この本を読むと得られるもの
- 腸内フローラの働きについて学べます
- 腸内フローラを活かして健康を保つ方法がわかります
- 病気の予防にも使える知識が得られます
「腸内フローラ10の真実」腸内細菌と僕たちの密接な関係!やせて若返る秘訣は腸にあり!
腸が弱くて大変なんです
僕たちの腸の中には100兆以上の細菌が住み着いています。
人間の遺伝子の数は2万数千個と言われてますが、腸内の細菌たちが持っている遺伝子の総数はその100倍にもなります。
こうした腸内細菌は、ニンゲンが食べたものをエサにして、競い合い助け合う「生態系」を作っています。
その細菌たちの生態系のことを「腸内フローラ」といいます。
フローラとはお花畑みたいな意味の言葉です。
腸内の細菌がお腹の調子を整えたりするのは有名です。
ヨーグルトとかにも善玉菌や悪玉菌と書いてあり、なんとなく理解しています。
しかし、最近の研究ではそんな常識を超えたレベルで、腸内フローラは全身の美容と健康、日々の暮らしに深く関わっていることがわかってきました。
腸内細菌は、私たちが人生を楽しく快適に生きる為に欠かせない重要なパートナーなのです。
僕は去年腸の調子が悪く2回入院してしまいました。
腸が悪いとほんと毎日が大変です。
なんとか元気な腸内を取り戻したい!
この本は、NHKスペシャル「腸内フローラ 解明、驚異の細菌パワー」という番組をさらに詳しくまとめたものです。
今世界中で腸内フローラの研究が進んでいます。
外国では、数百億円の国家プロジェクトになっています。
この本では、
- 「腸内フローラ」でやせる!若返る!病気を防ぐ!
- 「腸内フローラ」でこころを守る!脳を助ける!
- 「腸内フローラ」と「人体」の不思議な関係
- 理想の腸内フローラを求めて
のテーマで腸内フローラについて解説されてます。
この本は前編と後編との二部構成になっているのです。
今後研究が進めば、腸内細菌との付き合い方を変えるだけで、いままで治らなかった病気が治ったり、気分良く毎日が過ごせるようになるでしょう。
この本を読んで腸内フローラを勉強すれば、人体をもっと深く知ることができると思います。
肥満かどうかは腸内フローラの影響が大きい
太りやすい人と太りにくい人がいるのは、なんとなく実感しますよね。
基礎代謝であったり、遺伝なども関わっていると思います。
ところが、2013年に「腸内フローラの乱れが肥満体質の原因になる」という研究発表がされたのです。
それまでは腸内フローラの違いが肥満の「原因」なのか、肥満だから腸内フローラが乱れる「結果」なのかがわからなかったのです。
この発表をしたワシントン大学のゴードン教授のもとに取材班は飛び立ちます!
研究室では肥満の人と、そうでない人の腸内フローラを無菌マウスに移植する実験をしていました。
2つのグループのマウスを同じエサと運動量で育てます。
すると肥満の人の腸内フローラを移植されたマウスはどんどん太っていったのです。
同じ食事と運動量でも、腸内フローラ次第で結果が変わるのです。
「私の腸内フローラをやせフローラに変えることは出来るの?!」
切実な疑問ですが、結果から言うと可能です。
この研究で分かったことは、「肥満させる細菌がいるわけではない。肥満を防ぐ細菌がいないのだ」ということです。
肥満フローラでは、主にバクテロイデスというグループに属する菌の数が、極端に少ないことがわかりました。
そしてこれらの細菌を外部から与えると、肥満体質が治ることも確認できました。
私たちが食事をする度に腸内細菌たちが短鎖脂肪酸を作り出します。
この短鎖脂肪酸が全身の細胞に対して「ちゃんと栄養は足りてるから、必要以上に溜め込まなくていいよ」と伝えるシグナルを出します。
ところが、肥満の人の腸内では、菌の数が減り短鎖脂肪酸を作る能力が低下しています。
その為、食事をしても肥満のブレーキとなる短鎖脂肪酸が十分に作られません。
栄養分だけが血液中を回る為、脂肪細胞がどんどん肥大化していくのです。
短鎖脂肪酸は、酢酸、酪酸、プロピオン酸という3つの物質の総称です。
このうち天然の痩せ薬としての効果が確かめられたのは酢酸。いわゆる「お酢」です。
つまりお酢を搾取すると同じ効果が得られるのです。
でも、それよりも腸内細菌に作ってもらうのがベターなんだそうです。
なぜなら酢酸は血液に入ったあと、すぐに分解されるので効果が一時的なんです。
一方の腸内細菌は腸の中に食べ物がある間、ずっと短鎖脂肪酸を出し続けます。
その為に血中濃度が維持されて、効果が長続きするのです。
では、どうすれば腸内フローラを変えることが出来るのでしょうか?
大切なのは「腸内細菌にエサを与える」という考え方です。
私たちの食事は腸内細菌にとっても大切なエサです。
とくにバクテロイデスなどの短鎖脂肪酸を作る細菌たちは「食物繊維」をエサとしています。
つまり、ダイエットをしたい人は野菜を多めに食べれば「肥満フローラ」を「やせフローラ」に変えていけるのです。
食生活を数週間、低脂肪・高食物繊維に変えると短鎖脂肪酸の生産量が上がってくるそうです。
いい菌を育てられるかどうかは、私たち次第なのです。
腸内フローラは若々しさにも影響します
他にも腸内細菌が作る物質が私たちの健康を守る例が見つかっています。
そのひとつが肌の健康を保つ物質「エクオール」です。
目尻のシワや、肌のハリは年齢とともに失われていきます。
老化現象だから仕方ないのですが、明らか個人差が大きいですよね。
こうした差を決めているのが腸内細菌かもよと研究が始まりました。
実はこのエクオールを作る腸内細菌は、誰もが持っているわけではありません。
調査によると「エクオールを作れる人」は、日本人だとおよそ半数。
そんな殺生な…。
自分がエクオールを作れるかどうかは尿検査で解ります。
ただ、エクオールを作ってくれる細菌を持っていても、その細菌のエサをあげないと働いてくれません。
そのエサとは「イソフラボン」です。
エクオールは女性ホルモンと似た構造を持っています。
女性ホルモンは女性の体を若々しく健康を保つ働きをしています。
更年期になると、女性ホルモンの分泌量が急激に低下し始めます。
エクオールは女性ホルモンの代わりとして働き、それを補ってくれるのです。
エクオールは大豆の中に含まれるイソフラボンを、腸内細菌が変化させる事で生まれます。
そして、エクオールはイソフラボンよりも高い効果を持っており、まさにスーパーイソフラボンなのです。
性格と腸内フローラとの関係
この本では、他にも病気と腸内細菌との関係が多数書かれています。
ガンに糖尿病、アトピー動脈硬化などなど。
気になる症状がある方は本で確認して下さい。
そんな様々な病気と闘っている腸内フローラですが、なんと「脳」にも影響しているというのです。
しかも、腸内細菌が記憶力や判断力などの脳機能や、ストレスの感じ方、性格にまで影響を与えているそうです。
実際、腸内フローラを変化させる事で、うつ病を治療するという臨床試験も始まってます。
世間的には実験に使われるマウスには約400もの系統があります。
慎重な性格の系統、活発的な系統など、実験に合わせて選ばれます。
マクマスター大学のベルチック教授は、「マウスの腸内細菌を入れ替えたら、性格は変わるか?」という実験をしました。
臆病系統は怯えて高い台の上から降りるのに5分以上かかるのですが、活発系統は怖がらずに17秒で降りてきます。
そして腸内フローラを入れ替えた結果、降りるスピードが入れ替わったのです。
この結果、性格は遺伝子だけでなく腸内フローラの影響を受けて受けていることも明らかになりました。
様々な研究の結果、腸内細菌がいないと脳は「正常に」発達できない事もわかっています。
ストレスに対して過剰に反応したりするのです。
そもそも、脳と腸が関係していることは古くから医療現場では知られていました。
「脳腸関係」と呼ばれていて、脳がストレスを抱えると下痢や便秘になったりします。
逆に腸の調子が悪いとうつや不安を引き起こします。
こうした脳と腸の病気は、連動して起こることがとても多いのです。
そしてそこにも腸内細菌が密接に関係しています。
人間の脳には1000億個の神経細胞ネットワークがあります。
一方、腸にも神経細胞があり、腸管の周りをびっしりと覆うネットワークを作っています。
腸管神経の神経細胞は1億個。イヌの脳とほぼ同じです。
そんな脳と腸ですが、このふたつの臓器は脊髄とは別に「直通回路」があるのです。
それは「迷走神経」と呼ばれる神経です。
迷走神経は自律細胞の一種です。
無意識の中で、体の様々な機能を調整しています。
特に気分や感情に強い作用を及ぼしています。
そこにどのように腸内細菌が関与するのか?
それは、腸内細菌が作る神経伝達物質が腸の神経を刺激します。
その信号が迷走神経を通じて脳に伝わり、気分や感情に影響を与えていたのです。
「腸内フローラ10の真実」を読んでやってみた
この本を読むまで腸内フローラを知りませんでした
実践してみたこと
- 和食中心の食生活に変えていこう
腸内フローラを整えたいなあ。
どんな菌が、どのくらいの割合で住み着くのかは、人それぞれで全く違うそうです。
多くの人が5歳までに腸内フローラの構成が決まってしまい、その後は大人になってもほとんど変わることはありません。
ただし、食生活などで小さな変化は絶えず起きています。
その小さな変化すらも健康に大きく影響を与えるのは前述のとおり。
腸内細菌は生まれた後で何らかの形で入ってきたものです。
どこかで菌に接触することで「もらってくる」ものなのです。
例えば海藻を消化する腸内細菌は日本人しか持っていません。
そうなると、「和食を食べる恩恵は、外国人より日本人の方がずっと多いはず」と言えそう。
私たちの体の中にいるのが、「和食を食べて生きてきた腸内細菌」だからです。
腸内細菌は長い時間をかけて、地域ごとで受け継がれてきています。
人間と腸内細菌は、非常に長い年月をかけて共に進化し、一番「うまくいく」ような仕組みに仕上げてきたのです。
そう考えると、食生活って大切ですね。
昔ながらの生活が健康に良い、とよく言われるのも納得出来ます。
食生活を見直さないとなあ。
腸内フローラ、めちゃめちゃ面白いですね。
これからも人体については色々本を読んでいこうと思いました。
とりあえずこの本を読んでやってみよう、な!
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ダイエットをしたいという方。この方法がすごいですよ!
著書名 やせる! 若返る! 病気を防ぐ! 腸内フローラ10の真実
著者 NHKスペシャル取材班
出版社 主婦と生活社