この本を読むと得られるもの
BASiCSという強力なフレームワークの使い方がわかります。
一貫性のある美しい経営戦略が描けます。
戦略の重要性が理解できます。
これぞ究極の戦略!衝撃の結末に感動「新人OL、社長になって会社を立て直す」
美しい戦略は進化する!
以前に紹介した「新人OL、つぶれかけの会社をまかされる」
非常に面白い本でした。
今回はその続編を紹介します!これも役に立ったんよなあ。
前回の主人公「真子」は別会社となった「そーれ・しちりあーの」の社長になっております。急展開にびっくり。
しかし近くにできた競合店のおかげで現在店の売り上げは右肩下がり。
どのようにして会社を立て直すのでしょうか?
真子は会社の社長です。社長の仕事とはなんでしょう?
ズバリ、社長の仕事は戦略を考える事です。
真子は品質勝負の商品で割引チラシを配るという戦略を取ってしまいました。
親会社社長の広岡にそのことを指摘されます。
「戦略を考えるのは社長の一番大事な仕事と言っていい。売上なんかより君に戦略がないということの方が心配だ」
さらに進化した経営戦略を見てみよう
前作でもありました5つの軸で考える経営戦略。
今回はさらに進化して「BASiCS(ベーシックス)戦略」として進化しております。
その5つとは、
戦場・競合(battlefield)
独自資源(asset)
強み(strength)
顧客(customer)
メッセージ(selling message)
です。それぞれの頭文字をとってBASiCSです。そうやって覚えてくださいね。
戦場、競合とは?
本当の競合とは、自社商品が無かった時の選択肢です。
ハンバーガーを食べに行ったけど、隣の牛丼屋に入ったら、牛丼屋が競合です。
戦場は「同じ価値」を満たす選択肢の集合体のことです。商圏ももちろん戦場です。
パン屋の戦場はパン屋だけではありません。テイクアウトが戦場であり、お茶する場所も戦場です。
お客様は自社製品がなかったらどうするのか?どこへ行くのか?そこから考えます。
強み、独自資源とは?
強みはお客様が競合ではなく自社をえらぶ理由です。
「安い」「美味しい」といった短絡的なものでなく、誰にとって、誰と比べて、がポイントです。万人に受ける強みは強みでないです。
独自資源は「強みを競合がマネ出来ない理由」です。
安い!もただ安いだけだと誰でも出来ます。安い秘密の原因となる資源が必要です。
ハード資源だと、設備、店舗、土地とかですね。
ソフト資源だと、ノウハウ、企業文化、プロセスとかになります。
独自資源の蓄積は数年がかりです。目標を定めてここを強化するのが必勝パターンです。
顧客とは?
とにかく具体的にイメージする事です。生活しているレベルで具体的にです。
顧客と強みの一貫性は重要になります。戦略BASiCSで大切なのは一貫性です。
お付き合いしたいお客様と相思相愛の関係を作るのが戦略です。お客様が自分の強みを理解してくれる。
お客様の言葉で考えることが大切。
メッセージとは?
ここまでの4要素をまとめたもの。基本的に強みを伝えるものです。
3つの差別化軸で定義します。
手軽軸、商品軸、密着軸。
これは前作で詳しく話してるので、そちらを見てくださいね。
広告、従業員、ユニフォーム、メニュー、店構え、BGMなど顧客の触れるもの全てがメッセージです。一貫性です。
競合にも当てはまるメッセージは、強みではありません。
「何をして何をしないか」という事業領域を決めて全ての行動を統括します。
売れる仕組みを考える
戦略は数字に落とし込むと組織が動き出す
真子も戦略が固まってきました。
次はどんな数字を達成するか決めるのも社長の役割です。
戦略を考えたら数字に落とし込みます。
成果を出すには、戦略→数字→実行→評価の「戦略サイクル」を回す事が重要です。
数値化しない経営は、暗闇をナビもライトもなく走る車のようなものです。事故ります。
どんな数値目標を設定するかは戦略により変わります。
戦略を数値化したら、その数値の改善を立案、実施する事で戦略が実行されます。
実行したら効果を測定します。その分析には定量分析と定性分析を交互に行い、定量と定性のやりとりをするのです。
売上を上げる5原則
売上とは「客数×客単価」です。しかしこれだと打ち手がはっきりせずイマイチです。
分解して考えましょう。
客数(新規顧客の獲得+既存顧客の維持)×客単価(購買頻度の向上+購買点数の増加+商品単価の向上)としてみましょう。
既存客の維持は、一定期間で区切り、次の期間でも来てもらえる施策が必要です。
購買頻度の向上は、この期間内に1回でも多く買ってもらう施策です。
数字を共通言語にすると、人事評価や給与とも連動が出来る様になります。この数字を組織の目標とすると、組織が勝手に動き出します。
しかし、仮に注文数を評価基準にすると、単価を下げてでも数を増やしてしまいます。
これはまずいので、従業員の行動を最適化する戦略指標を考える必要があります。
戦略の一貫性と、仕組みで実行できる具体性。
数字を使えばカリスマリーダーでなくても組織を引っ張れるのです。
実際に真子はどんな戦略BASiCSを打ち出すのか?それは本を読んでのお楽しみです!
マインドフローでお客様のハートをキャッチ!
しかし、またもや新しい競合店が!
今度はこちらの戦略BASiCSをコピーした競合店です!
メニューも企画もマネしてきます。
ん?簡単にマネされるのは独自資源がないからじゃなかったっけ?
独自資源を作るために、戦略を考え、数値目標を設定し、実行するところまで来ました。
実行するにあたり役に立つのが「マインドフロー」です。
マインドフローとはお客様をファンに変えていくフローです。
認知→興味→行動→比較→購買→利用→愛情
この流れでお客様は「知る→買う→使う→気に入る」のプロセスを経て、自社のファンになってくれます。
どこでお客様が止まっているのかでするべき事が変わります。
使うところで止まっているのに、チラシをバンバン打っても意味ありません。
もちろんどこが関門になってるかは、数値化で調べます。
マインドフローでは後ろから優先的に施策します。そうするとマイナスの評価が付かない、費用対効果が高いなどの利点があります。
マインドフローに合わせた商品の流れがプロダクトフローです。
あげる商品、売れる商品、売りたい商品の軸で考えます。
スイーツのお店だと、「食べ歩きの商品」からの「お土産の商品」からの「料理教室の会員」みたいな流れです。
これはこの本でも詳しくされてるのでチェックしてください。
「新人OL、社長になって会社を立て直す」を読んでやってみた
これをこねくり回して商売を考えるのじゃ
すごい便利ですよね、戦略BASiCS。
自分に照らし合わせ考えると2時間ぐらいあっという間に過ぎてしまいます。
これも新店の戦略を考えるときに大いに役に立ちました。
これを使って説明してるだけで、みんな興奮してきてアイデアがバンバン出てくるのです。
もちろん戦略に則って。
お客様にとって大事なのは、自分にとってどう嬉しいかの一点のみ。
いかに気持ち良くなってもらうか。
この続編ももちろん最後は真子のすっごい戦略が披露されます。
その衝撃は前回以上!
是非読んで感嘆の声をあげてほしいです。
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数々のフレームワークが理解出来る本です。
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著者 佐藤義典
出版社 青春出版社