地頭力を鍛える

フェルミ推定で考える抽象化思考「地頭力を鍛える」

Googleの試験とか考えるの楽しい

ここで問題です。

「日本には電柱が何本あるでしょう?」

ちょっと待ってねとググり始めたあなた。検索は禁止です。

 

「そんなん調べないとわかるわけないやん」

ですよね。でも推測は出来るんです。

それが「フェルミ推定」です。

 

問題解決におけるフェルミ推定の威力は使い始めるとビシビシわかると思います。

極めてシンプルで誰にでもわかりやすい敷居の低さなのに、問題解決の方法論が凝縮されてます。

 

そして、フェルミ推定を使いこなせれば、「地頭力」を鍛えることが出来ます

「地頭力」ってなんだろう?

はい、この本で学びましょう!

フェルミ推定で地頭を鍛える

インターネットには無限とも言える情報が存在します。

しかしそれも諸刃の刃。情報を「コピペ」するだけでは人間の考える能力は低下していきます。

逆に考える力(この本では地頭力)を身に付けた人は、膨大な情報を駆使して、これまでとは比べ物にならないような力を発揮できます。

 

これからの時代で重要になるのは、AIでは代替が不可能な、情報を選別して付加価値を付けていくという「創造的な考える力」です。

これがあれば、情報が陳腐化しても恐るに足りません。新しい情報はネットでいくらでも入手できるから、後は自分の考える力を使って考え、新しい知識を生み出していけるからです。

 

その「地頭力」を鍛えるのがフェルミ推定です。

 

「原子力の父」として知られるノーベル賞物理学者エンリコ・フェルミ。

彼は自身の優れた物理量の推定方法を講義しており、彼の名前からその思考方法は「フェルミ推定」と呼ばれる様になりました。

 

エピソードとして有名なのは、世界最初の核実験が行われた時の話です。

彼は爆発を感じると同時にちぎったノートを自由落下させ、爆発の衝撃波で飛ばされた紙の挙動を観察しました。

そこから実験で使われた核爆弾の爆発力の規模を推定し、後の計測との比較における正確さから彼の計算能力に周りはびっくりしました。

 

地頭力とは?頭の良さ?

地頭という言葉はちょいちょい聞く言葉ですよね。

なんとなく頭の良さみたいなニュアンスで使われてます。

 

では、頭の良さって?

一般的に頭の良さは3種類です。

 

まずは、記憶力が良い人。この人達の武器は、記憶力に裏付けされた知識力です。

クイズ王や何カ国語も話せる人ね。

 

次に、対人感性が高く瞬時に察知して行動できる「機転が利く」人です。

優秀な営業マンや接客員、テレビの司会者などね。

 

最後が数学の問題やパズルが得意な「考える力」の強いタイプ。この人達が「地頭が良い」人です。

 

全て不可欠な知的能力ですが、「地頭力」は未知の領域で問題解決していく点で、環境変化の激しい現代では重要な能力と言えます。

 

地頭力に必要な3つの要素

地頭力の構成について考えていきましょう。

 

まずは問題解決に対する「知的好奇心」が全ての基本となります。

これは地頭力の原動力とも言えます。

 

その上に、ロジカルシンキングとも言える論理思考力、直感力が乗っかります。

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論理思考力とは、「筋道を立てて考える能力」です。これは「左脳的思考」とも言えます。

直感力は、ひらめきを伴う「右脳的思考」、あるいは「アート」とも言えます。

 

これらをベースにして、地頭力固有の要素が3つ乗っかります。

まずは「結論から考える」仮説思考力

最終目的まで効率的に到達出来ます。

仮説を立てて、検証と修正を繰り返します。

 

2つ目は「全体から考える」フレームワーク思考力

思い込みを排除して、ゼロベース思考を加速します。

全体を俯瞰して、切り口を選択。分解して考えます。

「5W1H思考」さえあれば他のビジネスツールはいりません!

 

3つ目が「単純に考える」抽象化思考力です。

応用範囲を広げて、一を聞いて十を知るイメージです。

抽象化してモデルを解き、再び具体化します。

 

ここは詳しく本で勉強してください。とても大切な箇所です。

なぜ地頭力が重要なのか?

時代の変化によって、知識力から地頭力に重要性が変わってきたことは書きました。

具体的にはどんなメリットがあるのでしょう?

 

圧倒的な生産性

まず、最大のメリットは地頭力を鍛えると、圧倒的に仕事の生産性が上がります。

仮説思考力は、結論から考えることで、最終目標まで最も効率的な方法でたどり着くのです。

 

会議を何度も繰り返して話があっちこちにいって、結局結論が出ない、とかもなくなります。

常に最終目標を意識して考える癖をつけることで身に付きます。

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フレームワーク思考力では、「全体から考える」でしたよね。

部分から考えるということは、個人の思い込みや思考の偏りを排除出来ず、途中で誤解が発生してしまいます。

フレームワークで考えると、始めから全体像を共有してから議論を進めるので、後戻りが最小化になります。

 

抽象化思考は、単純に考えることでみんなと意思統一が図りやすくなります。

結果、応用力を広げることによって少ない知識を様々な範囲に応用して、新しいアイデアの創造や効率化を飛躍的に図っていくことが可能になります。

 

思考回路を変えて行動パターンを変える

人間の行動は根本にある思考回路で支配されています。

表面上の行動を個別に変えようとしても、思考回路が変わってない限り簡単には変わりません。

行動様式を一変させる為には、思考回路をガラッと変える事が手っ取り早いです。

すなわち、地頭力のようなベーシックな思考回路を変えていく必要があるのです。

 

「地頭力を鍛える」を読んでやってみた

問題に挑戦してみた

さて、と冒頭の問題、「日本全国に電柱は何本たるのか?」をフェルミ推定で解いてみましょう。

解答にあたってのルールは3つ。

  • 制限時間3分厳守
  • 電卓やスマホ不可。ペンと紙のみ
  • 一切の情報の参照不可

さあ、一度解いてみましょう!

 

どうですか、できましたか?

僕もやってみましたが、意外と上手くいきました。

昔名古屋に住んでたので、現在の家との距離が分かってたのが大きかったです。日本の広さはこれで分かりました。

あとは日本国土の森林が7〜8割というのも知ってました。

 

まずはアプローチ設定。家の近所から考えてもいいけど、全体で考えるとなると日本国土で見たほうがいいですね。

市街地と森林を分けて考えます。

 

次はモデル分解。市街地と森林では本数が全然違うので分けて考えましょう。各々の総面積は先程の距離感で算出できます。

日本列島を長方形で見立てて考えてみましょう。

 

次に計算実行。すぐ計算できるように因数分解しておくといいですよね。

単位面積当たりの本数から考えてみましょう。

市街地の本数は、家の周りの風景からなんとなくイメージ出来ますよね。

 

答えです。実際の合計本数は3300万本です。

僕のフェルミ推定では3000万だったので、まあ合格かな?

フェルミ推定は真実の数値と一桁以内の誤差に収まれば「合格」らしいです。

 

フェルミ推定って面白いですよね。

マンホールの蓋はなぜ丸いのか?とかもGoogleの試験で出るみたいですね。

地頭力を鍛えるぞ!

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著書名 地頭力を鍛える

著者 細谷 功

出版社 東洋経済新報社