チーズはどこに消えた?の続編「迷路の外には何がある?」道を歩み出した貴方へ
今回もとことん考えさせられる名作です
この本を読むと得られるもの
- 自分を縛っているのは自分の信念ではないかと考えれます
- 何もないと思っているからそれが真実になっているのではと疑うことができます
- それしかないと考えている自分を見つめ直すことができます
想像力は知識よりも大事だ。
知識には限りがある。想像力は万物を包み込む。
アルバート・アインシュタイン
名著「チーズはどこに消えた?」は人生の困難に立ち向かう為の知識と勇気を与えてくれました。
変化を恐れてはいけない。変化に適応することが最適な選択である事を僕は学べました。
え?「チーズはどこに消えた?」には続編があるの?
知ってました?
この続編「迷路の外には何がある?」には、その変化の道を歩み出した人へのお話だそうです。
なんと!それは読まなきゃ。
旅立ったヘムとホーってどうなったの?めっちゃ成功したとか?
冒頭では前回と同じく物語を読んだメンバーのディスカッションが行われています。
「変化に対応しないといけないのはよくわかった。でも具体的にはどうすればいいんだろう?」
「チーズと一緒に動きたいけど、チーズはどこに行ったのかさっぱりわからない」
色んな意見が飛び交う中で、みんなが気になる一言が。
「ヘムはどうなったんでしょう?」
確かに。ヘムは飛び出すことが出来ずに部屋に座り込んだままです。
僕も含め、多くの人がヘムに親近感を覚え、実際にヘムにような行動をとっているでしょう。
この本では、
- セミナー
- もともとの物語「チーズはどこへ消えた?」
- 新しい物語 その後、起こったことは…
- ディスカッション
の項目で、ヘムのその後について語られています。
ヘムは果たしてどうなるのか?明るい未来にたどり着くのか?
ここではざっくりと概要をお話しします。
是非本でじっくりじっくり考え込んで、思いを馳せながら読み込んでください。
迷路の外?そんな世界は存在しないよ!
ホーが新しいチーズのかけらを持ってきてくれたあの日。
ヘムが新しいチーズを拒絶し、ホーがガッガリして立ち去ったあの姿がホーを見た最後でした。
ヘムは何日もステーションCにこもり、あれこれ思い悩み、イライラしていました。
今なお毎日チーズはまた現れるのではと期待しては、そうならないことが信じられません。
ホーは裏切った。チーズがなくなったことにも、自分はなにもできそうもない事にも苛立ってました。
「こんなあんまりだ!」
でもふと考え込むとあれこれ心配にもなります。
ホーは道に迷ってるんじゃ?もしかしたらケガしてるのかも。
しばらくすると別の考えも浮かんできます。
「なぜホーと一緒に行かなかったんだろう」
そうすればホーがケガすることもなかったし、一緒にチーズ食べれただろう。
床を歩きまわっていると、なにかにつまずきました。
ホーと一緒に迷路を掘り進んでチーズを探していた時に使っていたノミでした。
今はホーもチーズもなくなりました。
お腹も空いています。このままじゃいけない。迷路に出て行ってチーズを探さなきゃ。
チーズを探さないと、このままじゃ死んでしまいます。
迷路は危険なのでうんと注意しないといけません。
生き延びたいなら自分でやり遂げないといけないのだ。
ヘムは目下の目標が決まりホッとしました。
ヘムはハンマーとノミを持って迷路へと踏みしました。
ヘムは迷路のあちこちを探し回ります。
時々暗がりに行き当たります。そんな時はすぐさま引き返しました。絶対に道に迷いたくありません。
部屋を覗きこんで、暗がりにレンガの壁があるだけだとわかると、急いで別の道を急ぎました。
あちこちでホーが残してくれたメモをみつけますが、空腹で疲れ果ててたので立ち止まって読むことはしませんでした。
そしてまた自分を責めます。
「どうしてあの時ホーと一緒に行かなかったんだろう」
正直に言えば、ヘムは2人のうちの「頭脳」の方だと思っていました。
ホーは副操縦士タイプだとも思ってました。
今ではそれほど確信も持てません。
自分は頑固だったのか。それともバカだったのか。
自分がどんどん嫌になり、気力が萎えました。
それからゾッとするような恐ろしい考えが浮かんでしまいました。
「もしかしたら、永遠に迷路の中をさまよう運命なのかもしれない」
ヘムは崩れ落ち、壁に寄り掛かります。
そこにもホーのメモが書かれていました。
「従来通りの考え方をしていては、新しいチーズはみつからない」
どういうことなんだ?チーズがあるか無いかに、考え方なんて関係ないじゃないか!
これまで迷路はヘムとホーが働き、社会生活を送っていた場所でした。
ヘムにとっては迷路は自分の世界でした。
そんな思いを馳せながら、浅く苦しい眠りにつきました。
世界は変化する。周囲の状況は変わる。突然昨日までの真実が真実ではなくなる
ヘムは床に小さな丸い、赤く光るものを見つけました。
これはなんだろう?いい匂いがする。
食べてみたくなります。いや、なにを考えているんだ、これはチーズじゃないんだぞ。
もしかしたら危険なものかもしれない。
そんな時、近くに見たことのない小人がいること気付いて驚きます。
笑顔で挨拶すればいいのか、恐れた方がいいのかもわかりません。
小人はあの赤いものを差し出してきます。「お腹空いてるんでしょ?」
「これは食べれないよ。チーズじゃない」
「チーズ?」
「何か知らないけど、食べるのはチーズだけだ」
そう言ってヘムは眠りにつきます。
小人が話すことがぼんやりと聞こえます。
「あなたは自分が思っているよりもずっと多くのことが出来るのよ」
ヘムが目覚めると今までにない空腹が襲ってきます。
ヘムは置いてあった赤いものを何も考えず、一口食べてしまいました。
甘い!すっぱい!これまで食べていたチーズとは全く味が違います。
なんてことだ、石を食べてしまいました。このままでは死んでしまうかも。
そしてまたいつの間にか眠りにつきます。
ここ数日で初めて、ぐっすり眠れた夜でした。
起きるとまた小人は赤いものを差し出してくれます。
ヘムはそれを3つも食べました。
小人の名前はホープ。赤いものは「リンゴ」というもので、最近少なくなってきて迷路のあちこちを探してきたのだそう。
「実は、それが最後の一個なの」
「最後の一個をくれたの?あなただってお腹は空いているんじゃないの?」
「ちょっとね」
「ありがとう」ヘムはお礼も言ってなかったことに気付きました。
「信じれないけど、これを食べたら元気になったみたいだ」
「大丈夫。思い込みを捨ててやってみればいいのよ」
ヘムは困ります。何をやってみろと言うのか?
それでもわかることはひとつ。またお腹は空くということです。
今のところ探し出せていなかった理由ははっきりしています。
まだ努力が足りなかった。まだ入っていない迷路に踏み込んで探さなければならない。
ホープはまだどう難局を乗り越えればいいのかわかりませんが、ためらいなく一緒に出かけることにしました。
そしてまたホーのメモが見つかります。
「従来通りの考え方をしていては、新しいチーズは見つからない」
時代は変わっていました。かつてはヘムはたくましく、誇り高く、他の小人からも尊敬されていました。
しかしチーズが無くなってから全ては変わりました。
もう彼はたくましくもなく、誇り高くもありません。
以前のように自信を持てません。
時々チーズのかけらも見つかります。リンゴも見つかり、二人は分け合います。
時々見つかるだけなので、二人は出発点に戻り、休息をとって次の探索に備えます。
何の収穫もない日はクタクタでぐったりと倒れ込みました。
ひどく気落ちし、もうこれ以上は無理かもです。もう道具が重くて仕方ありません。
「それ、ひどく重そうね。どうして毎日持っていくの?」
「ここぞという時に壁に穴を開けるためにだよ」
「そう。それでうまくいってたのね?」
「もちろん!これは最高のノミなんだよ」
「私が言いたかったのは、壁に穴を開けたら本当にチーズが見つかるかってことなの」
ヘムは答えませんでした。怒りも覚えました。本当に良い道具なのに!
「私たち、これまで以上に頑張ろうって方針でやってきたけど、うまくいってないよね」
ヘムは答えません。
「方針を変える必要があるんじゃない?」
「僕は自分の考え方を変えたくないんだ。変えてしまったら僕が僕じゃなくなる!」
「でも、何かひとつでも変えてみたら?」
きっとホーが正しかったんだ。
声に出して考えることで、考えがより明確になったのがわかります。とりわけ今考えているような難問の前では。
ヘムは「考え」について考え続けます。
ようやくわかった気がします。
「信念とは、自分が真実だと信じる考えのことである」
信念とはそういうものです。
ホーが見えていたものが見えていなかった。自分の考えこそが正しいと信じていたからだ。
そのまま動かないで居続けたら、事態か好転すると信じていました。
「古い信念は自分を囚人にしかねない」
ホープが正しかったんだ。
「あなたは考えを変えることができる。新しい信念を選び取ることができる」
ヘムは全身に力がみなぎるのがわかりました。
今は自分が間違っていたことを不快に思うどころか、新たにわかったことに心躍る思いです。
信念とはどれだけ大切で、どれほど簡単に新しい信念を選ぶことが出来るかもわかりました。
もしかしたら「不可能」も信念のひとつだとしたら?
それは変えられるのではないか?
「もし可能だと確信したら、あなたは何をする?」
「あなたが信じられることに限界はない」
夜が明けてホープが戻ってみるとヘムの変わり様は驚きでした。
昨日は疲れ果ててたのに、今日は鼻歌まじりでランニングシューズを磨いています。
ヘムは全く違うことをやる必要があることがわかりました。
それは全く違うものの見方をする必要があるということでした。
しかしどんな新しい信念を手に入れる必要があるかまではわかりません。
ホープは聞きます。
「あのチーズはどこから来てたのかしら。迷路の外には何があるのかしら」
「迷路の外?そんなのないよ。確かだ」
そして二人は見つめ合い、同じ言葉を発しました。
「あなたが真実だと信じる考えが信念!」
これもひとつの信念というわけです。でもこれは自分を向上させるというより、足を引っ張る信念ではないかと思います。
「ダメだ。迷路の外のことは何も想像できないよ」
「まずは迷路の外があると信じてみてはどうかしら?そうすればきっと見えてくるんじゃないかしら」
「そうか…。迷路の外には素晴らしいものがある」
あるかどうか分からなくても、あると信じなければならない時もあるのです。
「迷路の外にあるものを見つけに行こう」
「そうね、どうすればいいのかしら」
ヘムはやっぱり想像できません。いつも暗がりや袋小路を避けてくまなく探してきたのです。
「その暗がりがそれほど暗くなかったとしたら?」
そんなことあるのでしょうか?
ホープは燭台から大きな蝋燭を取り出し、ヘムに渡します。
ホープは受け取り歩き出します。
「ハンマーとノミは持っていかないの?」
「持っていかない」
「そうね。新たな探検に乗り出すのに古い荷物はいらないわね」
ヘムは暗がり入っていきます。
「袋小路だ」
「私もそう思う。でもその考えは信じていいものかしら?袋小路がみな袋小路とも限らないわ」
信じて信念に変わるかどうかみてみよう。
目を閉じ、もう一度想像力を働かせます。
その時、思考の端っこを何かがかすめます。光でなくても、光の様なものが見えました。
心臓が飛び出しそうです。
迷路は危険な場所だ。そう考えないではいられませんでした。
迷路は危険なところだ。その考えが繰り返し浮かんできます。
しかしこれも「自分が真実だと信じる考えが信念」ということではないでしょうか?
「そう考えるからといって、それを信じる必要はない」ヘムは呟きました。
歩き続けると殺風景な部屋にたどり着きました。
ガッカリしたヘムは引き返そうとします。しかしホープは立ったまま彼をみ続けました。
空っぽの部屋も全て空っぽとは限らない?
「もう一度見直して…さあ、行きましょう!」
二人は角を曲がり、その先を進み、また角を曲がり。
そこで立ち止まりました。
「わかるわ」
小さなトンネルが続きます。
這って先へ先へと進むと…。光はどんどん明るくなります。
そしてついに。
そこは美しい風景でした。
ヘムにとっては見たことのない場所です。見たことないほど明るく、強烈すぎてまっすぐ見れません。
二人はこの新しい世界で、いたるところでリンゴとチーズを見つけました。
とても美味しかった。
そして遠くから彼を呼ぶ声が聞こえます。
「迷路の外には何がある?」を読んでやってみた
今回も読み終わった後にドドッとやってくる思考の波
実践してみた3つのこと
- 考えを変えたからといって自分が変わるわけではない
- 抜け出さなければならないのは、自分自身の思考
- もし可能だと確信したら?何をしたい?
ふうぅ…。読み応えがすごいです…。
かなりの長文になってしまったんで、ここでは長々と書くのはやめておきます。
これを読んで皆さんも色々思うところはあったはず。
本の最後ではディスカッションの様子も書かれています。
自分も参加しているつもりで是非読んでみてください。
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何かひとつでも変えてみる。
その大切さがよくわかりました。
著書名 迷路の外には何がある? ――『チーズはどこへ消えた?』その後の物語 チーズはどこへ消えた?
著者 スペンサー・ジョンソン
出版社 扶桑社