大前研一さんが提言!「世界の潮流2020〜21」コロナ後はこうなる!
さすが大前研一さん。ドンドン切り込みます
この本を読むと得られるもの
今後の世界情勢が非常によくわかります。
コロナ後の世界経済についての予想が出来ます。
日本初どのような政策を取るべきか見えてきます。
早くも大前研一さんが「新型コロナウイルスで世界がどう変わったのか、今後どうなるのか」について解説してくれます。
2020年6月現在、閉まっていたお店は営業を再開し、人の往来も増えるなど以前の姿に戻りつつあります。
新型コロナウイルス(以下コロナ)は、2020年初頭に中国の武漢で発生し、瞬く間に世界全体に広がりました。
4月時点での世界の感染者数は260万人、死者は18万人を超えています。
世界中の店舗や工場は閉鎖され、各国は外国人の入国を禁止しました。
世界規模で人的交流やサプライチェーンがストップしたことで、世界経済は大きく変化しました。
相手はウイルスなので、今後どうなるかも予想つきません。
大前研一さんは、物理学者の視点に基づき、世界の政治経済のトレンドについて分析されました。
数値を精査するとやはり世界経済は減速傾向にあるそうです。
特に大きな問題は米中貿易戦争です。中東情勢やイギリスのブレグジット、香港問題なども要因になってます。
世界の分断化も大きな問題です。
「自国第一主義」と「ポピュリズム」が世界に広がりつつあったのが、コロナによってさらに国民国家を分断してしまいました。
日本は今こそ台頭する時ですが、むしろ遅れをとっています。
世界の企業時価総額では、最高位がトヨタの42位という厳しい状況です。
このままだとかつてのスペインやポルトガルのように沈んでいくでしょう。
そんな中で打つ手として大前さんは「クオリティ国家」を提唱されてます。
どんな秘策なんかな?
現代はどんなビジネスも、必ず世界と繋がっています。
世界の潮流を把握出来ないと戦略も立てれません。
この本では、
世界経済の動向
世界情勢の動向
21世紀のあるべき姿
日本の動向
日本はどうすればいいのか?
の項目で書かれています。
ここでは、世界経済の情勢をサラッと学習して、日本が取るべき政策についても要約していきます。
もちろん本文ではサラッとではなくガッツリと語られてるので、是非読んで下さいね。
21世紀のあるべき姿
世界は今どうなっているのか?
気候変動、海洋プラスチックごみ、巨大IT企業に対する課税などなど、地球規模で取り組まないといけない問題が山積みになってきました。
でも国際会議では何も決まらない事ばかりです。
これは国連常任理事国が拒否権を持っているからです。これは構造の欠陥です。
GAFAのようなITグローバル企業にとって、国境はほとんど意味がありません。
稼いだ利益をタックスヘイブンなどに移すことで租税を回避しています。
この問題に対し、各国はグローバルIT企業に「デジタル課税」という形で対抗策を打ち出しました。
しかし、国ごとの個別交渉において、デジタル課税に対する抜本的な問題は解決されていません。
OECDは超過利益を国別の売り上げに応じて各国で分け合うという提案をしています。
基軸通貨問題もあります
アメリカドルの基軸通貨問題もあります。
トランプ大統領が情報発信を始めてから、米ドルの価値が乱高下し始めたのです。
さらにアメリカのイランへの制裁として、ドル決済システムを使ったのも大きいです。
イランの銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)の国際送金網から遮断したのです。
SWIFTはアメリカの強い影響下にあります。
近年では、ブロックチェーンを使ったデジタル通貨の発行や、新たな交際決済システムの構築が急速に進み始めています。
代表的なデジタル通貨は、Facebookのリブラ、中国のデジタル人民元、欧州中央銀行のデジタルユーロの3つがあります。
世界は分断されている
第二次世界大戦以後、世界は連携、協調の道を歩み始めました。それがEUの創設にも繋がっています。
しかし世界は現在、理想とは真逆の動きをしています。
まずは国家主権を掲げれば何をやっても良い。だがその考え方は間違っていると大前さんは強く仰ってます。
国民国家の還元を制限し、「人間(人権)」と「環境」を中心とした世界に作り替えるのだ。
大前さんに世界大統領になって欲しいぜ。
日本の動向
日本は高度成長期で得た経済力のおかげで、経済大国としての春を謳歌しました。
当時はグローバル企業の時価総額でも、なんとトップ10に日本企業が8社も入ってたんです。
日本経済が落ちてしまった原因のひとつが少子高齢化です。
高齢化率は現在28.4%です。
ここまで落ちると、普通は政治に対して暴動が起きますが、日本では起きません。
しかし国民が耐えても、国力は確実に低下していきます。
外から見ると、老人が静かに息を引き取っていくような感じでしょう。
今の日本は、個人金融資産の大きい成熟国なので、為替は円高に振れた方が好ましいです。
円高になるとインバウンドの目標4000万人は半減するでしょう。8兆円が4兆円に減る試算です。
ですが、購買力平価で為替レートを算出すると、1ドルは67.9円になります。
日本の個人資産は1800兆円なので、これに当てはめると約3000兆円の購買力になるのです。
インバウンドが減ろうが、4兆円なんて何のダメージにもなりません。
日本は今後どうしていけばいいの?
大きな問題である日本と中国の関係にも迫ってみましょう。
中国4000年の歴史において、中国の経済規模はほとんどの時代で世界最大でした。
大半の時代では中国のGDPは日本の10倍もあったのです!
一時は日本の九州レベルまで中国のGDPは下がりましたが、現在では日本の2.5倍です。
この長期的な歴史認識を持たなければなりません。
大前さんの考えでは、中国を徹底利用する「クオリティ国家」を目指そうと提唱されてます。
世界には大国の近くでクオリティ国家として栄えている国は沢山あります。
カナダ人の頭にあるのは、アメリカをどう利用するかだけです。
スイスもデンマークもドイツを最大限利用しています。
日本企業は、スウェーデンの企業だけどドイツを最大の市場にしているH&Mをお手本にすればいいのです。
税金頼みの国策も限度があります。地方都市や企業が直接海外と繋がる必要があります。
これには2つのモデルがあります。
ひとつが都市国家モデルです。
イタリアのトスカーナ、パルマ、モデナなどの自治体は政府に頼らず、自分たちで世界を相手に商売しています。
もうひとつが、メガリージョンです。
シリコンバレーや中国の深センのように都市単位で世界からヒトモノカネを呼び込んで繁栄を築くのです。
ただし日本には地方自治権が存在しない為、これが一番のネックになります。
「世界の潮流2020〜21」を読んでやってみた
結局はヒトなのだ
日本の最大の問題は「人」です。
少子高齢化で労働人口が少ないのはもちろんですが、質も悪いのです。
AIなどの先端分野で戦う世界企業はありません。
世界に出て行くコミュニケーション力もありません。
日本の労働生産性はG7で最下位なのです。
大前さんはSTEM教育が必要と言ってます。
…申し訳ない、それなんですか…?
STEM教育とは、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マスマティックスのこと。
つまり、科学、先端技術、工学技術、数学のことです。
うーん、どれも無理。学校でもやってないわ。
シンガポールはここに力を入れていて、科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーの三分野で世界トップなんですって。
やっぱり今伸びてる国はそうなのね。
よし、この分野の勉強をしよう。
いい本を見つけたらここでも紹介していきます。
皆さんもいいの見つけたら、Twitterとかで教えて下さいね。
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著書名 「世界の潮流2020〜21」
著者 大前研一
出版社