なぜあなたの仕事は終わらないのか

ロケットスタートで仕事は変わる!「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」

やりたい事は全部出来る時間術

著者の中島聡さんは、Windows95の開発に携われた有名プログラマーです。

なくてはならない「ドラッグ&ドロップ」などの機能を作られたのです。

 

中島さんは「世界を変える発明」は、時間を制する事で誰でも生み出せる、と仰ってます。

 

29歳でアメリカのマイクロソフトで働いていた時の事。

中島さんはめちゃくちゃ脅威を感じてました。

アメリカのプログラマー達が絵に描いたように優秀だったからです。

 

朝早くからバリバリ仕事をこなし、夕方には颯爽と帰路に着く。

なんじゃこいつらと思った中島さんは、負けない為に時間の効率を徹底的に改善されました。

 

人の能力がいきなりアップする事はありません。ならば時間の使い方を突き詰めるしかない。

時間を制するものが世界を制している。社長のビル・ゲイツこそまさにそういう人でした。

 

中島さんが開発した時間術は名付けて「ロケットスタート時間術」です。

ゲーテは言いました。

「知ることだけでは十分でない。それを使わないといけない。やる気だけでは十分ではない。実行しないといけない」

あなたもロケットスタート時間術をやってみましょう!

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか?

締め切り間際にラストスパートで仕事を終わらせる人を「ラストスパート志向」と言います。

ラストスパート志向は、仕事をする上で最も避けるべきことです。

 

日本の社会人は夜遅くまで働いています。

一方、朝早くから働くのがアメリカの社会人です。アメリカ人は7時頃から18時頃まで働きます。

 

日本では、みんなの視線がある中で仕事を頑張ってれば高く評価されるからです。これが日本の良くないところです。

会社を重視しすぎるあまり、仕事の効率が落ちているのが日本の現状です。

「億万長者のすごい習慣」を学んであなたも2.5%の人間になろう!

 

「余裕を持っておけば良かった」の行動経済学

ある病院では、手術室が足りない事で悩んでいました。医者は十分いるのに、手術室が足りないのです。

そんな時どのような対策を取ればいいでしょうか。

  • 医師の残業を増やす。同じ医者が手術出来る患者の数が増えます。
  • 手術室を増やす。同じ時間で手術出来る患者の数が増えます。

 

しかし、この場合有効な選択肢は

「手術室を常に一つ空けておく」

です。使える手術室を減らす事で、逆に手術の回数が増えたのです。

 

「持っておけば良かった…」と後悔する余裕の事を心理学では「スラック」と言います。

スラックを持てない人とは、睡眠不足であったり、それによって仕事に不安を抱えている人です。

スラックがない状況が慢性的に続くと、人は生産効率がどんどん落ちていきます。

多くの研究では、一晩徹夜すると業務遂行能力は「学習障害かある場合と同程度まで低下する」とわかっています。

睡眠不足はヤバい!

 

上記の病院では、空けておいた病室で急患を診ることで他の手術のスケジュールを乱すことなく、急患の対応も効率的に行う事ができるようになりました。

医師も手術のスケジュールがずれ込む事による睡眠不足が解消されました。

 

仕事が終わらない理由は大きく3つに集約されます

  1. 安請け合いをしてしまう
  2. ギリギリまでやらない
  3. 計画の見積もりをしない

 

1は、実際に仕事に手をつけて、難しい箇所からある程度こなしてみて出来るかどうかの判断をします。そこからスケジューリングしていきます。

終わりそうもないなら、すぐに報告すればいいのです。愚直に進めて間際に報告する方が最悪です。

 

2は、先程の病院の例です。締め切り直前は意識のノイズが多く、能力が低下します。

 

3は、思いつきで仕事をしないという事です。仕様変更は初期の段階でやります。

 

アプリのアップデートと同じです。最初から100%のものなんて出来ません。

まずは締め切りを守って80%を作り上げてから、質を上げていけばいいのです。

 

「孫子」の中にも「兵は拙速を尊ぶ」という言葉があります。

「拙い戦法でも素早く進軍した方が戦いに勝つ」という意味です。

 

ビル・ゲイツの時間管理

ビルは待ち合わせや締め切りに非常に厳しいです。

特に論理的に言い訳する人を嫌います。

 

あるパーティーに、あなたに花束を届ける様にビルが依頼したとします。

しかし当日、大雪で配達が遅れると連絡がありました。その旨をビルに伝えるとビルは激怒するでしょう。

 

あなたに命じられた任務は花を用意する事で、間に合うように花屋に注文することではありません。

あなたは花を用意する為に雇われているのです。

 

であれば、用意出来なければ如何なる理由もあなたの怠慢です。あらゆる手段で遂行しなくてはいけません。

逆に花が用意出来れば、昼寝をしててもいいのです。

 

ビルが参加するプレゼン会議では、発表者が発表する時間は設けられません。

ビルがいうプレゼン会議とは、発表者との質疑応答の時間の事を指します。

 

資料は前もって送り、当日は質問を受けるだけです。

これは究極の効率化です。

会議室に入っていきなり「3ページ目の開発は、ほかのチームがやってるけど知らなかったのか?」と鋭すぎの突っ込みが入ります。

そして会議は最長で30分と決められています。

 

ビル・ゲイツはとにかく仕事の効率化を図っています。

明暗を分ける大きな決断も数分でします。

大金持ちになった成功の秘密は、間違いなく時間の使い方も一端であります。

ラファエルの鉄則「秒で決めろ!秒で動け!」全ては決断力

 

「結局時間を制するとどんなメリットがあるの?」

次の3点に集約されます。

  1. リスクを測定できる
  2. 目に見える形のもの(プロトタイプ)を作ることが出来る
  3. 誤差に対応できる

 

今すぐ実践!ロケットスタート仕事術

では、実際に「これ10日でやっといて」という仕事を振られた場合、どうすればいいんでしょう?

 

大切なのは「締め切りは絶対に守る」という前提です。

  1. 「まずはどのくらい掛かるかやってみるので、スケジュールの割り出しに2日下さい」と答え、取り掛かる
  2. その2日をロケットスタート期間として使い、2日間で「ほぼ完成」までもっていく
  3. 万が一、その2日で「ほぼ完成」まで持っていけなかった場合、危機的状況と認識してスケジュールの見直しを交渉する

 

まず、1ですが、「締め切りは絶対に守るもの」という認識があれば何も考えずに「10日でやります」という回答は出来ないはずです。

指定された期間の2割を見積もり期間としてもらい、「猛烈に」仕事に取り掛かります。

その間に8割出来れば「10日でやります」と伝えます。

もしそこまで至らなければ10日は相当難しいです。

 

前述したように、仕事が終わらない原因の9割が「ラストスパート志向」です。

とにかくロケットスタートに集中します。

 

そして可能な限りのリスクを排除します。

メールなど不意に時間を取られるものは全てシャットダウンします。

2日間ぐらいなら返事を無視してもなんとか修復できます!

普段の仕事の合間にやってしまう散歩やコーヒーもしません。

まさに界王拳。

 

ロケットスタートは、考えてから手を動かすのではなく、手を動かしながら考えます。

崖から飛び降りながら飛行機を組み立てるのです。

この段階で「まだ2割しか時間を使っていないから大丈夫」と思うのは大間違いです。

 

逆に完成まで8割方完成していれば、残りの2割の「完成まで持っていく」仕事を8日間かけてゆったりと行います。

仕事は最速で終わらせてはいけません。

仕事を早く終わらせるよりも、仕事を安定して続けることを意識すべきです。

いつも全力を出していると、真の実力を発揮できなくなります。

 

結果焦って仕事をしていた時よりも早く、しかも高い完成度で終わるようになります。

仕事の提出を前倒しするのではありません。取り掛かりの時期を前倒しするのです。

 

余裕があれば、その期間に次の仕事の準備を進めたりします。

完璧なスラックが手に入ります!

 

界王拳を使ってメールを返す必要があるか

集中力を上げるのにもう一つ必要なのが、マルチタスクを放棄することです。

マルチタスクこそ仕事が進まない理由の最たるものです。

メンタリストDaiGoさんに学ぶ心理学からの「倒れない計画術」

 

メールの返信が早い人は重宝されます。

しかしメールの返事が早くても、メインの仕事が遅いと評価は高くありません。

大事なのは、「あなたの仕事はメールを素早く返信することではなく、仕事を終わらせる事」であります。

界王拳を使っている間は、絶対にマルチタスクはしません。

メールは界王拳を使う仕事ではないからです。

 

眠たくなったらすぐ仮眠を取りましょう。1日3回とかでも構いません。

1回は15分程度にします。

これだけで驚くほど効率はアップします。

脳内物質をコントロールすると能力もコントロール!「脳を最適化すれば能力は2倍になる」

 

「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」を読んでやってみた

まさに「ラストスパート志向」でした…

ロケットスタート時間術、いいですね!

僕は今までは完全にラストスパート人間でした。

 

これは1日の仕事でも言えますよね。

朝にはグワーッと集中して、その日にやるべき大切な事の大半を終わらす。

夕方からは流しで軽くやっていく。

これ理想形。

 

長期のスパンの仕事も、期間を分割してやっていきます。

1年スパンの仕事を2ヶ月界王拳とか無理ですからね…。

 

そしてマルチタスクは絶対にしない。

その為に一日を分けて考えてやります。

この作業も朝7時から奈良公園にやってきて集中してやってます。

 

必ずやるべきは、夜寝る前に、明日やる事のタスクリストを作る事です。

スケジュールに落とし込んでます。

これは「絶対必要」ですよ。

じゃないと、一日の8割の確認作業が出来ません。

最初の2割で8割出来るように頑張りましょう!

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著書名 なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

著者 中島 聡

出版社 文響社