世界情勢をこれでもかとわかりやすく解説してくれるオススメの一冊です。なんとなく眺めていたニュースが繋がる感覚がわかります。
現在起きている問題は全て地理と歴史によって繋がっているのです。
これからのグローバル社会を生き抜くためにも知っておきたい知識ばかりです。
「高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢」なるほど!そういうことかとニュースが理解できる
これからはグローバル社会なのだよ(ドヤ)
この本を読むと得られるもの
- 世界情勢についてわかりやすく解説してくださいます
- 経済や紛争など色々な視点で解説されてます
- 概要を掴むに最適な一冊です
著者の島根玲子さんは高校留年で中退、金髪日焼けで街をフラフラしている毎日でした。
そこから外交官ってどういう??
勉強も大嫌い、活字も大嫌いだった島根さんだからこそ、外交や世界のことをわかりやすく書けるかな、と思い筆をとられました。
確かに、外交って身近な話でもないですし、僕もさっぱりので、ちょっとした楽しみです。
実際よく考えると、日本の経済も、食糧や燃料も外交なしでは成り立ちません。
この本では、
- 高校中退外交官のはなし
- 今の世界と日本のはなし
- これからの日本のはなし
- 世界の国の数のはなし
- 外交のはなし
- 食料とエネルギーのはなし
- 関税と産業のはなし
- 自由貿易のはなし
- 平和のはなし
- 核兵器のはなし
- 難民のはなし
- 領土のはなし
- 海と空のはなし
- 貧困のはなし
- 国際情勢のはなし
- ひとりひとりが外交官
という多岐にわたる項目で、外交や世界情勢について解説されてます。
僕も知らない話ばかりなので、気になるテーマをピックアップして要約していきます。
是非本で読んでみて下さいね。
世界にはいくつ国がありますか?
島根さんは学生時代にナミビアへ旅行に行かれました。
そこではアジア人の女の子と知り合います。
どこの国人か尋ねると「香港」と答えました。
島根さんが「中国人ね」と返すと、「違うわ、わたしは香港人よ」と言うのです。
果たして彼女の言葉はなにを意味するのでしょう?
日本にとって世界の国の数は、日本を含めて196カ国です。
日本は195の国国と外交関係を持っています。
その一方で、国際連合に加盟しているのは193カ国です。
この差は日本が国と認めているバチカン、コソボ、クック諸島、ニウエの4カ国が国連に入っていないのと、日本が国家と認めていない北朝鮮が撹乱に加盟しているからです。
なので、国家の数は国によって見方がちがうのです。
その裏には世界の情勢が見えてきます。
数々のテロ事件で世界を震撼させた「イスラム国」。
2017年にイラク政府はこれらを壊滅させたと宣言しましたが、彼らは一体何者なのでしょうか?
「イスラム国」とは、そもそも国なのか?
国として成立するには、
- 領土があること
- 国民がいること
- 政府があること
の3つの要件が必要になります。
イスラム国は略奪にやって領土を手に入れていましたが、これは認められていません。
国民も「イスラミックスタート」という過激派組織の戦闘員に過ぎず、イスラム国という国籍があったとは言えません。
イスラム国は、イスラム法にやって支配して、税関も徴収していました。
これは通常の政府に似た機能も持っています。
しかし、いつ崩壊するか分からないような状況ですから、きちんとした政府があったとも言えません。
このように「イスラム国」は建国を宣言しただけで、実際には国として成立していません。
では、「北朝鮮」はどうなのでしょう?
日本は北朝鮮を国とは認めていません。
そうなると、北朝鮮とは何者になるのでしょうか。
北朝鮮の経済規模は3兆6000億円ぐらいです。
日本の規模は530兆円なので、日本の147分の1です。
アメリカと比べると593分の1となります。
この規模で北朝鮮は、弾道ミサイルや核兵器に莫大なお金を注ぎ込んでいるのです。
庶民の暮らしが酷い状況なのも納得できます。
では、先述の「香港」はどうでしょう?
香港は中国の一部ですが、中国本土とは違った制度を採用しています。
中国はいちおう社会主義を採用していますが、香港は「とりあえず資本主義を50年間は採用しましょう」となっています。
通貨は人民元ではなく、香港ドルです。
公用語は、中国本土は北京語ですが、香港は広東語と英語が公用語です。
もうひとつ「台湾」は??
台湾は親日であるので、親近感を持っている人も多いはず。
1912年、中華民国のリーダーであった蒋介石が、毛沢東率いる共産党との戦いに敗れて、台北に逃れました。
その時台北を臨時首都としました。
中国は「台湾は中国の一部」と主張しています。
しかし、過去に台湾と中国のリーダーが直接会ったことは2015年に一度あるだけです。
台湾を「国家」と認めて、国交を持っている国は17カ国です。
日本は台湾とは国交を持っていません。
台湾と国交を有している国は、中国と国交を持っていないし、逆も然りです。
2016年に蔡英文が総統になってから、台湾と断交した国はすでに5カ国となりました。
おそらく中国の力が増していているからですよね。
国連にもWHOからも参加できていません。
以前は参加できていたのですが、締め出しを食らったかたちです。
台湾は国際社会の中で、厳しい局面が増えてきました。
他にもイスラエルとパレスチナ、モロッコの「西サハラ問題」、クルド人自治区など、国家として承認するかという問題を巡って、国によって対応が変わるパターンがあります。
その背景には歴史や、国と国との関係が影響しているのです。
外交とは引っ越しできない人間関係
近隣の人や職場の人など、人間関係がごちゃごちゃしてきたら、引っ越ししたり転職したりしますよね。
しかし、国と国は揉めても引っ越し出来ません。
地球には196の国が存在し、限られた土地の上で、限られた資源を分け合って暮らしています。
そんな中で、国家間の関係が行き詰まったらどうなるのでしょう?
歴史上では、幾つもの争いがありました。
歴史では戦争が途絶えたことがありません。
第二次世界大戦では、5600万人もの死者数になったと言われています。
こんな悲劇を繰り返さない為に、話し合いで問題を解決する。
それこそが「外交」なのです。
日本と中国は互いに大きな存在です。
日本から中国への輸出はアメリカに次いで2位です。
中国から日本への輸出は1位です。
さらに中国から日本へは年640万人もの人が訪れています。
一方では、尖閣諸島などの問題を抱えています。
中国人のうち、日本へ「良くない感情」を持つ人は約67%。
日本人のうち、中国へ「良くない感情」を持つ人は、88%にもなります。
しかし、昔も今も隣国としてずっと関係は続いています。
たとえ問題を抱えていても、一緒に関係を築いていくしかありません。
日本は輸出入なしではやっていけません。
食べ物の自給率が非常に低いのです。
小麦の自給率は12%です。日本食でもよく使われる大豆は7%です。
ほぼ輸入に頼っている状況なのです。
他では、鶏肉は65%、牛肉は38%、砂糖は28%、油類は12%です。
このように日本の食料自給率がとても低く、先進国では最低水準の38%です。
この状況でたくさん輸入している国との国交が途絶えると、大変なことになります。
もうひとつ、エネルギーも依存している状況です。
原油の自給率は0.3%です。
原油の8割は中東から来ています。
なので中東諸国との関係は非常に重要です。
万が一中東で大きな戦争が起きるとこれまた大変なことになります。
輸入先の分散は必須です。
それに石油の可採年数もあと50年と言われています。
そうなると世界の情勢も激変しそうですね。
とりあえず日本のエネルギー自給率は、世界的にみても相当に低いです。
特に中東諸国との関係性を保つ為にも、情けは人の為ならず、協力する姿勢が必要です。
「高校チュータイ外交官のイチからわかる!国際情勢」を読んでやってみた
地政学に興味が出てきました
実践してみたこと
- 世界情勢を勉強しよう
ふんふん、なるほど。
世界の国の名前も位置もほとんど分かっていない底辺レベルの僕も国際情勢の面白さがわかりました。
知れば知るほど、断片的な知識が繋がっていくのが面白いですね。
「あ、だからあの問題からこの問題が発生したのか!」みたいにわかってきます。
そこで興味が出てきたのが地政学です。
地政学とは、地理的な条件が国々の政治や経済、歴史に与えてきた影響を勉強する学問です。
たまに池上彰さんがテレビで解説してるやつですね。
地政学がわかると、歴史の流れが分かりそうな気がします。
ちょっと本を仕入れてくるんで、読んだらまた紹介しますね。
なんか、新しい扉が開いたような?
国際情勢とか聞くと拒否反応が起きるような人にこそピッタリな本だと思います。
是非読んでみて下さいね!
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コロナ後は世界情勢も変わるはず。
大前研一さんの分析を読んでみよう!
著書名 高校チュータイ外交官のイチからわかる! 国際情勢
著者 島根 玲子
出版社 扶桑社