「ファクトフルネス」本能の判断に惑わされずに、事実に基づき世界を知ろう!
進化の過程で作られた本能を知ろう!
この本を読むと得られるもの
世界を知るにはきちんとした数字の把握が大切です。
判断の邪魔をする本能の存在について勉強出来ます。
本能を意識する事で、なんとなくの錯覚から抜け出せます。
ウェーイ!記念すべき「がむしゃぼん」200冊目の本の紹介です!🎉🎉🎉
この節目に紹介する本はどれにしようかな?ふさわしい本にしたいな。
そう思って選んだのが、この世界的ヒットの名著である「ファクトフルネス」にしました。
どんな本か楽しみですね。
まずはあなたが世界についてどれぐらい知っているのかクイズをしましょう。
①世界の平均寿命は現在およそ何歳でしょう?
A.50歳 B.60歳 C.70歳
②自然災害で毎年亡くなる人は、過去100年間でどう変化したでしょう?
A.2倍以上になった B.あまり変わらない C.半分以下になった
③世界中の1歳児の中で、何らかの病気に対して予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?
A.20% B.50% C.80%
④1996年に、トラとジャイアントパンダとクロサイが絶滅危惧種に指定されました。このうち当時よりも絶滅の危機に瀕しているのは何種類でしょう?
A.2つ B.ひとつ C.ゼロ
⑤世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年間でどうなったでしょう?
A. 約2倍になった B.あまり変わらない C.半分になった
答えは①から⑤まで全部Cでした!いくつ答えれました?僕は全部Aで答えてしまいました。
普通に適当に答えても正解率は33%以上あるのに、0%…。
これは知識不足であるのは間違い無いですが、ただそれだけの話ではありません。
⑤なんて世界の変化の中で最も素晴らしい事です。しかし、そんな事なのに知られていません。正解率は7%だったそうです。
学歴が高い人でも結果は同じでした。
当てずっぽうで答えるよりも正解率が低いという事は、あえて間違いを選んでいるのです。
人間は不正解のうち、よりドラマチックな方を選ぶ傾向が見られました。
ほとんどの人が世界は実際よりも怖く、暴力的で、残酷だと考えているのです。
人はなぜ悲観的に世界をとらえ続けるのでしょう?
この本は、「事実に基づく世界の見方」を教えてくれます。
脳の機能は錯覚やバイアスによって決断を間違うようにできているのです。
もちろん暮らす上では欠かせない機能です。
でも今や砂糖も意識的に抑えないといけないように、ドラマチックに考える本能は抑えるべきなのです。
時代の進歩に本能は追い付いていません。
この本では、
分断本能
ネガティブ本能
直線本能
恐怖本能
過大視本能
パターン化本能
宿命本能
単純化本能
犯人探し本能
焦り本能
ファクトフルネスを実践しよう
という項目で、人間の本能について解説されてます。
人は皆、ドラマチックな10種類の本能を持っているのです。
ここでは、分断本能、ネガティブ本能について要約していきます。
他の本能も気になりますよね。是非この本を読んでみて下さいね。
判断を鈍らせる干渉をしてくる本能たち
分裂本能「世界は分断されている」
人は様々な物事や人々を2つに分けたがります。
先進国と途上国、勝ち組と負け組、富裕層と貧困層、リア充と非リア。
そしてその2つのグループには深い溝があると思い込んでいます。
先進国と途上国で考えた場合。頭の中には貧しい国と豊かな国、西洋諸国とその他の国、みたいなイメージがあると思います。
それは1965年ごろの話です。ほとんどの国が先進国と途上国の2パターンに分かれていました。
現代では世界は一変しています。中国やインドを含むほとんどの国が「先進国」と名付けられていた枠に入っています。
現在、世界の人口の85%は以前「先進国」と呼ばれた枠の中で、残りの15%のほとんどは先進国と途上国の間にいます。
いまだに「途上国」と名付けられた枠組みにいるのは全人口の6%、13カ国だけなのです。
現在では世界の75%の人々が中所得層で暮らしています。
これからの世の中はグローバル市場が重要になっていきます。
これらの事実を知らずに「貧困層」だと思い込んでいるうちは、ビジネスチャンスにも気付けないでしょう。
表の中の人はそれぞれ10億人を表してます。全部で世界人口の70億人です。
所得に応じて分かれています。
でも、これもちょっと目盛りの数値が中心に寄るようになっている気がする…ん?誰か来たようだ。
上の図をRPGのように考えてみましょう。
レベル1は1日1ドルの生活です。
泥水を飲み、お粥しか食べていません。
病気になると命を落としてしまう確率が高いです。
もし豊作になればレベル2に上がれます。頑張ろう。
ついにレベルアップ!1日の稼ぎは4倍の4ドルです。
お粥以外にも卵が食べる事が出来るようになりました。
サンダルも買えたし、停電のない日は電気を使って夜も勉強が出来ます。
でも病気になれば貯金が尽きてレベル1に戻ってしまいます。
どうにかして地元の工場で働ければ…。
すごい!見事仕事に就き、またまたレベルアップです。
仕事を掛け持ちして働き続けて、収入は4倍の16ドルになりました。
買いたての冷蔵庫は便利で、毎日毎日ご馳走が食べれます。
入院してもなんとかやっていけます。子供も高校を卒業しました。
初めての家族旅行にも行きました。
しかし、レベルが4にもなると3ドルの差に大きな意味はありません。
レベル1では3ドルで生活は激変しますが、むしろ今では「はした金」です。
車に乗り、水道からはお湯も出ます。
現実ではレベルアップには世代をまたぐ事も多いです。
人類は最初はみなレベル1にいました。最初の10万年は誰もレベル2になってません。
今から200年ほど前では、世界の85%がレベル1でした。
現代では世界の大半はレベル2と3です。
私たちは気付かないうちに、世界を2つに分けています。
シンプルだし、しかも対立していればなおドラマティックです。
ジャーナリストは分断本能に訴えるため、話を組み立てる時に2グループを強調します。
分断本能を抑えるには、3つの注意書き必要です。
まずは平均の比較に注意です。これは平均値だけで見た場合、分布が隠れてしまうからです。
平均の先にある分布に注目して、一人ひとりの数字を見ることで、より正確な全体像がつかめます。
極端な数字の比較にも注目です。
両極端な例は、分断本能を刺激してしまいます。
例えば、ブラジルではトップ10%の人間が富の41%を持っています。
極端に0.1%の人間を取り上げるので、不公平でひどい国だと思ってしまいます。
しかし、この41%はここ数十年で一番低いのです。全体の収入が上がっています。
そしてブラジルの人々の大半はレベル3の暮らしをしています。
アメリカではレベル3の暮らしでも貧困層と呼ばれています。
最後の注意点は、レベル4からの視点では下の違いがわかりにくいという事です。
レベル4からは2と1の違いがわかりません。
しかし実際はこのレベルの差は非常に大きいのです。
分断本能のファクトフルネスとは、話の中の「分断」に気付く事です。
分断本能を抑えるには、大半の人がどこにいるのか探すことです。
ネガティブ本能「世界はどんどん悪くなっている」
人はポジティブな面より、ネガティブな麺に目が行きがちです。
これがネガティブ本能です。
そしてこれも「世界についての勘違い」が生まれる原因になっています。
これがよく聞く「世界はどんどん悪くなっている」説です。
確かに年寄りと話すと正直こればっかり言ってますね。
現代の日本は、年寄りが若かりし時代よりも、凶悪犯罪、放火、強姦、全てが激減しています。
直近の20年で人類は最も早いスピードで、貧困が減っているのです。
レベル4にいる人たちが気付かない間に、世界では数十億人が貧困から抜け出したのです。
現在、世界の平均寿命は72歳です。
1800年頃の平均寿命は30歳でした。ただし子供で亡くなるのが半数、残りの半分は50歳から70歳で亡くなってます。
これも平均のワナですね。
人類はとうとう「生き延びるのに必死な時代」を抜け出したのです。
もちろん今も飢餓や干ばつによる悲劇は起きています。しかし、今は昔よりも必要な人に援助が届きやすくもなりました。
世界では、16の悪い事が減り続けています。
奴隷制度、HIV感染、乳幼児の死亡率、戦争の犠牲者、死刑、飛行機事故、児童労働、核兵器、天然痘、大気汚染、オゾン層の破壊、飢餓etc。
逆に増え続けている良い事もあります。
新しい映画、自然保護、女性参政権、科学の発見、収穫高、識字率、女子教育、絶滅危惧種の保全、電気の利用、携帯電話、安全な水、インターネット、予防接種etc。
こんなに数字は変化しているのに、世界はどんどん悪くなっていると思う人が不思議ですね。
これがネガティブ本能なんです。
ネガティブ本能を刺激する要因は3つあります。
- 思い出の美化
- 偏った報道
- 以前より良いと言いにくい空気
なるほど、美化するから年寄りは昔は良かったと言いがちなんですね。
報道も悪いニュースを放送する総時間がどんどん増えています。犯罪が減り続けているのにです。その方が視聴率が取れるからですね。
ネガティブ本能を抑えるファクトフルネスとは、ネガティブなニュースに気付く事です。
世の中が良くなっても、そのことを知る機会は少ないです。
悪いニュースの方が広がりやすいことを意識しておきましょう。
「悪い」と「良くなっている」は利用率する事も理解しましょう。
ゆっくりとした進歩はニュースになりにくいです。
悪いニュースが多く聞くようになったのは、世の中が悪くなったのではなく、監視の目が行き届くようになったからです。
過去の美化にも注意しましょう。
「ファクトフルネス」を読んでやってみた
犯人捜し本能は怖い
本能ってこわいわー。
その中でも怖いのが、犯人捜しだと思う思います。
何か悪い事が起きた時に、単純明快な理由をつけたくなるのが「犯人捜し本能」です。
やばい、やりがち…。
上手くいかない時は、誰かが仕組んだワナのように思いがちですよね。
俺がデブったのは、食べ物の添加物のせいだ!
添加物だらけを売ってるコンビニは悪だ!
…いや、俺が食い過ぎなだけやろ…。
世の中です悪者にされがちなのが、ビジネスマン、ジャーナリスト、外人です。
あかん、ほんまやりがち…。
責めても、何の得にもなりません。そんな衝動に負けてはいけません。
誰かを責めてると他の原因に目が行きません。
犯人ではなく、原因を探さなあかんな。
その為にも世の中の仕組みを知らないといかんのです。
ファクトフルネスは難解な本です。
でも世界ではベストセラーになった理由もあるはず。
是非読んでみてくださいね。
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著書名 FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
著者 ハンス・ロスリング
出版社 日経BP