緊張できるような仕事ができてるっていうことを幸せに思う事ですね」
でも一方で、
「おれ、自分で苦労したって思ったことないよ。やる気になって仕事をしたことないし。
生活が変わる時って、いつも誰かが『こういう仕事あるんだけどどう?』って声をかけて掛けてくれたんです。その流れに身を任せてきただけ」
苦労をしたことないって言い切れるのが凄いですよね。
どんな気持ちで向かい合ってるんやろう?
流れに身をまかすのも、大きな決断を自然体で決定しているとも言えそうです。
-
仕事を遊びにしてみた
タモさんは「仕事を遊びにした」と評されています。
キンコン西野さんと飲んだ時も、「仕事の遅刻は百歩譲っても、遊びの遅刻は許せない」と言ってたそうです。
タモリ倶楽部とか、ほんと自然体でたのしんでるなーって感じしますもんね。
特に電車の回とか。
ちなみに、キンコン西野さんに「絵を描け」とアドバイスしたのはタモリさんです。
あとはブラタモリで存分に発揮されてる知性ですよね。
タモリさんは知性について、
「知性ってのは、知識や教養があるのはもちろんだけど、それを自由に使いこなせるのが大事なんだ。
自由に駆使し、遊んで回ってる、精神的に子供っぽい人。
見てても、なんであんな年齢の人が、あんなに可愛いんだろうと思える人が最高に知的」
と仰ってます。
遊びを仕事ではなく、仕事を遊びに、か。
-
全部を自分でやらないように心がけてみた
番組に対しても、
「社長が営業から広報までやるようじゃダメでしょ。全部自分でやらないで、下にやらせて楽をする。
これが組織をデカくする近道」
と仰ってます。深いわあ。
なるほどね、芸人ってとにかく前に行きたがるけど、そこがタモリさんの凄いところなんですね。
この本を読んでて、とにかく深い言葉ばかり出てきてビックリしました。
すごい細かい取材されてるし、めちゃめちゃおもしろいです
オススメの本です。是非読んでみて下さいね。
関連記事 この投稿も読んでみよう!
タモさんってまさに人たらしの人だと思う。
著書名 タモリ学 タモリにとってタモリとは何か?
著者 戸部田誠(てれびのスキマ)
出版社 イースト・プレス
