「世界一幸福な国デンマークの暮らし方」弱者を救う社会福祉の大切さ
アンデルセンの童話って意外と怖かったのね…
この本を読むと得られるもの
- デンマークの社会福祉制度が学べます
- アンデルセン童話が伝える社会を知れます
- 日本が抱える問題について考えるきっかけが得れます
イギリスのレスター大学が発表した「幸福度マップ」という幸福度調査があります。
これは経済状況や医療制度、教育などのテーマを分析、幸福度に影響を与える要因となる医療制度、裕福度などを数値化して、ランキングにしたものです。
ここではデンマークは一位、第二位にスイス、三位がオーストリアでした。
アメリカは23位、日本は残念ながら90位です…。
え?日本って大概裕福やと思うんやけど…?
実際にデンマークの国民の80%は「この国に生まれて良かった」と言ってます。
そんなデンマークってどんな国なんでしょう?
デンマークは北欧の小さな国です。
ユトランド半島、シェラン島など500以上の島々からなる国なんです。
人口は東京都の半分以下です。気温は温和で、日本で言えば夏の北海道くらいの感じです。
首都はコペンハーゲンで、「商人の港」という意味があります。
祖先はバイキングですが、現在は農業国として栄えています。
デンマークの観光地として人気なのはコペンハーゲン、古城、そしてアンデルセンの生まれ故郷のオーデンセです。
この本では、アンデルセンの童話から引用しながら、デンマークの幸せな国にたる所以、そしてそれを日本を始めとする他国は何をするべきかが書かれています。
マッチ売りの少女が幸せになるためには。貧困を考える
はだかの王様のように騙されない。政治を考える
みにくいアヒルの子をいじめたのはなぜ?教育を考える
赤い靴の無責任の教え。社会のあるべき姿を見て考える
ナイチンゲールの唄声は介護の心。福祉を考える
人魚姫の選択。自立することを考える
ここでは、「マッチ売りの少女が幸せになるためには。貧困を考える」「人魚姫の選択。自立することを考える」の項目を要約します。
興味を持った方は是非本で読んで下さいね。
マッチ売ります少女から貧困問題を考える
マッチ売りの少女は、凍えて飢えて、最期は亡くなってしまいます。
アンデルセンはこの物語を160年ほど前に書き上げています。
アンデルセン自身も貧しい家庭で育ちました。
デンマークのアンデルセン記念館にある「マッチ売りの少女」の絵にある少女は、痩せこけてボロボロの服を着た姿です。
少女は空腹で、凍えて、たまらずマッチを擦ったのです。
死ぬことでしか幸せになれない世界は残酷すぎます。
貧困からどのようにすれば脱却出来るのでしょうか。
「働かざる者食うべからず」の「働かざる者」とは、働きたくない人のことです。
働きたくても働けない境遇の人や、失業中の人のことではありません。
このような境遇の人には、安心して食べていける保障を社会全体で考える必要があります。
OECDは、先進30カ国が加盟する国際機関です。
これに加盟している国の中で貧困率が最も高いのはメキシコの20.3%で、2位がアメリカ、トルコ、アイルランドと続き、日本は15.3%で3位です。
日本ってこんな貧困率高いの?
OECDの貧困率とは、その国の平均所得より50%以下の所得しかない家計を貧困者としています。
実際、生活保護の対象者も増え続けています。
この状況を改善するためには、国民の連帯して貧困者を救う姿勢を持つことが必要になります。
しかし、現状の日本の福祉政策は税金が無駄に使われている部分があることも政治不信にもなっています。
まずは必要な予算を算出し公にすることからです。
生活保護や高齢者年金を支給する場合でも、それぞれの受給者が労働可能であれば、仕事のできる場を提供する政策を立てる必要もあります。
国民の連帯とは、信用できる政府に、然るべき税金を納めることです。
それぞれが取り組むことで、マッチ売りの少女が命を落とすことのない社会を作っていけるのです。
人魚姫から自律を考える
誰もが自分にないものを満たそうとする願望を持っていますよね。
その望みを叶えようと努力する人と、無理だと諦めてしまう人もいます。
人魚姫は人間の世界に憧れて、それを得ようと自分が持っている大切なものと引き換えました。
人生には大きな分岐点がやってくる時があります。
分岐点には「成長」と「危機」の2つが存在する事を知っておかなくてはいけません。
自分のことばかり優先しての自己決定は、利己主義となり疎まれることになります。
誰もが自由に憧れます。自由は人間を一番幸せにする要素だからです。
人魚姫は憧れて人間の世界に行きましたが、夢は叶いませんでした。
王子の命を奪えば助かりましたが、人魚姫はそれを拒否し、自分の命にかえて責任をとったのでした。
国民には様々な生活をする権利があり、どんな暮らしをするかは国民の自由です。
しかし、自由には必ず責任が伴いますので、自己責任とは何かを自覚しなければいけません。
自己責任で一番大切なのは「自立」です。
自立とは、他人から経済的な援助を受けずとも生活できることです。
しかし、社会的弱者は何かしらの支援を必要とします。
社会的弱者は支援を受けながら、自分で律して自律出来る様にするのです。
自立できるお金をもらい、生活を律していく支援が必要だということです。
デンマークでは男性の育児休暇は普通です。
日本は未だに「育児は女性の仕事」と決め付けている人が少なくありません。
今まで男性が外に出て仕事が出来ていたのは、女性が子供の面倒を見てくれてたからです。
だから稼ぎの半分は女性が稼いだと言えます。
そうなると、女性が同じように外へ出て仕事をする時には、女性がやっていた家事や育児は同じように分担するのが当然です。
同等に家庭に対して責任を持つ。
これが平等の考えです。
だから、デンマークでは男性が育児休暇を収得するのは当たり前のことなのです。
育児手当も充実し、離婚後の仕事の心配もないからか、デンマークの離婚率は41%です。
しかし、そこから起きる社会問題もあります。
デンマークで一番多い児童虐待は、血の繋がっていない子供への近親相姦です。
離婚率が高く、再婚するケースも少なくないから発生している問題です。
社会問題とは、社会の一部の問題ではありません。
日本の社会問題についても考えていかないといけないですね。
「世界一幸福な国デンマークの暮らし方」をよんでやってみた
自分がいつ社会的弱者になっても困らない社会
この本を読んで起こした行動
- 日本の社会福祉制度について調べてみた
- どの仕事をするかは自己責任という認識を持った
- 勤務出来なくても稼げるような副業を始めた
タイトルから「幸福感の高いデンマーク人のモーニングルーティン」みたいな内容かと思って読んでみると、社会派でした。
デンマークが幸福度が高いのは社会福祉制度の充実が大きな要因であるということです。
日本も高齢化が進み、社会福祉制度が大きな問題となっております。
また、自分がいつ交通事故で不自由な体になるかもしれません。
若いうちにアルツハイマーを患うかもしれません。
自分がいつ社会的弱者になっても大丈夫な社会をつくる、という意識がそれぞれに必要ですね。
僕も最近では入院を繰り返しており、このまま続くと今の仕事は無理かなーとか考える事が増えたので他人事ではないです。
日本には一般的に知られていない福祉制度は予想以上に多くあります。
それらを知ることも大切ですね!
関連記事 この投稿も読んでみよう!
新しい社会保障制度として注目されているベーシックインカムの未来についても考えですみましょう!
著書名 消費税25%で世界一幸せな国 デンマークの暮らし (角川SSC新書)
著者 ケンジ・ステファン・スズキ
出版社 KADOKAWA