お坊さんから学ぶ「傾聴のコツ」相手の話をきちんと”聴く”のは簡単じゃない
信頼される人間は傾聴をしている
この本を読むと得られるもの
- 「傾聴」とは何かわかります。
- 「傾聴」出来る人間は信頼されます。
- 会社の人間関係も円滑になります。
先日紹介した「天才の7つの習慣」で、デキる人は「傾聴する」という記述がありました。
傾聴?
人の話を聞くことってのはわかるけど、どう違うの?
そう疑問に思い読んだ本がこの「傾聴のコツ」です。
著者は金田 諦應さんというお坊さんです。
被災地で傾聴カフェ「カフェ・デ・モンク」というボランティア活動をされています。
「モンク(お坊さんの事)に文句の一つも言いながら一息つきましょう。一緒に悶苦します」というものなんですって。
そこで改めて傾聴の大切さを実感されたそうです。
聞くではなく「聴く」が大切で、簡単そうでそうでもないんですって。
人はついつい途中で話をして遮ったり、否定したり、話を誘導したりしてしまいます。
そうではなく、時には何分も相手から出てくる言葉を待つようなこともします。
全身で話を聴いて、話の裏にある「物語」を見つけるのです。
そんなの出来るかな?
この本では、
- 傾聴とは、相手の話に「共感」すること
- 傾聴とは、相手の「物語」を受け入れること
- 傾聴とは、「身近な人」を幸せにすること
- 傾聴とは、他人との「境界線」をなくすこと
- 傾聴とは、「自分」をもっとよく知ること
という項目で書かれています。
ここでは、傾聴とは何か?普通に聞くのとなにが違うのかについて要約します。
具体的な事例が多く書かれているので、是非本で学んでくださいね。
傾聴ってなんなの?
このブログでも散々「発信しましょう」「世間にアピールしましょう」と言ってきました。
SNSに写真、動画など、みんな自分がどんな人かを自己主張する事に夢中です。
そして発信するのがうまい人が目立っています。
逆に受け手で目立っている人っていなくないです?
でも話を上手く聴ける人って、きちんと世の中では評価されます。人から求められます。
そんな人は信頼されます。
あ、なんかストンと落ちました。営業でも販売でも、話し上手ではなく聴き上手な人が実は成績がいいんですよね。
友人関係も同じです。
これも周りを見渡せば、話を聴ける人ほど、友人と良い関係を築けているのではないでしょうか。
逆に言えば、大切な友達が欲しいなら、相手の話をしっかりと聴けないといけません。
話してばかりでなく、時には聴いてあげてこそ友情が芽生え、豊かな友人関係に囲まれるのです。
被災地での傾聴
宮城県に住んでらした金田さんは、東日本大震災が起こった時の惨状を体験し、たくさんの供養のお経をあげられました。
しかし、今まで学んでこられた教養や、宗教的な言葉がわからなくなり、神仏の姿も見失ってしまわれたのです。
それ以後、法衣を着て被災地にはいるのを止められました。
被災地の方々の苦悩には宗派も肩書きも関係ありません。
そこから傾聴活動を始められたのです。
金田さんは、「暇げで、軽みのある佇まい」を意識されました。
優しいフワッと空気のような存在で、音楽を流し、仏の言葉や経典の文言も一切口にしません。
ただただ傾聴の場は、ほっとする場所にされたのです。
すると、一人二人と被災地の方が話しに来られます。
苦しんでいる時こそ、悲しんでいる時こそユーモアが必要です。それも人生を達観した上にあるものでないといけません。
ビクトール・フランクルの言葉に
「ユーモアは人間に与えられた神的と言っていいほどの能力である」
というものがあります。
まさに自分で自分を笑い飛ばすような。
その時、人はふと心が軽くなるような感覚になります。
傾聴する時に大切なのは「共感すること」です。
相手の悩みや苦しみを無くそうなんて、考えない方がいいのです。
「わかるよ」と言ってるだけでも上手くいきません。
「わかるよ」の後の「私もさ」と見当違いの片方を持ち出してしまう事が多いからです。
だから、必要な言葉は
「あなたのつらい気持ち、今の話で”よく伝わったよ”」
なんです。
そんな風に距離を縮めていき、相手に話したいだけ話しをさせるのです。
そして話し尽くしたなと感じた後に、
「今の話を聴いて、感じた事があるんだけど、聴いてかれるかな?」
というふうに伝えるのです。
「共感する」とは「慈悲」の心です。
悲しみ、苦しみを共感し、その場に踏み止まる姿勢が「慈悲」です。
いきなり結論を言うようですが、傾聴においてもっとも大切なのがこの慈悲の心です。
人から悩みを聴いた時に、「わかるよ」と言ってしまいがちです。
業務の失敗程度の悩みならまだいいのですが、その人の人生に関わるような悩みの時は、「わかるよ、俺もそういう事あったよ」は絶対に禁句です。
「傾聴のコツ」を読んでやってみた
思っている以上に傾聴は深いものでした
実践してみた3つのこと
- 逃げてはいけないと誓った
- 全身で聴くようにしてみた
- 全肯定で聴いてみた
マザー・テレサも「愛の反対は無関心」と言ってました。
「わかるよ」という言葉は、早く終わらせたいという時につい出てしまう言葉です。
それは「慈悲」の反対の態度で、「逃げている」事になります。
もうちょっと話を聴かせて、という態度を示して傾聴するように心掛けました。
これが難しい…!
よく「吉村って人に興味がないよな」と言われる僕の中ではハードルが高いです…。
そんな事にならないように、全身を総動員して聴くようにしました。
僕もその人の話から何か学ぼう、という気持ちで聴くのです。
相手が言葉にするのを困ってる時だと、「それは、〇〇だから悲しいんですね」と言葉を代弁してみます。
そして、「んなわけない」という全否定の言葉は出さないように心掛けました。
相手を全肯定する代わりに、自分を「自己否定」する事が大切なんでやってみました。
これも難しいんよなー。
思わず「なんでやねん」となってしまいます。
そこで「こういう考え方もあるのか」という気持ちで聴くようにしました。
なかなか意識しないと傾聴って難しいですね。
練習してマスターしたいです。
是非みなさんも本を読んで会得して下さいね。
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会話で相手の欲求を満たしてあげることが信頼される第一歩です。
著書名 傾聴のコツ―――話を「否定せず、遮らず、拒まず」
著者 金田 諦應
出版社 三笠書房