アイデア出しに行き詰まったらこの一冊!「アイデア大全」
一家に一冊レベルの便利なアイデア発想法辞典
この本を読むと得られるもの
アイデアを生み出す発想法の辞典です。
困った時にはこの本の発想法を参照すると解決できます。
皆さんはアイデアを出す時どうしてますか?
ウンウン唸って考える人、散歩しながら考える人。色々いらっしゃると思います。
この本は新しいアイデアを生み出すための方法を集めた道具箱です。
発想法と呼ばれるスキルを集めてあります。
これまでのやり方にこの発想法を組み合わせると、今まで苦労してきたアイデア出しもスムーズにいくかもです。
そしてアイデアも色々な用途に分かれると思います。
この本では、
0から1へ
- バグリスト
- フォーカシング
- TAEのマンセンテンスシート
- エジソンノート
- ノンストップ・ライディング
- ランダム刺激
- エクスカーション
- セレンディピティ・カード
- ファンケの曖昧な部品
- ケプナー・トリゴーの状況把握
- 空間と時間のグリッド
- コード・マトリクス
- PKディックの質問
- なぜなぜ分析
- キプリング・メソッド
- コンセプト・ファン
- ケプナー・トリゴーの問題分析
- 仮定破壊
- 問題逆転
1から複数へ
- ルビッチならどうする?
- ディズニーの3つの部屋
- ヴァーチャル賢人会議
- オズボーン・チェックリスト
- 関係アルゴリズム
- デペイズマン
- さくらんぼ分割法
- 属性列挙法
- 形態分析法
- モールスのライバル学習
- 弁証法的発想法
- 対立解消図
- バイオニクス法
- ゴードンの4つの類比
- 等価変換法
- NM法T型
- 源内の呪術的コピーライティング
- カイヨワの対角線の科学
- シソーラス・パラフレーズ
- タルムードの弁証法
- 赤毛の猟犬
- ポアンカレのインキュベーション
- 夢見
という様々は発想法が紹介されています。多いなあ。
中には皆さんも「これ使ってる!」というのもあるのではないでしょうか?
僕はオズボーンをよく使ってます。というかこれしか知りません。
ここでは一部をピックアップして紹介します。
それ以外のものは是非本で確認してくださいね。
0から1を生み出す系のアイデア発想法
バグリスト
バグリストは他から課題が与えられなくても、自分の中から発想のタネを見つけ出す方法です。
①紙を用意してタイマーを10分間にセットする
②不愉快なこと、嫌なこと(バグ)を、とにかく書き出す
③10分間経ったら手を止める
④バグリストの中から、1つか多くても2つを選び、改善・解決を考えてみよう
例えばイラストの描き方解説本を作ろうとします。その際にはバグリストを作ってみるのです。
わかりにくい、情報が古い、どこかでみたものばかり、技法が絞られていない、個人の主観のみetc…
イライラのタネを書き出すことは、幸福感を改善するだけでなく、アダムスに夜と創造力や発明心の蓄積にもなるそうです。
その意味で、バグリストは継続的に何か発想する必要のある人は、習慣化するべきものです。
書き留めたリストはアイデアのネタ帳にもなります。
バグの選別については、数学者ジョージ・ポリアが「発明家のパラドクス」と呼んでいるものが参考になります。
小さく些細な問題よりむしろ、より大きな問題、野心的な問題ほど実りが大きいばかりか、実は解きやすい。
大きな問題ほど、何を変えれば良いのかにさえ気付けば、あっという間に解決できるということですね。
エジソン・ノート
エジソンの発明はいきなり思いついたものではなく、いくつものアイデアが複数組み合わさって出来たものです。
①自分のアイデア、目に止まった他人のアイデアや気になった情報など、なんでもノートに記録しておく
②記録したノートは事あるごとに読み返し、気付いたことをさらに書く加える
③そうして得たアイデアが成功しても失敗しても、ノートに記録しておく
え?そんな簡単な事?って思うかもしれません。
エジソンはなんとこのアイデアノートを3500冊も書いているのです。
レオナルドダヴィンチに憧れていたエジソンは、ダヴィンチに習ってノートを付けていました。
エジソンは困った時のはノートを相談相手としていました。
ノートをあれこれと読み返し、ヒントを探していたのです。
ノンストップ・ライティング
アイデアを生む際の抵抗と不安を取り除きます。
①描く準備をしてタイマーを15分にセット
②タイマーが鳴るまでひたすら書く。手を止めてはいけない。読み返してはいけない。書き間違いも気にしてはいけない。書くことがなくなったら「なくなった!」なんやねんこれと思ったら、そのまま書く。
③いずれ高確率で怖い考えやヤバい感情に突き当たる。それを待っていました。すぐに飛びつく。これが書くことを邪魔しているメンタルブロックです。
自分が出したアイデアが評価されるかもしれないと思うことは創造性を下げることが実験でもわかっています。
実験参加者の多くが、自分が生み出したアイデアは変じゃないか?と強く心配していました。
彼らは、創造性は一部の優秀な人に与えられたものだと思い、自分にはそれが無いと思っていました。
しかし、実際には恐れやトラウマを取っ払って、自分が創造的に思考できる事に気付くのです。
ブレストでは他社の意見を悲観しないというのがありますが、自分の意見を最も批判するのは自分なんです。
頭の中にあるような気がしていたものは、すぐに消えてしまいます。
書きつけて物質と化した思考のみが、扱うことができるのです。
エクスカーション
短時間で大量のアイデアを出したい時に使える連射砲です。
①〇〇についてのアイデアを出すぜ!というテーマを決める
②「△△づくし」づくり。テーマとは無関係なもののリストを作るために、カテゴリーを1つ選び、そのカテゴリーに属すものを出来るだけたくさん書き出す(良く使われるのは動物、場所、食べ物、マンガなど)。思いつかなくなったら③へ
③作ったリストから、1つずつ選びます、思い浮かぶ言葉を書き出しながら、テーマと組み合わせてアイデアを考える
④リストを使い切ってもまだアイデアが欲しい時は、②へ戻って別のグループのリスト作りから繰り返す
新しい筆記用具のアイデアの場合、ペンと動物リストの穴を組み合わせるとします。
知らない人が来ると犬は吠えるなあ。持ち主以外は使えないペンとかどうやろ?って感じで広げていくんです。
この方法で編み出されて有名なのが、NASAの宇宙服です。ひっつき虫からマジックテープのアイデアが生まれたんですよ。
エクスカーションとは「気晴らし、遠足」などの意味があります。
発想や視点のマンネリを解除する効果が高く、またアイデアの高速大量生産も可能です。
散歩でアイデアが浮かぶのも、このエクスカーションを脳内で行なっているからです。
見たものとくっつけて考えてるんですね。
「アイデア大全」を読んでやってみた
1から複数へとアイデアを広げる発想法
ルビッチならどうする?
行き詰まった時に自分を高めることで脱出する事が出来ます。
①これという人物をひとり定めておき、行き詰まったときに「彼、彼女ならどうする?」と問いかける
映画監督ビリー・ワイルダーはオフィスに
「ルビッチならどうする?」
と書かれた額縁を飾っていました。
ワイルダーはいつもこれを見て、師匠はどうしただろう?と考えていたんですね。
孟子も「孔子ならどうする?」といつも考えていたといいます。
その人が本を残しているなら繰り返し読み、自分の問題に対して「どうする?」と何度も問いかけるのです。
ディズニーの3つの部屋
発想と具現化と作業を切り分けて、自己批判を封じ込めて発想の枠を取り外します。
①紙を用意して、縦線をひいて3列にわける
②左の上に「夢想家」、真ん中が「実務家」、右が「批判家」と書き、それぞれの欄に以下の立場から意見を書いていく
③「夢想家」は、基本スタンスが「なんでもあり」、基幹の質問は「何をすべきか?」(欲しいものは何か、もし魔法がつかえたら、何をしたいかetc)
④「実務家」の基本スタンスは「夢が実現可能てあるように行動せよ」で、基幹の質問は「どのようにすべきか?」(このアイデアをどのように用いるか?アクションプランは?必要なものは?etc)
⑤「批判家」の基本スタンスは「問題が起こるなら何かを考えよ」で、基幹の質問は「なぜすべきでないか?」(このアイデアのまずいところは?どんな失敗をしそうか?どれだけ儲かる?etc)
ディズニーはこの3者のために、わざわざ会議室も分けていたそうです。
「夢想家の間」では、アイデアを評価することも選択することも禁止されて、突拍子もないアイデアが求められました。
この3つの振り幅にみんな振り回されたらしいですよ。
でもだからこその世界一のエンタテイナーであったとも言えるかもです。
オズボーン・チェックリスト
アイデアを変形して増殖させます。
①以下の質問に答えていきます。
- 他への転用は?(新しい使い方?他の分野で使えないか?など)
- 他のものへの応用は?(過去に似たものはないか?他のアイデアは使えないか?など)
- 変更したら?(色、動き、音、形は変えれないか?など)
- 拡大したら?(時間、頻度、強さ、高さ、価格、数、繰り返し、誇張は変更てきないか?など)
- 縮小したら?(取り除く、濃縮、分割できないか?など)
- 逆転したら?(反対のもの、前後、役割など入れ替えできないか?など)
- 結合させたら?(混ぜ合わせ、ユニット、目的を合わせることはできないか?など)
任天堂のゲーム&ウォッチ。横井軍平さんは需要が頭打ちとなった電卓の液晶を転用の発想で成功させました。
ツイッターはメールを縮小したアイデアから生まれています。
「カラムーチョ」をもっと辛くしようと生まれたのが「暴君ハバネロ」です。
レコードハリをレーザーに置き換えたのがCDです。
ブラストの考案者でもあるオズボーンは、アイデアを変形させる発想法の天才です。
普段では気付きにくいことも、このチェックリストで考えればどんどんアイデアも浮かんできます。
「アイデア大全」を読んでやってみた
これはとんでもなく役に立ちます
アイデアを出す仕事って度々ありますよね。
多分これらの方法を知らない人と知ってる人では、10倍以上の生産性が開くんじゃ?という肌感覚です。
世の中のアイデアはすべて、既存のアイデアの組み合わせに過ぎません。
着眼点と組み合わせ方さえ知っていれば、アイデアは無限大とも言えます。
とりあえずこの本の全部に目を通しておいて、必要なときに「そういえば、こんなのあったなー」と本をめくり返すのが正しい使い方だと思います。
是非脳の引き出しに入れておきましょう。
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アイデアを育てる六原則です。
こちらも古典とも言える定番のアイデアの本です。
著書名 アイデア大全
著者 読書猿
出版社 フォレスト出版